【速報】大塚家具の久美子社長が頭キレキレな中期経営計画を発表
netgeek 2015年3月1日
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実の親であり会長でもある勝久氏と熾烈な主導権争いを繰り広げている大塚久美子社長が頭キレキレで鋭い中期経営計画(PDF)を発表した。
見どころをかいつまんで紹介しよう。まずは「勝久会長のせいで業績が悪化した」とぶった切る!!
久美子氏に社長を交代してからは黒字化が実現できていたのに、勝久会長に再び交代してからは大幅な赤字が出たと鋭く指摘。この一切遠慮なく指摘するあたり、実に気持ちいい。
その原因を「大塚家具の店員がまとめ買いを勧めるビジネスモデルが時代遅れになっているから」と分析。これからは単品買いを促進させるべきと主張する。
会長が推し進めようとしている完全会員制とは正反対の方向を提案。ちゃんと時代の流れを掴んでいる。
大塚家具のポジショニングはニトリ・IKEAとは違う中価格帯と再設定。奪われた顧客を取り戻すと宣言した。
大塚家具は会長の会員制路線のせいで高価格帯と認識され、ブランド力がない割に「高い」というイメージがついてしまっていた。久美子社長は気軽に入れるカジュアル店につくりかえ、ニトリなどよりも良い物がそこそこの値段で手に入る絶妙なポジショニングを狙う。
さらに専門店の新規開店で攻めに行く!
特化型の専門店で従来の大塚家具では追及できなかった専門性・ブランドを追及。中でも「Good Sleep(ぐっすり)」、「収納Factory」のネーミングは秀逸。もはや名前だけで行きたいと思わせるいい企画だ。
トドメに配当を40円から80円と2倍にして株主の支持を得る作戦。完璧だ。
これで3月に開かれる株主総会では久美子社長を支持する株主が大多数になるはずだ。勝久会長は引退を余儀なくされるに違いない。
なお、久美子社長の経歴はというと白百合学園中学校・高等学校を経て一橋大学経済学部に入学。
富士銀行(現みずほ銀行)では融資から国際広報まで担当し、その後、大塚家具を経て広報・IRコンサルティング会社の株式会社クオリア・コンサルティングを起業。フロンティア・マネジメント株式会社の執行役員や如水会の理事なども務めながら、大塚家具の業績低迷を機に呼び戻された人物だ。
経歴的には十分。戦略の方向性も間違っていない。
後は計画を実行できる環境を整えられるかどうかにかかっている。