全国の16レコード店、柳ヶ瀬に大集合…DJ仲間が開催「深くて柔らかい音を」
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全国各地のレコード店が集まり、様々なレコードを販売して魅力を伝えるイベント「SUNDAY RECORD MARKET」が2日、岐阜市で開かれる。コロナ禍の打撃を受けたクラブのDJらが有志となって始め、今年で4回目。今回は柳ヶ瀬地区の再開発ビル「柳ヶ瀬グラッスル35」とレンガ通り商店街が協力して会場になるなど輪が広がっている。(林昂汰)

イベントはDJの活動などでつながりのある県内のデザイナーや会社員ら有志7人で運営し、正午から午後6時まで開催する。東京、大阪、岡山など9都府県から過去最多となる16店のレコード店が参加予定だ。
岐阜市のレコード店「catnoise(キャットノイズ)」の店主、鬼頭義貴さん(39)は歌謡曲やパンクロックのほか、自身や仲間のミュージシャンの自主制作物など300枚ほどを持ち寄るという。2回目の参加で「初めて会う店の人もいるので楽しみ」と話す。
イベントは2020年、岐阜市内の飲食店が入る建物で初めて開かれた。開催に動いたのは、レコードを再生してクラブを盛り上げるDJ仲間たちだった。
コロナ禍でクラブや飲食店などの営業が厳しく、DJの活動も難しくなった。付き合いのあるレコード店も外出自粛などで客足を減らしていた。そこでレコード店や飲食店をもり立てようとイベントを企画。22年の3回目には200人以上が訪れる盛況ぶりだった。
3年ぶりの開催となる今回は、柳ヶ瀬グラッスル35とレンガ通り商店街の協力も受けて規模を拡大。キッチンカーやコーヒー店、ハンバーガー店、雑貨販売のブースなど計18店も参加し、家族連れでも楽しめるようにした。
日本レコード協会によると、レコード生産金額は20年には21億1700万円に減り、特に洋盤は前年比25%減と落ち込んだ。しかし、その後は回復傾向で、24年は78億8700万円と1989年以来35年ぶりに70億円を超えるなど再注目されている。
有志グループの一人で可児市の会社員(44)は「レコードは音が深くて柔らかく、CDやサブスク(定額制音楽配信)よりも重厚感がある。ひっくり返したり、針を置いたりすることで音楽とより深く向き合える」とアナログの魅力を語る。「昔からのコレクターもレコードに触れたことのない人もフラッと来て試聴してもらえる。色んな人に来てほしい」と呼びかけている。