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SF作家も大慌て! 未来を変える世紀の大発見ベスト10

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    SF作家も大慌て! 未来を変える世紀の大発見ベスト10

    今度は実現した素晴らしい最新科学のご紹介ですよ。

    昨今の科学の進歩は目覚しく、SFの世界から抜け出てしまった感もあります。特に宇宙関係の新発見ラッシュが凄い! この10年の科学技術といえば「世界初、顔の移植手術」、「世界初、絶滅種を蘇らせるクローン技術」、「世界初、インクジェット印刷可能な人工皮膚」、あと10年で実現可能になる「人工生命体」、「透明人間になれる人工素材」など目白押し。とはいえ今回は今後10年で私たちの生活を変えそうな新発見、新技術ベスト10をご紹介しますよ。

    それでは続きを読むからどうぞ。

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    惑星は海王星まで

    まずお馴染みの冥王星が太陽系の惑星リストから外れちゃいましたね。もとをたどると2005年に準惑星エリスが発見されたことが発端です。準惑星エリスが冥王星よりも大きかったことから「惑星の定義」を巡り天文界は大モメ。結局冥王星の降格人事となってしまいました。身近な太陽系でもまだまだ発見がありますね。

    さらにハッブル望遠鏡のおかげで太陽系外惑星の姿も見られるようになりました。2008年、KeckとGeminiの天文学者が遥かかなたの天体の惑星画像をキャプチャーし、天文界は大興奮。さらに同じ週に水をもつスーパーアースの存在が確認されたんですから、そりゃ大騒ぎですよ。

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    水、水、どこも水だらけ

    2008年夏、火星の表面を調査していた火星調査機Phenix水があった証拠を発見。最近では水がたまっていたことも発見されています。今年秋には月面全体に水が存在していた証拠が発見されました。そして月面に弾頭を打ち込んで表面を覆っている岩を吹き飛ばそうという計画は地味でしたけど、地中に氷が存在することを証明してくれましたね。こうして太陽系内でも新たな発見があり、水がないから無理といわれた火星や月面移住計画も可能性が出てきましたよ。

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    人類進化過程を震わす出来事

    エチオピア人類の祖先の化石Ardiが発見されました。Ardiは1992年に発見されていたのですが、2009年になってはじめて人類の祖先と判明。人類はチンパンジーとは別に進化で、Ardiは最初チンパンジーの進化形と思われていたのですが、類人猿よりもより人類に近いことが分かったんです。Ardiの骨格を解析した結果どのチンパンジーにも似ていなく、人類がチンパンジーとは違う種から進化したように、人類に近い種から進化したようです。

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    生命の記録

    人類の遺伝子研究は次のマイルストーンに向かっています。遺伝子を解析するHuman Genomeプロジェクトは2000年にドラフト版発行、2003年により完全版、2006年には最後の染色体を解析すると発表していました。これによりHuman Genomeプロジェクトのゴールはほぼ達成されましたが、ゲノムはまだ100%解明されてません。これから記録された染色体配列がどのような役割なのか「翻訳」する必要があり、遺伝子にどう組み込まれているのかの理解を進める予定。これにより遺伝的な病気の予防に役立つことでしょうし、ちょうど今週は肺ガンと腫瘍のゲノムが記録されています。さらにプロジェクトは他の動物や植物でも同様の研究を続ける予定です。

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    遺伝子組み換え技術

    遺伝子工学はここ最近特に目覚しい成果をあげています。2000年に遺伝子操作を行ったウサギが育っていることが新聞の一面を飾りました。前年、1999年には18歳の遺伝性肝臓ガン患者遺伝子治療を施しています。残念ながら予期しなかった拒絶反応により患者はお亡くなりましたが、その後着実に遺伝子治療と遺伝子工学は成果をあげています。2000年に遺伝子治療による初めての成功例が発表されてます。Bubble Boyシンドロームと呼ばれる、重症複合免疫不全症に対し、SCIDという遺伝子治療にを行い白血病の進行が止まりました。また同年、遺伝子治療により先天的盲目だった子供に初めて光がもたらされています。まだ動物実験段階ですがサルの色盲治療を行ったり、スーパーマンならぬスーパーサルの育成薬を作り出すラットを作り出してます。さらに組み換え遺伝子を子孫に遺伝させることもできています。

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    幹細胞研究

    長らく胚細胞の議論が続いていた医学会ですが、山中伸弥博士が2007年に大人の皮膚細胞を再プログラムしiPS細胞を作り出すことに成功、この発見は医学会に大きな影響を与えました。2008年には筋萎縮性側索硬化症の患者から運動ニューロンを生成したり最新の研究では小さな幹細胞を移植し、鎌状赤血球病を反転させることができたり、またHIV心臓病治療への応用も盛んです。

    大規模環境変動

    ここ10年でもっとも大きな科学トピックは科学的進化そのものではなく、科学研究に対する世界の関心が高まったことでしょうか。特に地球温暖化を世界中に説いて回ったアル・ゴアさんはノーベル賞を受賞しました。

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    もうすぐ民間宇宙旅行が実現

    NASAの大幅コストカットにより、民間の宇宙飛行が一躍表舞台にたちました。Ansari X Prizeでは1996年、3人の旅行者と荷物を乗せ、100km上空の宇宙に1週間に2回往復する能力をもつ宇宙船を公募。2004年にベンチャー企業 Mojave AerospaceSpaceShipOneがその栄誉を勝ち取りました。同じ年、Virgin Galacticが将来の宇宙旅行に向けて設立。Virsinは最近世界初民間宇宙船SpaceShipTwoを発表しました。2004年にはMojave Air and Portがアメリカで民間として初めての宇宙船発射場の認可を受けています。また宇宙飛行ビジネスへ参入するべく、宇宙ホテルの準備をしている会社もあるようです。

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    サイボーグの今

    ここ10年で人間と機械はさらに近づきました。機械は記憶を読んだり脳を通じてタイプさせたり、サルの意識によりリモートでロボットアームを操作できるようになりました。腕を切断した患者がロボットアームを操作するだけでなく、触覚まで再現したことが最近報じられ、衝撃を与えましたね。

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    LHCがついに準備完了

    陽子ビームを衝突させる、大型ハドロン衝突型加速器が先ごろ完成しましたが、同時に人類は今まで考えられなかった脅威にさらされています。この巨大粒子加速器は史上初めて宇宙の誕生の瞬間を観測することができると考えられていますが、悲観論者はLHCが作り出すエネルギーにより地球が崩壊すると騒ぎ立てるし、故障や災難が相次ぎ「未来からの使者による破壊活動」との噂が流れる始末。いずれにしてもLHCは今年完成し、稼動開始しています。

    マクロからミクロからまで、人類の歴史から宇宙の歴史まで幅広い大発見が続いています。この調子だと2010年代も科学から目が離せませんね。

    Lauren Davis(原文/野間恒毅)