CMOS(シーモス、Complementary Metal-Oxide-Semiconductor; 相補型MOS)とは、P型とN型のMOSFETをディジタル回路(論理回路)の論理ゲート等で相補的に利用する回路方式(論理方式)、およびそのような電子回路やICのことである。また、そこから派生し多義的に多くの用例が観られる(『』参照)。 相補型MOS(CMOS)プロセスは、Fairchild Semiconductor社のFrank Wanlassが考案し、翌1963年にWanlassとChih-Tang Sahが学会で発表したのが始まりである。RCA社は1960年代後半に「COS-MOS」という商標で商品化し、他のメーカーに別の名称を探させ、1970年代前半には「CMOS」が標準的な名称となるに至った。CMOSは、1980年代にNMOSを抜いてVLSI用MOSFETの主流となり、TTL(トランジスタ・トランジスタ・ロジック)技術も置き換えた。その後、CMOSはVLSIチップに搭載されるMOSFET半導体デバイスの標準的な製造プロセスであり続けている。2011年現在、ほとんどのデジタル、アナログ、ミックスドシグナルICを含むICチップの99%がCMOS技術で製造されている。