「全く戦えない」自民・西田昌司参院議員、公然と石破首相の退陣要求…首相周辺は静観の構え
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自民党内で、石破首相(党総裁)への厳しい見方が徐々に表面化している。来年度予算案や年金改革関連法案を巡り、首相の対応に不満が蓄積しており、夏の参院選に向け、低調な内閣支持率が持ち直さなければ、首相批判はさらにエスカレートする可能性もある。

自民の西田昌司参院議員は12日、国会内で開かれた党参院議員総会で発言を求め、「参院選は今の体制のままでは全く戦えない。総裁選をやって、新たなリーダーを選び直さないといけない」と訴えた。
旧安倍派で3期目の西田氏は参院選京都選挙区(改選定数2)に立候補予定だ。総会後には首相について、記者団に「衆院選で負け、国民の審判は出ている。参院選の看板になるのはあり得ない」と強調。新たな総裁に誰がふさわしいかを問われると、「この前の総裁選で、党員投票で一番多かったのは高市早苗・前経済安全保障相だ」と語った。
高市氏も11日、自身のX(旧ツイッター)で9日の党大会での首相演説に触れ、「パンチの効いた政策メッセージは打ち出されなかった」と苦言を呈した。
首相への風当たりが強まっているのは、政権運営の拙さが目立つためだ。医療費が高額になった場合、患者負担を抑える「高額療養費制度」の見直しでは、方針が二転三転した。年金改革関連法案を巡っても、国民の負担増を含むため、審議入りすれば、野党の格好の攻撃材料になり、参院選で争点化することを懸念する自民議員は多い。
10日に発表されたNHKの世論調査では、内閣支持率が前月比8ポイント減の36%に下がり、政府・与党内で衝撃が走った。ただ、首相周辺は「西田氏の主張はまだ広がりを欠いている」とみて、当面は静観する構えだ。
公明党の斉藤代表は12日、首相官邸を訪れ、首相と面会した際、「少数与党で一致結束し、この難局を乗り越えていくべきだ。公明は政権を支える」と伝え、首相は「心から感謝する」と応じた。