AI時代にシニアは何をやるといいか。医師の和田秀樹さんは「AIが代替する仕事が増えることでシニアは身体的なハンデがなくなり、経験や感性を仕事で活かせる機会が増える。働き続けるほど若々しくいられるというデータもあり、雇用主側もシニアを雇いやすくなるため、お小遣い程度に仕事がしたいという人には絶好のチャンスだ」という――。
※本稿は、和田秀樹『AIを賢く利用して 老後を図々しく生きる』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
「ラクをすること」への抵抗感なんて捨ててしまえ
AIの活用が進むと、人の暮らしや常識は大きく変わります。
たとえば掃除一つとっても、ロボット掃除機の登場で大きく変わりました。かつては掃除機をかけたり、ほうきで掃いたり、つまり掃除は人間が体を動かして行うことが当たり前でした。年をとって腰痛が気になっていても、「自分がやるしかない」とがんばっていた人もいるでしょう。
それが、今やソファに座ってテレビを観ている間に、ロボット掃除機が勝手に掃除をしてくれる時代です。
AIを使った商品が増えれば増えるほど、ラクできることは増えていきます。
「苦労は買ってでもしろ」なんて言われて育った世代は「ラクをすること」に抵抗があるかもしれませんが、そうした固定観念は捨ててしまったほうがよいと私は考えています。
そもそも、世の中は人間がラクをできるように進化してきました。洗濯機も炊飯ジャーも掃除機も、面倒くさい家事をラクにするために機械化されたものです。便利になることやラクをすることを否定したら、技術の進歩は止まってしまうでしょう。
ラクができて自分でやらなくてよいことが増えれば、自由に使える時間が増えます。人生の貴重な時間を自分のために使いましょう。やりたくないことを続けて暗い顔をしているよりも、好きなことをハツラツと楽しんでいるほうが、周りも元気になります。