定期券の「現物支給」がなくなるらしい
来月東京で開かれるらしいセミナーの案内文の中に、こんな記述をみつけた。
JR定期券センターの企業向け現物定期券の取り扱いが今年9月に廃止され、振込支給への対応期限が迫っています。
セミナー情報 セミナー・イベント情報 オービック(「C12」のところをクリックすると表示される)
JR東日本は昔から企業向けに定期券のまとめ売りをやっていた。企業から従業員の名前と乗車区間のリストをもらって、それに応じた定期券を印刷してまとめて納入して、企業は通勤費の「現物支給」という形で従業員に定期券を配布するという仕組みだ。目的としては定期券売場の混雑解消などがあったのだろうと思う。どれぐらいの企業で利用しているのか知らないが、私の周囲の友人らを見る限りではあまり利用されているようには思えない。が、実はうちの会社はこれを使っている*1ので、制度の存在はよく知っていた。
この方式の場合、販売されるのはSuicaではなく、昔ながらの磁気定期券ということになる。磁気定期券を現物支給されてしまうとSuicaが使えない、ということはなくて、定期券発売機を使えばSuicaに磁気定期券の情報を上書きすることもできる。ただ、やっぱりいろいろ不便はあって、
- 通勤に必要な区間の定期券しか支給されない*2。
- 私鉄連絡定期の場合、JR部分だけ分離してSuicaにすることができなかった(過去形。これはpasmo導入で解消したはず)。
- JRのみでも、分割定期で支給される場合*3、Suicaにできない。
- モバイルSuicaで使えない。
といった問題がある。どうしてもという場合は手数料を払って払い戻して買い直せばいいのだが、その払い戻しも発行所まで行かないといけなくて、しかもその発行所は近所の駅じゃなくて東京駅にある「定期券センター」という平日しかやってない窓口だったりするのだ。
というわけで、そういう面倒を強いられているサラリーマンの苦情を受けてのことか、あるいは定期券発売機が普及して出札窓口の混雑解消という理由がなくなったということか、それともモバイルSuicaを普及させたいということかとも邪推するが、いずれにしても、上記の引用のとおりであれば、ついに現物支給はなくなるということのようだ。
まあ、「現物支給」なんて、いつの時代の話だよって思うわな。