穴ぐら隠れてるテロリストの上空を、こんなものが飛んでもしょうがないですからねえ…。
第3次世界大戦でソビエトと空中戦になった場合を想定して開発された「F-22 Raptor」=写真=が、実戦経験ゼロのまま製造停止の瀬戸際です。F-22製造コストは1機1億4300万ドル。これを向こう3ヵ年で60機製造する90億ドルの予算案の是非が問われてるわけです。オバマはウンと言うんでしょうかね?
因みに決定を(当然)先延ばしにしたブッシュ政権もロバート・ゲイツ国防長官も、製造停止やむなしという姿勢です。対ソビエト戦ならいざ知らず、今はちょろちょろ暗躍するテロが相手。偵察とか、(攻撃対象を絞る)外科的攻撃に小回りのきく無人UAVの開発が、なにかと優先じゃないか、というわけです。
そんな無人プロジェクトの一つとしてL.A.タイムズが挙げたのは、「アフガニスタン国内の小隊に安価だが効率の良い空中支援を提供できる、高パワーな自動狙撃ライフル装備のblimp(小型飛行船、でぶ)」。あのRapterに代わるのがよりによって「blimp」というところが…。
国防総省の予算がセーブできるのは良いんですが、気になるのは失業者と下請けへの影響ですよね。なんせF-22は部品サプライヤだけで44州1000社もあるそうなんで、その人たちも全員路頭に迷うのはちょっと…ということで、国会では支持の声も根強くあります。
NYタイムズにはNorman Dicks民主党議員のコメントとして、「F-22はこのまま続けるべきでしょうね。それが私の本能的直感です」というよく分からない言葉が載ってました。本能的直感って…第3次世界大戦のこと?
John Mahoney(原文/訳:satomi)
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