FX(外国為替証拠金取引)取扱会社のFXCMジャパンは11月26日、自動売買機能付きのシステムトレード「FX system selector」(愛称:らくちんFX)を開始すると発表した。らくちんFXは常時70以上のシステムプロバイダーが提供する売買システムで、顧客はそのシステムを選択することにより、FX取引をすることができる。「らくちんFXを利用すれば事前に設定したプログラムに従って、FX取引ができる。このため個人投資家は一時的な感情に左右されず、投資判断ミスを最小限に抑えられるのでは」(FXCMジャパンの谷中伴行社長)としている。らくちんFXは12月8日からサービスを提供、利用手数料は無料。
一般的に株や投資信託に投資する場合、投資家の判断と経験によって取引を行う。ファンダメンタル分析(景気や企業の財務体質などを分析)やテクニカル分析(相場の値動きから将来の値動きを予測)などを使うことが多いが、その時の感情によって損失を確定できないケースもある。これを「裁量トレード」と呼ぶのに対し、「システムトレード」とは相場での買い時・売り時をプログラム化し、そのシグナルに従って機械的に売買するという手法。らくちんFXでは過去の為替の値動きを分析しプログラムを作成しているため、主にテクニカル分析を使用しているのが特徴だ。
システムトレードはTradency社(ブリティッシュ・ヴァージン・アイランド)のもので、そこに各システムプロバイダーの売買システムの実績が表示される。個人投資家は売買システムの利益や売買回数、勝率などを見ることができ、約200種類のシステムの中から気に入ったものを選択。そして取引単位などを決定して、FX取引を始めることができる。システムは事前に用意されているが、通常のFX取引と同様に自由に取引を始めたり、終了することも可能。また過去の実績が悪いシステムなどに対し、反対売買ができる機能も付いている。例えば「このシステムは勝率が悪いから、反対の取引をすれば勝てるのではないか」というスタンスで取引することもできる。
FXCMジャパンの谷中伴行社長は「システムトレードは、なかなかPCの画面が見れないという人やFXでの資産運用は難しいと思っている人に向いているのではないか。また(FX取引業者にとって)新たな収益源として、システムトレードへの注目が集まるだろう」と話した。同社では2009年3月末までに5000口座の開設、月間取引高1兆4300億円を目指すほか、月間収益として1億5000万円を見込んでいる。
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