震災14年「忘れない」友に祈り
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東日本大震災の発生から14年を迎えた11日、県内でも犠牲者の追悼や復興を祈る催しが行われ、被災地に思いをはせた。県内では今もなお100人を超える避難者が身を寄せている。
岐阜で黙とう

岐阜市の円徳寺では、震災の犠牲者の追悼法要が行われた。被災者ら約10人が参列し、焼香して手を合わせた。
法要には、震災時に高校2年生で宮城県石巻市で被災したという岐阜市の会社員の女性(31)も訪れた。幼なじみを津波で亡くしたといい、「14年がたったが、建物は復興しても、人の心は復興していないと思う。それぞれみんなトラウマを持っている」と吐露した。
地震発生時刻の午後2時46分になると、元住職(75)が鐘をつき、参列者は犠牲者を悼んで黙とうをささげた。女性は「岐阜にも震災を忘れていない人がいるんだと感じた。来年も来たい」と話した。
同寺は三回忌から法要を始めたといい、元住職は「生きている限り続けていきたい」と語った。
黄色い花送ろう
震災の津波で被害を受けた河川敷を花いっぱいにしようと、高山市内の3会場で「幸せの黄色い花プロジェクト」が行われた。
市民らが菜の花を育て、採れた種を岩手県大槌町に送り、復興を応援する活動で、市社会福祉協議会が2012年から始めた。近年は菜の花以外にヒマワリなどほかの黄色の花もシンボルにして、日頃から防災について考え、人と人とがつながるきっかけにしようと活動を続けている。


市総合福祉センターでは黄色いパンジーやビオラの鉢、ヒマワリの種が入った小袋が配られた。受け取った人たちは花を育て、来年1月頃までに種を持ち寄る。
地震発生時刻には、「3・11」になるように配置された花のプランターを囲み、参加者55人が黙とうをささげた。
2年前に初めて参加し、ヒマワリなどを育てたという同市の中学3年生(15)は「会場で防災の知識を学べた。これからも東日本大震災を忘れないで生きていきたい。もらった花をきれいに咲かせられるように育てていく」と話していた。
県内避難者132人
県によると、東日本大震災の影響による県内への避難者は2012年4月時点では409人いた。今年2月時点でも132人が県内にとどまっている。