みんなのケータイ
iOSのメモ環境が使えなくなりそうなのでAndroidへの移行を研究中
【Galaxy S8 SC-02J】
2017年6月26日 06:00
筆者はiPhoneユーザーで、今後もメインのスマホをiPhoneから乗り換える予定はない。しかし、出先でのテキストメモ入力環境として愛用していたiPhoneアプリが次期iOSで使えなくなる可能性が出てきたので、別環境への移行を検討し始めていて、その移行先としてはAndroidスマホが最有力となっている。
しばしば本コーナーでも取り上げているが、筆者は取材時、iPhoneにBluetoothキーボードを接続し、「ATOK Pad」というアプリを使ってテキストメモをとっている。「ATOK Pad」は独自日本語入力システム「ATOK」を内蔵するテキストエディターアプリで、iOSで外付けキーボードからATOKを使う、ほぼ唯一の選択肢だ。
なぜ「ATOK Pad」かというと、iOS標準の日本語入力システムが信頼できないためだ。あくまで個人的な考えだが、iOS標準の日本語入力システムは、外付けキーボードで使う場合においては、「使い物にならない」。
もっとも致命的なポイントは推測変換の仕様だ。第1候補で確定する操作(スペースキーを押してエンター)で推測候補を確定してしまう。たとえば「機器」と入力するつもりでも、学習履歴によっては「機器購入代金」と入力されてしまう。プレゼンテーションやインタビューでメモを取るときは、入力スピードが命なので、誤変換は気にしてられないし、そもそもiPhoneの画面ではなくプレゼンスクリーンや話者を見ていることも多い。推測変換のミスがあっても、いちいち訂正する余裕はない。
ただの誤変換は問題ない。あとから読み直すとき、ひらがなに読み直せば、何を入力したかったかだいたいわかるからだ。しかし「機器」とあるべきところが「機器購入代金」になってしまっていては、あとから間違いを訂正することは困難だ。メールや原稿など、一字一句確認しながら入力する場合は問題ないのだが、その余裕がない取材時のテキストメモでは、「使い物にならない」(あくまで個人的な考えである)。
iOSアプリの「ATOK Pad」は、推測変換機能をオフにでき、操作系も外付けキーボードを想定しているため、非常に重宝していた。しかし「ATOK Pad」は2014年12月以来アップデートがなく、iOS 10の「App互換性」リストに載ってしまっている。今後、アップデートが配信されてくれれば良いが、そういったアナウンスもなく、iOS 11以降も使い続けられる保証がない。仕事の環境としては、やや問題のある状態だ。
iOSの仕様が変わったり「ATOK Pad」がアップデートされない限り、新しいメモ環境として最有力なのが、Androidスマホである。Androidスマホの日本語入力システムは、自由に入れ替えが可能で、Bluetoothなどの外付けキーボードにも対応している。また、推測変換もオフにできたり、そもそもタブキーを押さないと推測変換候補が選択されない設計が主流で、意図しない文字が入力される心配は少ない。
ただ、いろいろ試してはいるが、今のところ「コレ」という環境は構築できていない。
今夏はGalaxy S8を購入したので、Galaxy S8上にメモ環境を構築しようとしたのだが、Galaxyはなぜか、Bluetoothキーボードを接続すると、純正の「Galaxy日本語キーボード」に強制的に切り替わってしまう。
この「Galaxy日本語キーボード」、オムロンソフトウェアの「iWnn」のカスタマイズ版なのだが、外付けキーボードを接続すると自動で切り替わるくせに、あまり外付けキーボードで使いやすくできていない。キーボード表示は自動では消えないし、CTRL+Iなどによるカナ英数変換も使えない(ファンクションキーは使える)。そして筆者にとって致命的なことに、愛用の折りたたみキーボードだと配列が正しく認識されなかった。
毎回日本語入力を切り替えるのはやや面倒だが、Bluetoothキーボードは頻繁に接続/切断するものでもないので、そこは我慢して、別の日本語入力システムを使う方が良さそうだ。こういったときの選択肢が多いのは、iOSユーザーからするとうらやましくて仕方のないAndroidの魅力だ。
まず「ATOK(ATOK Passport版)」はそこそこ使いやすい。ATOKは本来は有料アプリだが、パソコンでも使っているサブスクリプション契約「ATOK Passport」が利用できる。外付けキーボード接続時、キーボード表示を自動で消す機能を持っているのも便利だ。CTRL+Iなどのかな英数のショートカット変換にも対応する。ただし伝統的なATOKの操作系から変更できず、長年MS IME系操作に慣れた身からすると、連文節変換操作などでやや煩わしさを感じることもあった。
純粋な使い勝手では「Google日本語入力」が個人的ベストに近い。MS IME系に近い連文節変換時の操作や変換候補のインライン表示、CTRL+Iなどのショートカット対応、大文字からの自動英字入力など、もっとも外付けキーボードとの相性が良い印象で、パソコンにも近い使い勝手を実現できる。ただしキーボード表示は手動操作で消す必要があり、そうするとGalaxy S8だと強制切り替えがあるためやや使いにくい。
今のところ、候補はATOKとGoogle日本語入力の2つだ。Google Playではほかにもさまざまな日本語入力システムが配信されているので、よりよいものが見つかれば、それも比較対象にしたいと思う。しかし日本語入力システムは信頼性や変換精度、アップデートの継続性の高い大手メーカーを使いたいところ。まずはしばらくATOKとGoogle日本語入力を併用し、どちらをメインにするか決めようと思う。
といっても、日本語入力システムはスマホ上でのテキストメモ環境としては半分に過ぎない。このほかにも最低限、エディタアプリとクラウドサービスが必要なので、それらについても引き続き研究し、最良のテキストメモ環境を構築していきたい。