「早く火が消えて」避難の住民 焼失225haに 岩手の山林火災

松尾葉奈 小泉浩樹
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 岩手県大船渡市三陸町綾里の山林火災は21日朝から消火活動が再開した。延焼の恐れがあるとして、市は20日夜から避難所を開設し、現場北側の田浜地域62世帯157人に避難指示を発令。発災から3日目となるが、鎮圧のめどはたっておらず、住民からは不安の声があがる。けが人や住宅への被害は確認されていない。

 県防災課によると、21日午前7時現在で焼失面積は約225ヘクタール。一晩で約100ヘクタール以上広がった。避難指示が出た集落は火災現場の北側にあり、大船渡市によると延焼は東方向に広がっているという。21日も消防や自衛隊が主に空中から消火活動にあたっている。

 気象庁によると、21日も大船渡市には乾燥注意報が出されている。

 避難所のコミュニティー施設「綾姫ホール」には20日夜、4世帯7人が避難した。避難指示の対象の田浜地域に住む佐々木正子さん(71)は避難所で一晩過ごした。21日朝、一度帰宅して着替えなどを済ませた後、再び避難所に戻ってきた。「家からすぐそばまで火の手が迫っていて怖い。全部が灰になってしまうかもと不安。今夜もここで過ごすつもりだけど、早く火が消えることを願うしかない」と話した。

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この記事を書いた人
松尾葉奈
盛岡総局
専門・関心分野
地方の若者、ジェンダー、災害、平和構築
小泉浩樹
盛岡総局|県庁担当
専門・関心分野
社会保障、消費者問題、地方自治