手ぶらで女装できるバー「女の子クラブ」女装体験レポ
プロパガンダ」だ。3年前に初開催され、現在では毎回400人、多いときには500人近くも動員するという。
そして、12月1日にはプロパガンダの主宰「もかもか」さんが、新宿2丁目に女装サロンバー「女の子クラブ」をオープンした。ここでは、女装未体験者でも、手ぶらで行き簡単に女装を体験することができるという。
女装未経験である筆者(27歳・男)も、さっそくオープン日に駆けつけ、女装体験取材を敢行した。女装したからこそ分かったことを、店内で出会ったベテラン&初体験男の娘のかわいい写真とともにお届けする。
⇒【メイク前画像】https://nikkan-spa.jp/340676/girlsc_02
店内はカウンターと、10人以上ゆったり座れるテーブル席が2区画。オープン日には、常に30人以上のお客さんで溢れ、男の娘同士の会話で盛り上がっていた。「プロパガンダが盛り上がっているので、今度はじっくりと交流できる場所がほしかった」と、もかもかさんが語っていたように、初対面同士でも落ち着いて楽しむことができた。
⇒【店内画像】https://nikkan-spa.jp/340676/girlsc_05
さっそく筆者も、この空間に馴染むために女装をスタート。メイクを担当してくれたのは、今までに500人以上の女装メイクを手がけたという立花奈央子さん。女装メイクから撮影・レタッチまで行なってくれるスタジオ「大羊堂」の代表という、女装メイクのスペシャリストだ。メイク中、女装するうえで問題となったのは眉毛だ。黒く太くキリッと斜めに生えた眉毛は女らしくない。そこで、今回は思い切ってややゆるカーブに眉毛を整えてもらった。メイクを終えると、ちょっとした記念撮影をしてもらいつつ、「肌がキレイでメイク乗りは良かったです。けど、もうちょっと可愛らしい仕草で愛想をふりまいた方がいいかもしれません。メイクをした瞬間スイッチ入れてみてください」とアドバイスまでいただけた。なお、メイクさんは現在常駐ではないとのこと。来店時にはサイトや「女の子クラブ」のTwitterアカウントをチェックしよう。
⇒【メイク画像】https://nikkan-spa.jp/340676/girlsc_09
そして、着替えも完了。今回は、アイドル衣装、茶色のロングゆるパーマのウィッグ、ピンクのメガネに挑戦した。メガネをかけたのは、目のパーツ全体がごまかせると思ったことと、メガネっ娘が好きだからだ。「自分のなかの女の子の理想像に近づけるのが女装の楽しみ」スタッフのるいさんもそう語っていたので、メガネをかけて大成功だった。実際、ポージングや目線などは、好きなメガネキャラや、メガネっ娘写真集を参考にイメージできた。
⇒【女装完成画像】https://nikkan-spa.jp/340676/girlsc_13
しかし、ここで問題が発生した。会場にいるベテランさんがかわいい! そして、筆者より先に準備完了した男の娘がテーブル席に戻った瞬間「かわいーー!」と歓声が起きたのだ。男性同士では他人と見た目の優劣を気にすることはあまりないが、この時は過剰に意識してしまった。女装をした瞬間、他人からの見られ方や、自分がどう見られたいかという意識が、まるで変わってしまう。これは面白い感覚だった。正直くやしかったが、その分かわいい娘に声をかけて取材・撮影に勤しむことに。夢中になって撮影していたらカメラのモニターにファンデーションがベッタリ。「あー、コスプレイヤーさんあるあるだね」と後で教えてもらったので、女装しながら撮影する場合は気をつけたい。
⇒【男の娘画像集】https://nikkan-spa.jp/340676/girlsc_17
その後、少しずつ場に慣れてきた筆者は、ふらっとカウンターへ。すると、先ほど撮影したみおりさんが「お姉さんも飲まないんですか〜」と、しなっと女性らしい仕草で誘ってくれた。この酔い加減と仕草、かわいい! つられて「わー、飲みましょ~♪」と、キャッキャして……しまえなかったのが悔やまれる。店内では、男の娘同士が互いの容姿や服装、メイクについてなど女装関連の話から、映画やマンガの話など、女子高のようにキャッキャと話している姿が印象的であった。腰に手をまわして「ほっそ~い」などイチャついている姿は完全に女子同士だ。
◆ 男の娘と楽しくおしゃべりするためには?
あの輪のなかに入りたい! 慣れてきたとはいえ、まだまだアウェイな筆者は数人にアドバイスをいただいた。会場には男の娘だけでなく、男性の服装のままのお客さんも多かった。プロパガンダに毎月通っているというハジメさん(37歳・男性)もその一人。「気をつけていることは、女性と同じように接することです。『かわいいね』と思ったことをそのまま褒めてあげたり、飲み物がなくなったら聞いたり」。さらに、「女の子でありたいという男の娘の努力は、女性以上に女っぽくて、輝いてみえるんです」と、男の娘の魅力についてもアツく語ってくれた。
⇒【取材後、外出画像】https://nikkan-spa.jp/340676/girlsc_25
女装体験取材を終え、すでに本文中からそこはかとなく伝わっているかと思うが、すっかり女装にハマった筆者。勢い余って他の女装子さんに倣って女装ネームまでつけてみた。「自分の理想のタイプ」ということで、ヱヴァンゲリヲン新劇場版のメガネっ娘「真希波・マリ・イラストリアス」より「三条マリ」と命名してしまった。「三条」に深い意味はない。
また、帰宅してメイクを落とす際も、自分が自分でなくなってしまうような喪失感におそわれた。もかもかさんが「女装の楽しみは、普段の自分とは違う、あたらしい自分になれること。あたらしい人格をつくるのも楽しい」と教えてくれたように、これからは三条マリとしての自分をじっくりと育てていきたいと思う。 <取材・文・撮影/三条マリ>
最近よく聞くようになった「男の娘」「女装子」という言葉。アニメなどの女装コスプレだけでなく、イベント、雑誌、写真集、DVD、映画など、女装を目にする、楽しむ機会は着実に増えている。そんな時代の流れにいち早く応えたイベントがある。新宿・風林会館にて毎月行われている女装・ニューハーフイベント「
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