古代のギリシア。統一国家はなかったし、ギリシア人たちの活動は地中海世界全域に広がっていたので、どちらかというと「古代ギリシア世界」とのニュアンスで使われることが多い。古代ギリシャ
統一国家は存在しなかったけれども、国家の集合体という意味で古代日本と同様に考え、国家枠にいれておきます。
エレウシスの秘儀は、古代ギリシアにおいて最も神秘的で重要な宗教儀式の一つでした。アテネから西へ約20kmに位置するエレウシスという地で、毎年秋に開催されていたこの儀式は、穀物の女神デーメーテールと、その娘ペルセポネーを崇拝するものでした。 この秘儀の目的は、死と再生、そして来世における幸福を約束することであったと考えられています。参加者は、厳格な清めと準備期間を経た後、夜間に聖域へと導かれ、一連の儀式を体験しました。これらの儀式の内容は厳重に秘匿されており、外部に漏れることは決して許されませんでした。 秘儀の具体的な内容は、古代の文献や考古学的な証拠から断片的にしかわかっていませんが、以下の要…
古代アテネは民主主義、哲学、芸術、科学の発展の中心地であった。 古代アテネの起源 アテネの民主主義の誕生 アテネの黄金時代 ペロポネソス戦争 マケドニアの台頭とヘレニズム時代 ローマ時代とビザンチン時代 オスマン帝国の支配とギリシャ独立戦争 近代アテネの発展 第二次世界大戦とその後 古代アテネの起源 アテネは、紀元前3000年頃から存在していたとされ、ブロンズ時代には重要な都市国家としての地位を確立していた。古代アテネは、ミケーネ文明の一部であり、アクロポリスはこの時代の主要な要塞だった。 アテネの民主主義の誕生 紀元前6世紀末、ソロンによる改革が行われ、貴族政治から民主主義への移行が始まって…
ヨーロッパ文明のゆりかご とも言われる古代ギリシャ。その歴史を6つの時代にわけて簡単に説明する。 1. ミケーネ文明(紀元前1600年頃 - 紀元前1100年頃) 2. 暗黒時代(紀元前1100年頃 - 紀元前800年頃) 3. アルカイック時代(紀元前800年頃 - 紀元前480年頃) 4. 古典期(紀元前480年頃 - 紀元前323年) 5. ヘレニズム時代(紀元前323年 - 紀元前31年) 6. ローマによる征服(紀元前146年) 1. ミケーネ文明(紀元前1600年頃 - 紀元前1100年頃) ミケーネ文明は、ギリシャ本土の青銅器時代の文明で、強力な王権と壮大な宮殿、墳墓が特徴である…
学生時代には勝手にシンドバッド的に古代ギリシアに憧憬を募らせたものでありました。孤独のグルメならぬ「孤立のヘレニスト」というわけですな。 と言っても古典ギリシア語を独習するわけでもなく、淡々と邦訳書をかき集めて、読みふけるだけでありました。 記憶が散逸するまえに、その書誌をAMZ的コレクトしておきますかな。 なかでも、ガスリー、ニーチェとドッズが印象深い。 それ以外には2020年代で読み終わったブルクハルトの『ギリシア文化史』は著者の天才と感性にはただひたすらに魅了された。ニーチェが心酔しただけのことはある。 個別のギリシャ文化紹介というものある。ツェラーの『ギリシャ哲学史綱要』、ギルバート・…
ここのところ、毎夜読んでいる本がある。 「古代ギリシア人の24時間」(著/フィリップ・マティザック) という、フィクションとノンフィクションのハーフ&ハーフみたいな本だ。 タイトルのとおり、さまざまなアテネ人の一時間の物語が24編(つまり24時間ぶん)おさめられている。語り手は神殿の衛兵、評議員、主婦、奴隷などの、ふつうの人々。古代ギリシアを舞台にした短編の物語として楽しめ、宇宙と同じくらい遠い古代ギリシアがぐんと近くなる。 そもそも古代ギリシアについて知っていることといえば、アクロポリスを建設したとか、星座や神話が生まれたとか、白い布を体にぐるっと巻きつけて縄でしばるとかそのくらいで、古代ロ…
プシュケー(プシケー)とは、古代ギリシアの言葉で、もともとは息(いき、呼吸)を意味しており、転じて生きること(いのち、生命)、また心や魂を意味するようになった言葉です。 「息」は生命のしるしとして最も顕著なものでした。そのため、プシュケーという言葉は、生命を意味するようになったのです。また、プシュケーは、人間の心や精神、感情、知性など、人間の生きる上で重要なものを指す言葉でもあります。 ギリシャ神話には、プシュケーと愛の神エロス(キューピッド)の物語があります。この物語は、人間の魂の美しさと愛の力を伝える物語として、古くから人々に愛されてきたものです。 現代では、プシュケーは心理学や哲学などの…
『深田康算全集』全四巻(岩波書店、1930 - 31) 唐木順三だったか久野収だったか、記憶が判然としないが、ともかく京都学派の空気を浴びて育った論客による、肩の凝らぬ回想文だったか対談記録だったかで、読んだ記憶がある。 高名な京都帝国大学文学部哲学科には三教室があって、A が田辺元教授、B が西田幾多郎教授の教室だった。文字どおり当代日本哲学界を代表する教授がたで、学徒はいずれかの名教授に師事したくて京大哲学科へ進学した。 哲学C は深田康算(やすかず)教授で、こちらは哲学というよりも、美学や芸術論に寄せた柔軟かつ自由な教室だったという。田辺・西田のいわゆる「大哲学」に飽き足りぬ想いを抱き、…
ご訪問下さりありがとうございます。 ☆を付けて下さる方、記事をお読み下さる方、大変感謝しております。 今日も日差しが厳しいです🌞。これからお仕事なのですが、その前にブログを書いておきます。 最近出された仮想通貨で、ワールドコインというものがあるそうです。 これは、チャットGPTを開発したオープンAI社のサム・アルトマンさんが発行したもので、世界中の人にベーシックインカムを提供するのが目的だとか(下の動画)。 www.youtube.com ニュース記事も出ています(下の記事)。 www.coindeskjapan.com これ、誰でも貰えるそうなんです。でも、今のところ目の虹彩を登録する必要が…
歴史料理研究家の遠藤雅司さん。 古代ギリシア、古代ローマなど遥か昔の料理を、研究文献や当時の資料を当たることでレシピを突きとめ、再現料理を作っています。古代メソポタミア料理にいたっては、粘土板に書かれた楔形文字の情報から再現したんだとか。 そんな遠藤さんに、歴史料理の再現にハマったきっかけや、筋トレブームの昨今だからこそ知りたいスパルタ料理についてうかがった。 ▲歴史料理研究家の遠藤雅司さん【撮影/五十嵐美弥(小学館)】 インド旅行中止がきっかけで、1年で50か国の料理を作った ーそもそも、なぜ歴史料理の再現にハマったんでしょう? 世界中を巡るのが好きで、料理を食べるのも好きです。 また、大学…
紀元前400年代の古代ギリシアでは、何百もの都市国家(ポリス)が並び立ち、当時の世界で最も進んだ経済・文化が栄えていました。 最も有力なポリス・アテネ(人口20~30万人、都市部に限れば10~15万人)では、市民が主役の民主政治(民主政)が行われました。 その民主政が完成形となり、活力があったのは紀元前400~300年代前半。古代ギリシア史では「古典期」といわれる時期でした。 アテネの民主政については、私たちは学校の授業で習って、なんとなくわかった気になっているはずです。 しかし私は、社会人になってから本を読んでアテネの民主政について多少とも知り、おどろきました。今から2400年前に、こんな高…