<くらしの中から考える>動物福祉

2023年1月6日 07時46分 有料会員限定記事
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 「動物福祉」(アニマルウェルフェア)という言葉を知っていますか? 動物が心身ともに健全な状態であるようサポートすることをいいます。動物園を手掛かりに考えました。 (長田真由美)

◆配慮が進む動物園 心身の健康目指す

 札幌市円山動物園の「ゾウ舎」は、二〇一八年に完成した最新の施設。アジアゾウ四頭が生き生きと暮らせるよう、さまざまに配慮されている。
 飼育場の床材は、一般的なコンクリートではなく砂。体重が重いゾウは脚への負担が大きく、ひづめがひび割れるなど、コンクリートではトラブルが起きやすいからだ。ゾウが好きな水浴びは、屋内外の両方にプールを設けて、冬でもできるようにした。
 また、飼育担当者はゾウがいるスペースには入らない。ひづめを整える削蹄や採血などの健康管理も、専用の扉を介して行う。飼育展示課の坪松耕太さん(39)は「ゾウにとってもストレスが少なく、飼育員や獣医師の安全も考えた飼育をしている」と話す。
 私たち人間は、動物園や水族館の展示動物のほか、家畜動物や研究のための実験動物、一般家庭のペットなどさまざまな場面で動物とともに生きている。目的に合わせ、こうした動物たちが健全な状態でいられるようにするのが動物福祉だ。適切な環境で飼育され、恐怖や不安、苦痛など不要なストレスがかかっていないかなどに気を付ける。
 「動物も心がある存在だと正しく理解して、関わる必要がある」。東山総合公園(名古屋市)の企画官として十三年間務めた中部大特任講師、上野吉一さん(62)が言う。動物園なら、日陰に入れる、水浴びができるなど、その動物にとって意味のある環境の整備などを表す。「日本では誤解されがち...

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