UFOのメッカ「エリア51(Area 51)」に「UFOはない」そうです。
軍事機密が解除になったのを受け、元職員が初めてオンレコで証言しました。
エリア51はベガスから約100マイル(161km)の、空軍基地と元核実験場の間にある立入り禁止区域。最近まで上空通過も禁止されており(今はGoogleで丸見えですが)、「こんなに隠すからには何かあるんじゃ…」と数多のUFO神話を生んできました。
墜落したUFOの残がいを回収し、リバースエンジニアリングでUFO作って飛ばしてるとか、宇宙人を冷凍保存してるとか、地下トンネルで繋がってるとか。TV人気ドラマ『Xファイル』=写真=や映画の影響も手伝ってUFOフェスティバルは大賑わい。ネバダの貴重な観光資源となっています。
[証言者の顔ぶれ]
1.ヒュー・スレーター(Hugh "Slip" Slater)大佐、87歳 : 1960年代のエリア51基地司令官
2. エドワード・ロヴィック(Edward Lovick)さん、90歳 : 世界で最も有名な航空機(U-2、A-12 OXCART、F-117)のレーダー試験担当として30年勤務。
3. ケネス・コリンズ(Kenneth Collins)さん、80歳 : CIAのテスト飛行士。銀星章授与。
4.ソーントン・バーンズ(Thornton "T.D." Barnes)さん、72歳 : エリア51特殊プロジェクト担当エンジニア
5. ハリー・マーティン(Harry Martin)さん、77歳 : 基地のスパイ偵察機に供給する月50万ガロンの燃料供給担当の1人。
このうち3.のコリンズさんはその昔、軍最高機密プロジェクトOXCARTの偵察機を飛ばしていました。マッハ3の超音速偵察機SR-71ブラックバード[A12過去記事])です。冷戦中ロシアの偵察用に作られたもので、当時は誰も見たことないような形状をしていましたから、ロズウェル付近で妙な飛行物体が多数目撃されたのも道理というわけですね。
まーしかし、UFOは関係ないにしても、新証言の内容もかなりアブノーマルですよ。
例えば1963年5月24日、コリンズさんはユタ上空でスパイ偵察機が傾いて墜落する途中、野原に緊急脱出したそうです。そこに「荷台に飛行機の円蓋を積んだ男3人組のトラックが近寄ってきて、飛行機まで乗せてってやると言った」んですが、トップシークレットの機体が民間人の目に触れたのはそれが初めて。咄嗟にやばいと思って、「あの機体には近寄るな。核兵器を積んでるんだぞ、と言った」そうな。
男たちは気味悪がってコリンズさんを最寄りの警察で下ろし、CIAが身柄を引き取りにきました。事故については普通の「F-105戦闘機事故」という虚偽の報告をし、公式記録の上では今もその記述になっているそうですよ。
被害だったのはコリンズさんを拾った気のいい男たちで、それぞれ居場所を突き止められ、これは国家安全機密なので一切口外せぬよう守秘義務契約に署名させられました。さらに銀星章パイロットのコリンズさんも自白剤を飲まされ、「事故前のことで私が何か忘れている情報はないか調べられた」ということです。徹底的ですね。
日曜夜、CIA職員3人は薬でまだ意識朦朧としているコリンズさんを家まで送ってカウチに下ろすと、自家用車の鍵を奥さんに渡し、一言も言わずに去ってしまったので、酔っ払いと勘違いした奥さんはカンカンだったそうです。
新証言は以下LAタイムズにて全文掲載中。
[LA Times via Boing Boing Gadgets] Wikipediaエリア51
Dan Nosowitz(原文/訳:satomi)
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