病気を理由にたくさん傷ついた米良美一さん「歌の世界で青春過ごせた」…鳥取・米子で講演
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アニメ映画「もののけ姫」の主題歌を歌った米良美一さん(53)が病気で差別を受けた経験などを語る講演会が23日、鳥取県米子市末広町の市文化ホールで開かれた。約230人が強く生きる米良さんの姿に大きな拍手を送った。

人権問題に触れるきっかけを増やそうと米子市同和事業推進協議会が開催。難病で先天性の「骨形成不全症」を抱える米良さんは、中学時代は骨折して寝たきりになることも多かったという。「みじめな思いをすることが多かったが、歌っている時は父や母が笑顔だった。歌の世界では(自分が体験できなかった)青春を過ごせた。だから私は音楽の世界に夢を求めた」と語った。
もののけ姫で注目を浴びた後も、自身の病気について言えなかったといい、「小さい頃にたくさん傷つき、50年かけてやっと克服した。悲しみ、無念の思いを持った人たちがいると想像することが大事」と訴えた。講演ではもののけ姫の主題歌をはじめ、「花は咲く」など数曲を力強く歌い上げた。
同市の主婦(73)は「逆境に打ち勝っていく姿に感動した。涙が出た」と話した。