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インフラとなるWebサービスは「中毒性」か「必要性」が高い

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無数のWebサービスが生まれは消えゆく昨今ですが、大きくなって社会のインフラとなっているサービスは結論としては「中毒性」か「必要性」のいずれかが高いという条件を満たしていると思います。厳密には「中毒性」か「必要性」どちらかのニーズから始まり、twitterやFacebookのレベルに至ると「中毒性が高いし必要性も高い」という状況になっているのだと思われます。

現代のwebサービスをプロットするとこういう図になるかなと。

出典:umeki独自マップ

必要性の高いサービスはトランザクション型

まずは必要性の高いサービスの解説から。立ち上げ当初はニーズが顕在化していなかったとはいえ、「ネットでこんなものが買えるといいな、こんなサービスを受けられるといいな」というニーズを満たすものです。

「物品やサービスのトランザクションの成立」および「情報の非対称性の解消」ができるサービスがここにプロットされるでしょう。 ここにプロットされるサービスは毎日使うようなものではなく、必要に迫られてそのサイトを訪れ、目的を満たすという使われ方が一般的です。なので「これが欲しい、こういう情報が欲しいならあのサイト」というようなワン&オンリーなサイトを目指す必要があるでしょう。

中毒性の高いサービスはコミュニケーション要素が強い

一方で中毒性の高いサービスですが、これはSNSやソーシャルゲームが鉄板でしょう。日常に対する必要性は必ずしも高くないのですが、ハマってしまうとそこから抜け出せなくなってしまいます。

ゲームはソーシャルゲームに限らず元々中毒性のあるものですし、SNS系は自己の承認欲求を手軽に満たしてくれるのでついついハマりがちです。twitterやFacebookはニュースの受信ツールとしての利用のされ方もしているので、上記の図では「中毒性が高い」寄りにプロットしていますが、サービスの出発点はそこでしたが、現代では「中毒性が高く、必要性も高いサービス」にプロットできるでしょう。

必要性と中毒性を両方満たせるサービスが強いインフラ

上記の図ではtwitterやFacebookは中毒性を起点に必要性を高めたと思われるため、中毒性寄りなプロットにしています。LINEに関しては必要性寄りのプロットをしています。LINEはメールの代替としての「必要性の高さ」を売りにスタートしたと思われますが、現在ではスタンプによる「中毒性の高さ」も満たしていると思われます。

ここで注目したいのがRettyという実名グルメサイトですが、外食という情報の非対称性を埋めるという「必要性」があり、ユーザーによっては投稿するとライトにリアクションがもらえるのが楽しく、「中毒性」がありまた投稿してしまうというサイクルがあります。この点、食べログも同様ではあるのですが、食べログの投稿にリアクションがあるよりも、Rettyで友人や実名の人からリアクションがある方が嬉しく、中毒になりやすいのではないかという仮説を私は持っています。

必要性⇒中毒性の好例としてスタートアップの方々はベンチマークすることをお勧めします。

サービスがこのどちらを優先するフェーズか常に意識せよ

必要性か中毒性を満たす代表的なサービスとして図に上げたようなサービスを紹介しましたが、最近は強い顕在ニーズではなく、これから市場を創るような「新しい文化を創る」サービスが増えてきています。図に出てきているサービスも、昔はそんな文化などなかったと思うので、ほとんどのイノベーティブなサイトの出発点は新しい文化を創るという感じだったのは今も昔も変わらないでしょう。

「中毒性も必要性も高い」サービスになるのが理想であり、少なくともそのどちらかを高いレベルで満たすサービスになることが成功の必要条件かと思います。

自社サービスはこのマップのどこにプロットされるのが理想の状況であり、その状況に近づくためには「必要性」と「中毒性」のどちらを先に満たしにいく必要があるのか。優先順位付けの際の一つの重要指標になると思いますので、この辺をサイトプロデューサーは常に意識することをお勧めします。

顕在ではなく潜在ニーズを追う方が果実は大きい

先日、とあるセミナーに登壇していてこんな議論になりました。

「潜在ニーズではなく顕在化したニーズに応えるサービスに投資した方が芽は早く出る」

これはごもっともな意見であり、投資を早く回収したいのであれば得策です。すぐに芽が出なければ余力もなくなってきて厳しくなるでしょう。

「サービスと時代性がマッチしているかどうか」

これもとても大事な視点で、早すぎて失敗するというケースはあるかと思います。

しかし、時間や資金に余裕があるのであれば、潜在ニーズに着眼してそこを掘り起こしにいく動きをすることをお勧めしますし、自分も可能な範囲でそういう分野に取り組んでいきたいと思います。 難易度は高いですが、ニーズが顕在化したあたりで既に競合に差をつけることができているはずなので、得られる果実は大きいでしょう。いかに潜在ニーズを掘り起こすのかというのは、中長期で見ると投資家にもとても重要な視点です。潜在ニーズという点ではスマートTVあたりが私の注目分野です。

大成功した起業家に多いパターンは、潜在ニーズが満たされる仮説を設計し、ニーズが顕在化していないがゆえに周囲にクレイジーだと言われながらも、自らの仮説を信じて事業を邁進するような人かと思います。「いかに周囲にクレイジーだと言われても気にしないか」が重要かなと。自らの想い描く世界がまだ顕在化していないだけで、必ずやニーズはあると。

ただし、「潜在」と「顕在」の指標は何を持ってして図るのかというのは難しいですね。私独自の指標としてはどれだけ多くの人がその分野のニーズを口に出しているかという定性的な判断しか今はできません。感覚的にそのサービスが必要とされるのは1年後が顕在で、3年後が潜在の違いなのかなと。

「必要性」「中毒性」のどちらを最初に満たしにいくのかを考え、そのサービスのニーズは現代において「潜在ニーズ」「顕在ニーズ」 なのか時代性を見極めて、何年かけて事業を展開するか。この辺は新規事業を考えるスキームの一つになるかなと思います。



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