仏造船DCNSの潜水艦データが流出 インド向け受注に影響か

今回の情報流出はオーストラリアの次期潜水艦の開発計画には影響しないという

画像提供, DCNS Australia

画像説明, 今回の情報流出はオーストラリアの次期潜水艦の開発計画には影響しないという

仏政府系造船会社DCNSが製造する潜水艦に関する機密データが漏えいしたことが明らかになった。オーストラリアのメディア各社が報じた。

報道によると、社外に漏れた2万2000ページ以上に及ぶ機密情報には、インド海軍から受注したスコルペヌ型潜水艦の戦闘能力に関するデータが含まれる。データが最初にどこに漏れたのかは不明。

DCNS社は今年4月、オーストラリアの次期潜水艦の共同開発で日本とドイツとの受注競争に勝っている。オーストラリア国防省にとって過去最大の発注となる次期潜水艦のバラクーダ型潜水艦に関するデータは、今回流出した情報に含まれていないという。

DCNSの広報担当者は情報流出について、「深刻な事態」だとし、仏当局が正式に捜査すると語った。広報担当者は文書で、「インドに関連した問題は、オーストラリア政府による機密情報保護の取り決めの下で進められている、オーストラリア向け潜水艦には影響しない」と述べた。

小型から中型のスコルペヌ型潜水艦については、インドが2005年に35億ドル(約3500億円)で6隻を調達することで合意している。オーストラリアと同様、インドでも潜水艦はムンバイにあるインド政府系企業と共同で建設される。

スコルペヌ型潜水艦は現在、マレーシアとチリで就役しており、ブラジルも2018年に使用を開始する予定。

オーストラリアのターンブル首相は、情報流出がサイバーセキュリティーの重要性を再認識する機会になったとしたが、DCNSへの発注には影響しないとの考えを示した。

同国のペイン国防相は文書で、漏えいは「オーストラリア政府の将来の潜水艦計画に影響しない」と述べた。