『れんぞくシンポとは――解放連続シンポジウム《闘争と学問》』
解放連続シンポジウム「闘争と学問」実行委員会 編 1972 解放連続シンポジウム「闘争と学問」実行委員会,19p.
last update:20221021
■解放連続シンポジウム「闘争と学問」実行委員会 編 1972 『れんぞくシンポとは――解放連続シンポジウム《闘争と学問》』,解放連続シンポジウム「闘争と学問」実行委員会,19p.
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解放連続シンポジウム『闘争と学問』
※この↑頁にこの冊子に記されている各回の報告者・期日・題が再録されています。
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西村 秀夫 1972 「八木下さんを囲む会から」,p.13
「「障害者はなんで普通学校へ入れないのか。なんで養護学校や特殊学級があるのか。なんで同じ人間なのに、就学猶予や免除があるのか。同じ障害者で、施設にいる人、家の中で寝てる人などがなんでいるのか。囲む会はそうした話し合いの中から発足したが、私は考えなければならないことがでてきた。それは『私を囲む会』ではなく『健全者を告発する会』でなければならなかった。」と八木下浩一さんは語る。
昨年六月一九日、二九才の小学三年生八木下さんを報告者としたシンポジウムの終りに、彼の提案で「八木下さんを囲む会」ができた。それ以来毎月一回三十〜四十人の人々(「障害者」「健全者」教師も施設労働者も学生も主婦もいる)が、八木下さんを中心に討論を重ねてきた。生産性第一主義のこの社会の中から「障害者」として切捨てられている人々が、自立してとらえ直す時、彼にとって教育とは何か明らかにしようとしてきた。それは、切捨る側「健全者」にとっても、人間観を新しくし、教育、労働、闘争を考え直す機会になった。生産に役立たない人々を、同じ人間として尊重する人間観に立つことがこの時代の課題になっているのではないか。
その一点をおさえてみるとき、選別教育の犯罪性が見えてくる。その「教育」をこえる道はどこに拓かれるのか。就学を拒まれている人たちを学校に入れてゆくことにより、普通学級を変えてゆこうとしている人たち(「がっこの会」「教育を考える会」の人たち)がいる。特殊学級の存在を前提として、「特殊」といわれている子供たちの自立を助け、共に闘ってゆこうとしている人たちがいる。小学四年になった八木下さん自身もクラス日常から「教育」を告発する歩みを進めようとし、参加者も、それぞれ自分の問題とのとりくみを進めてゆくだろう。」(全文、再録:
増田 洋介)
*作成:
立岩 真也