- 2017/02/09:更新
- 2014/04/29:初公開
今回の記事は「完全攻略マニュアル」を公開するよりもずっと前から世にはびこる「ラーメン二郎」に対する4つの代表的な誤認識を、「二郎」の総本山・三田本店の現状と照らし合わせる形でそっと解きほぐし、今後気兼ねなく「二郎」に行けるよう皆さんの背中をそっと崖から突き落とす、失礼、そっと背中を押す、そんな内容です。
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1.多過ぎて食べ切れない → 食べ切りサイズに調整しよう
小ラーメンでもこのように盛り上がっておりますし、
普段並盛りでお腹いっぱいになる胃袋の持ち主であれば、完食どころか半分食べることすら難しいかもしれません。
だから重要になってくるのはその時自分が食べられる量をしっかりと把握することで、1杯平らげることが難しそうなら「麺少なめ(半分とか1/3とか具体的に申告した方がベター)」や「アブラ少なめ」と事前申告すればOK。
特に女性客の場合はお店側も気を使って「麺少なめにしますか?」と聞いてくることもありますし、ある意味ハイセンスな「二郎」デートを成し遂げようとするのであれば、彼氏が彼女の麺やアブラの好みを率先して伝えるくらいしてあげないと、結局そのカップルに未来はないでしょうって余計なお世話ですね。
初めての場合はラーメンの食券を購入しよう
安易に高い値段のメニューにすると後々痛い目に遭います。
「自信がある!食い切ってやる!」と鼻息荒めな方でも初体験であれば最上段3メニューの中から選ぶのが無難でしょう。
「ラーメン二郎 三田本店」のメニュー一覧(2017年2月時点でも価格に変更なし)
商品名 | 価格 | 備考 |
---|---|---|
ラーメン | 600円 | 一般店の倍以上。チャーシュー2枚 |
ぶた入りラーメン | 700円 | 一般店の倍以上。チャーシュー5枚 |
ぶたダブルラーメン | 800円 | 一般店の倍以上。チャーシュー10枚 |
大ラーメン | 650円 | 一般店の3倍以上。チャーシュー2枚 |
ぶた入り大ラーメン | 750円 | 一般店の3倍以上。チャーシュー5枚 |
ぶたダブル大ラーメン | 850円 | 一般店の3倍以上。チャーシュー10枚 |
特に多いと肌で感じたのが、大して食べられなさそうなのに量を減らさずデフォルトの量だ大ラーメンなんかを頼んで食べ切れず轟沈して「あんなの食えねえよ」「あれはエサだ、家畜のエサ」とかってクレーマーに転じるケースなんですが、それもすべては自業自得。
そんなのって、こなせない仕事量を勝手に抱え込んで残業だの徹夜までして「2時間しか寝てないわー」と自慢しているつもりが自己管理能力の低さを露呈している社畜と大差ないですし、皆様におかれましてはくれぐれもそうならないよう、社畜が家畜とののしっても鼻で笑われるだけですのでお気をつけください。
麺だってこんなに極太いから驚かれるのも無理ないでしょう。
またこれも体験談なんですが、「二郎」について頭ごなしに否定的な意思表示をしたり、ただただボリュームやその個性的な見た目にのみフォーカスを当てた発言をする方ほど、実はにわかだったりそもそもお店に足すら踏み入れたことがなかったりするのです。
ということで、外野の意見はあくまで外野の意見!少しでも行ってみたいと感じたらその時が行き時、ズカズカZUCCa足を運びましょう。
2.呪文コールは到底無理 → 必ず唱える必要などない
Q.「ニンニク入れますか?」→A.「はい」or「いいえ」と答えるだけでOK。
基本的にお店側の質問に対して「イエス」or「ノー」の意思表示をするだけで、それ以上に自分の好みがあれば伝えるって感じなんですが、まったくもって「二郎」未経験者の方ほど呪文コールなんてする必要がありません。
例えるならろくにバッティング練習もせずに打席に立ちヒットを打つようなもので、まずはお店側とのきちんとした意思疎通(ニンニク投入の有無)が問題なくできる、こうすると大体こうなるといったある程度の予測を立てられる、勝手を理解している状態になって初めて呪文コールをすれば良いのです。
というか、ニンニク以外のトッピングは自動付与されているよ
三田本店の場合、卓上調味料は胡椒だけとシンプルだから、
ついつい無料トッピング(ヤサイ|カラメ|ニンニク|アブラ)を頼まなくちゃいけない、頼まないと損だと思われるかもしれませんが、何も言わずとも野菜やアブラの量が普通のラーメン屋のそれを大きく上回りますし、ちょっとコツはいりますが、底からえぐるように混ぜて食べれば案外カラメ(醤油ダレ)追加しなくても食べられます。(「四谷三丁目『一条流がんこラーメン総本家』の悪魔ラーメン」を完食するおれでも味薄いとは感じないので大丈夫かと)
ましてや三田本店に限っては創業者のオヤジさんが切り盛りしている場合ほど呪文は通用せず、そのことを知らずに「ヤサイマシマシカラカラニンニク」とかってコールすると無視されるか、真顔で「入りません」と言われるか、ひどいと逆に少なく盛られてしまうといったリアルマホカンタを体験するハメになります。
最近は2代目の息子さんやお弟子さんが厨房に立たれることも多く、彼らだと呪文コールに柔軟に対応されている節はありますが、そもそもが無料のトッピング、焦らず奢らず落ち着いて対処しましょう。
3.ジロリアンが怖くてたまらない → ほっとけ
所感ですが、本店ほど典型的なジロリアンっていない気がします。
「ラーメン二郎」のハードルをググイと上げている原因に、「ラーメン二郎」をこよなく愛す熱狂的ファンことジロリアンの存在が挙げられますが、ジロリアン全員が一見さんを排除するラーメンオタク(ラーヲタ)ではありません。
一部に危険思想を持ち合わせたジロリアンはいるかもしれませんし、ネットで「初心者は本店じゃなく●●(評判の良くない支店やインスパイア店)に行ってろ!」と上からな書き込みを散見することもありますが、臆すことなく三田本店の行列に並び、自分の食べたい量を的確に伝え、提供されたら必要以上に無駄口を叩かず黙々と食べて出れば良いのです。
ジロリアンに対する世間の認識を変えたい
別に全員が全員「二郎」の話ばかりしているワケでもありません。
「嫌なら見るな」宣言が何かと物議を醸し出すように、お店側ですら「嫌なら来るな」と言った日には炎上してもおかしくないような発言だったり姿勢をたかが一介のジロリアンが示すこと自体甚だしい限りですし、そんなの単なる営業妨害なだけです。
「二郎」大好き、真のジロリアンを自認するのであれば所作は手慣れているでしょうし、成功体験に基づく生きたノウハウや感じた魅力だとかを身近な「ラーメン二郎」未経験者にシェアする、何なら一緒に行く機会を作ってみる。三田本店を聖地だの聖域と喧伝することに執心せず、あなたの「『二郎』が好きだと叫びたい」って1/3の純情な感情をアカペラで披露する、「バファリンのもう半分はじろうで出来ています」とおどけるくらいの余裕を持つだけでも、世間の「二郎」やジロリアンに対する印象って大分変わってくるんじゃないかと思うんですよね。
割り込みしない、長時間並べるジロリアンは辛抱強く真面目な方も多いハズ。
4.「二郎」はラーメンじゃない → 「二郎」はただのラーメンです
いわゆるラーメンのビジュアルからはとことん外れてますし、
マスコミへの露出も極めて少なく、ガセ含め多くの都市伝説が存在します。
「ラーメン二郎」を象徴する言葉として「『二郎』はラーメンにあらず、『二郎』という食べ物也」が挙げられますが、こうした格言や他を寄せつけない圧倒的なスケール感なんかが敷居を高く、「二郎」を孤高の存在に仕立てあげているとも考えられます。(おれの書いたマニュアルも相当敷居を高くしたんだろうけどな)
店名が「ラーメン二郎」、メニュー名もぶた入りラーメンとかなんだから、「二郎」だって立派にラーメンなんですよ
ほらね、ラーメンて。
あと、20年以上前から“ただのラーメン”と謳ってますしね。(まあこの場合の“ただの”はあえて用いることでその特異性を強調しているようだけど)
これまで“一般的なラーメン屋とあらゆる面で異なる部分が多い”を簡単に伝えたいがために「『二郎』はラーメンにあらず…」の格言を使ってきた節はありますが、その言葉の存在そのものが、あるいはただ声だけの大きな人がこれみよがしに連呼することで、あなたを含む多くの方々の行く気をそいでいるのなら、
「『二郎』はただのラーメンである!!」
と、江田島平八ばりに声ならぬフォントサイズ大きめで書き記しておきますので、どうぞ安心して男塾ならぬ「ラーメン二郎 三田本店」に入学し、未来のジロリアン達の魁となってあげてくださいね。
おわりに
今回は赤イヌに進言するコビーの心境でお届けしております。争いイクナイ。
海軍と海賊、どっちがジロリアンでどっちが一般客だとか、そういった細かいことまでは考えておりませんが、何となく提唱してみたかったのです。
そしてくれぐれも誤解しないでいただきたいのが、「二郎」に対して肯定的であれと言っているワケじゃありません。決して万人受けするような食べ物じゃないですし、すべての人間は必食すべきだなんて1mmたりとも思いません。
オバマ大統領の接待が銀座の「次郎」じゃなく「ラーメン二郎」で行われていたら国際問題に発展していたかもしれませんし、TPPどころかニンニクやアブラの刺激でお腹がPPPと悲鳴を上げていたかもしれません。
「ラーメン二郎」を食べたことのない方が少しでも「二郎食べてみたいな」って思ってくれたら望外の喜びです
「誰かに言われたから」や「生理的に受け付けない」といった上辺だけの理由で訪れることを拒否るのはもったいないですし、「二郎」系ラーメンがちょっとでも気になっていたら、本店はもちろん全国約40の直系店舗だ亜流だインスパイア系のお店、どこだって良いからまずは直接行ってみてください、食べてみてください。
「『二郎』は3回食べないと分からない」なんて言葉もあるくらいですし、1回目がダメでも時間を置いて2度、あわよくば3度……思う存分堪能してみてください。
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そんなワケで、ムネアツならぬムダアツ、誰にも邪魔されず自由で救われた気持ちになりながらムダに熱く語り過ぎてしまいましたが、愛を語るよりニンニクをかわそう、今回の記事作成で消費したカロリーは後日いただく三田本店の1杯で過剰に補いたいと思います。