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ハーフマニア
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Web www.yunioshi.com
第二次世界大戦・太平洋戦争を描くもの
大戦前後(日中戦争など)、戦中に作られた戦意昂揚映画も含む
 
索引

太陽の帝国
Empire The Sun
1987
スティーブン・スピルバーグ監督
クリスチャン・ベール
伊部雅刀
ガッツ石松
山田隆夫

泣く子も黙るスピルバ−グ様の監督作。太平洋戦争まっただ中の上海近辺が舞台。 零戦に憧れていた主人公の少年ジムが、戦乱の中で親とはぐれ、放浪の身となる。 数々の苦難と冒険を経て、再び親と再開するまでを描く感動作。零戦が美しい。 原爆が投下された時、中国大陸の空が光るシーンが印象的だった。 座ぶとん運びの山田隆夫が出演しているゾ。原作J.G.バラード。

以下FLACOさんからの投稿です。
「太陽の帝国」でも少々おかしいところが…。
 ゼロ戦パイロットが特攻隊として出撃するとき、上官に敬礼するシーンがありますが、 ゼロ戦といえば日本海軍航空隊の戦闘機です。 でも上官が着ている軍服は日本陸軍の物…。どうも海軍と陸軍とがゴッチャになっているみたいですね。 まぁこの程度の間違いで突っ込む人はほとんどいないと思いますが、 でも細かいところを見ているやつって絶対にいるので、やっぱり考証はしっかりしてほしいですね。 (『パールハーバー』に比べたら「突っ込み度」は微々たるものですが…。)

ありがとうございました! 『パールハーバー』でマコが言っていましたが、ハリウッドの連中は日本のことなんかどうでもいいのでしょうね。
それでも最近は良くなっていると思いますが…。
トラ!トラ!トラ!
Tora Tora Tora!
1970
リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二共同監督
田村高弘
三橋達也
東野英二郎
山村聡
千田是也
藤田進
ジョセフ・コットン
マーチン・バルサム

真珠湾攻撃前後を描く超大作。 企画当初から黒澤明が監督する予定で撮影も進んでいた。しかし、途中で降板させられた。
黒澤は製作会社フォックスからアメリカ側の監督は「デビッド・リーン」級の監督を予定しているといわれ日本側の監督を引き受けた(息子・黒澤久雄氏談)。しかし実際にはぐっと格の下がる監督に決まり(アメリカ側監督の採用については黒澤の誤解があったが)、そこから不信感を抱き、あとは尽く口出しされ(晩酌の量まで制限されるなど)、プッつんしてしまったというのが降りた理由らしい。また黒澤と黒澤プロの青柳プロデューサーとの対立も取りざたされている。クランクインから約3週間の間にすでに数カット撮影されていたが(山崎努が出ていた!)全て破棄され、クレジットも一切出されない。音楽の武満徹も一緒にクビになった。それにしてもリーン&黒澤でこの映画が作られていたらフォックス映画の最高峰どころか日米の映画史に残る傑作になったかもと思うと本当に残念。さらに詳細はこちら。ま、それでも大変な大作には違いない。 攻撃シーンの迫力は今見ても(下手にCGは使わず実写なのが)すごいと思ってしまう)。 このシーンが永らく他の映画にも流用されていたのがその迫力を物語る証拠だろう。 空母赤城から夜明けに飛び立つ戦闘機のシーンなども美しい。 福岡県の芦屋海岸に実物大の赤城のセットが建てられたというからびっくりだ。 日本のシーンは日本人スタッフによるものなのでトンデモ日本は全くなく、日米の描き方も公平。 理想的な表現だろう。日本人スタッフは撮影・美術・編集でアカデミー賞候補になった。詳細はこちら
あんまり黒澤ばかりとりあげても申し訳ないが、この黒澤監督の助監督についていたのは佐藤純彌である(のちに『新幹線大爆破』『人間の証明』『北京原人 Who are you?』!を撮った巨匠になった)。 黒澤明降板後すぐに監督候補になったが、彼は黒澤の手前、辞退している。そこで白羽の矢が立ったのは、当時はまだ新人に近かった舛田利雄で、彼は一人では荷が重いと考え、野村芳太郎(『砂の器』)、市川崑といった巨匠の下で仕事することを望んだが、両者ともスケジュールが合わず、同僚の深作欣二と組んでやることになった。深作とはこの時ほとんど面識が無かったという。このあたりの事情は右に挙げた2冊の資料及び『映画監督・舛田利雄~アクション映画の巨星 舛田利雄のすべて~』に詳しい。

12月8日 



黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて

真珠湾攻撃

DECEMBER 7th:THE MOVIE

1943

製作・監督ジョン・フォード
グレッグ・トーランド共同監督・撮影
ウォルター・ヒューストン
ハリー・ダベンポート

この映画に関しては『真珠湾』として「なんとジョン・フォードは戦意昂揚映画を撮っていた?スパイの日本人がハワイに奇襲攻撃する前に、基地の写真を撮っているシーンなど、日本人の卑怯さを押し出したもの。問題になった(えひめ丸の沈没事故があった真珠湾で盛大なプレミアショーを行った)『パールハーバー』の公開時にどこかのTV局のニュース番組の特集で一部放送していたのを偶然発見。しかし不詳。

と紹介していましたが、詳しいことが分かりましたので追補しました。

1941年12月の真珠湾攻撃の後、巨匠ジョン・フォードが『怒りの葡萄』『果てなき船路』でコンビを組んだアメリカカメラマン、グレッグ・トーランドと共同監督した、長編セミ・ドキュメンタリー。ジョン・ヒューストン監督の父で俳優のウォルターが出演したドラマ仕立ての部分とうまく編集されている。1995年「生誕100年ジョン・フォードの世界」として東京の三百人劇場で世界初上映されるまで正式な公開がされなかった幻の作品。あのジョン・フォードが戦意高揚映画を作っていたこと自体が驚きだが、1944年アカデミー短編ドキュメンタリー賞まで受賞している。当時のアメリカ人は本当に日本に対して怒り怒髪天をついていたんでしょうね。今のイラク以上に。

さらに泉鏡花様より投稿いただきました。

ジョン・フォードの『真珠湾攻撃』は三百人劇場での上映の後、大阪の扇町スクエアへ巡回してきた時に『ドキュメント真珠湾攻撃(December 7th)』1943年、『ミッドウェイ海戦(The Battle of Midway)』1942年、と共に見ました。真珠湾のドキュメンタリー製作を命じられたフォードがグレッグ・トーランドを責任者に招き、『真珠湾攻撃』は実質トーランドが作った映画で、でも「海軍当局を告発している」という理由でフィルムが没収されたので改めてフォードが攻撃の実写や特殊効果のシーンは残してアメリカ軍の巻き返しを前面に出した34分の宣伝映画に作り変えたのが『ドキュメント真珠湾攻撃』で、これが1944年のアカデミーの短編ドキュメンタリー賞を貰いました。「特殊効果のシーン」とは、日本が東南アジアを次々に占領していく様子を変なアニメーションで(地図上に変な顔が出て拍手とバンザーイの声が入ったり)表した部分かと思います。
『ミッドウェイ海戦』はその前哨戦となった基地への襲撃を中心に作られ、襲撃中フォード自身が管制塔から撮影し続けて負傷しています。至近距離に爆弾は落ちる、その度に画面が揺れる、海兵隊員達は恐怖に引きつった顔をする、等、こんな場所でカメラを構え続けたことが信じられないような映画で、1942年のアカデミー短編ドキュメンタリー賞を貰っています。

それはすごいですね!フォードが命がけで撮ってドキュメンタリーでオスカー貰っているとは!情報ありがとうございました。木下昌明のスクリーンの日本人―日本映画の社会学という本には、『真珠湾攻撃』は当時ハワイ在住の日系人(全人口42万人のうち15万人が日系)の姿が詳細に描かれているが、フォード自身がこの部分を大きくカットして公開できるようにしたのが『ドキュメント真珠湾攻撃』と書かれている。これは白人に支配され重労働にあえぐ日本人移民の問題(階級闘争とナショナリズムが底辺にあった)があると見ている。

12月8日 


DVDありました。
ミッドウェイ

Battle of Midway
1976

ジャック・スマイト監督
ヘンリー・フォンダ
三船敏郎
チャールトン・ヘストン
ジェームズ・コバーン
ロバート・ミッチャム
ジェームズ繁田

真珠湾攻撃に成功した日本海軍連合艦隊はさらに米軍空母の撃滅を目指しミッドウェイ攻略を計画。山本五十六長官率いる日本海軍連合艦隊は、万全の体制でミッドウェイに向かう。しかし一方、日本軍の暗号解読によりその計画を知ったアメリカ海軍司令部は圧倒的不利な状況の中、空母”エンタープライズ”を含む三隻の空母を用意し連合艦隊を待ち受ける。それまで日本軍が連戦戦勝だったがこの海戦で遂に形勢が逆転し、悲劇的な結末へ向かう契機となった…。
アメリカ建国200年を記念して製作された超大作。いずれの出演者も主演クラスのオールスター。ヘンリー・フォンダがニミッツ、三船はもちろん山本五十六役。ただし奇妙なことに台詞は英語。日本の屋敷に部下の軍人がやって来て「(英語で)山本長官、東京が空襲されました」、すると三船「When?」といった調子である。まあ、それにしても『史上最大の作戦』とか『遠すぎた橋』とかこの手の映画って昔は凄かった。公開当時センサラウンドという音響システムを売り物にしていたが、爆発シーンだけただ単に低音域が強く座席にガンガン響くだけだったような記憶がある。『大地震』もそうだった。痔主はさぞ辛かろう。
戦場にかける橋

The Bridge on The River KWAI
1957

デビッド・リーン監督
デビッド・ニーブン
ウィリアム・ホールデン
早川雪洲
ヘンリー大川

イギリス出身の巨匠デビッド・リーンが、第二次大戦を背景に戦争の愚かさと人間の尊厳を描き出した不朽の名作。タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所が舞台。連合軍の捕虜を使いクワイ河に橋を架ける工事が進められていた。だが、英軍のニコルスン大佐(アレック・ギネス)はジュネーヴ協定に反するとして、鬼と恐れられた所長(早川雪洲)と対立。しかしやがて所長は、英軍大佐の気骨に共感し、敵味方を越えた奇妙な友情が芽生える。一方、米軍捕虜の海軍少佐(ホールデン)は脱走に成功。友軍を率いて捕虜の救出を画策する。捕虜たちは苦しく厳しい労役の中に、次第に「橋を築くという仕事」に生きがいを見出して行く。こうして建設工事が進むと同時に、米海軍少佐の手引きによる、架橋爆破作戦も密かに開始されようとしていた……。
主題曲『クワイ河マーチ』が超有名。早川雪州が素晴らしい!ユル・ブリナーがこの役をやりたがったそうだ。『猿の惑星』と同じ原作者ピエール・ブール(実際に日本の捕虜だった。その時の体験を元に書かれている)なのだ。日本兵=猿という図式である。それほど彼の人生にとって消すことのできない傷だったのだろう。日本語脚本には作家今日出海が参加。アカデミー作品賞他6部門受賞作。この年は『サヨナラ』もあり「日本」の大当たりの年だ。しかしこの傑作には何故か続編が…。
クワイ河からの帰還 戦場に架ける橋2

Return from The River KWAI
1989

アンドリュ・V・マクラグレン監督
エドワード・フォックス
デンホルム・エリオット
クリストファー・ペン
ジョージ・タケイ
仲代達矢
高橋悦史
長森雅人

戦場にかける橋』の捕虜たちのその後を描く。彼らが日本に送られるまでの物語だが、続編特有の「老婆心」「蛇足」「雉子も鳴かずば撃たれまい」感がヒシヒシと感じられる一品。前作があまりにも傑作すぎるので仕方ないが。味方にやられてしまうという結末は前作と同じで、こちらには救いがあり、その分戦争の悲劇が伝わらないのだ。喜多郎が音楽を担当。仲代達矢は連合軍ひいきの物わかりの良い司令官役。タケイは極悪非道の収容所長。捕虜を刀で処刑するシーンがある。


南太平洋ボロ船作戦

The Wackiest Ship in The Army 1960

リチャード・マーフィ監督
ジャック・レモン
リッキー・ネルソン

第二次大戦中、おんぼろ帆船エコー号の船長になったクランダル大尉は周囲から軽蔑されたのに腹を立て、自ら秘密任務をかって出る。それは南太平洋の日本軍の輸送船団の動向を探ることだった。珍しい、太平洋戦争を舞台にしたコメディ。
南太平洋ボロ船作戦
アンボンで何が裁かれたか

Prisoners of The Sun
1990豪

スティーヴン・ウォレス監督
ブライアン・ブラウン
ラッセル・クロウ
ジョージ・タケイ
塩谷俊
渡辺哲
藤田宗久
デボラ・アンガー

1942年日本軍に占領されたインドネシア領アンボン。その捕虜収容所でオ−ストラリア軍捕虜が体験した地獄の日々。戦争が終わり、ジャングルの奥地から大量の捕虜の遺体が発見される。そして開かれた軍事裁判で、日本軍の恐るべき捕虜虐待の実態が明らかにされる。戦争の悲惨さと、正義と真実、敵味方を超えた友情を骨太に描いた作品。若い人にぜひ見てもらいたい。ブレイク前のラッセル・クロウ(痩せている!)が出演している。日本人弁護士は「明治大学で法律を教えているマツガエです」と挨拶をし、ジョージ・タケイ扮するタカハシ男爵が「ほう、明治大学ですか」と日本語で応酬するシーンがある。外国映画を見ていて母校の名が出るとはびっくりである。本当に必要な台詞だったのか?どうでもいいか。
脚本のブライン・ウィリアムズの父は実際にこのアンボンの裁判に関わった豪の検事で、自宅のガレージにはその時の裁判記録が山と積まれていた。ブラインは子供の頃この書類を読んで、いつかこれらを基にした脚本を書こうと決意してたという。

参考資料:佐藤忠男著:映画で読み解く「世界の戦争」―昂揚、反戦から和解への道 (ベスト新書)
アンボンで何が裁かれたか
非凡な船員(日本未公開)

The Extrordinary Seamen
1969

ジョン・フランケンハイマ−監督
デビッド・ニーブン
フェイ・ダナウェイ
アラン・アルダ
ミッキー・ルーニー

日米両海軍のフィリピン攻防を舞台にした戦争コメディ。豪華キャストだ。フランケンハイマー監督は『グランプリ』の直後に「日本人の精神主義に興味を持ち製作した」と自ら語っている(『世界の映画作家2」キネマ旬報刊より)。彼は後に『ザ・チャレンジ』『RONIN』も撮っておりかなりの日本好きと思われるが、作品の出来(『終身犯』『フレンチ・コネクション2』などは大傑作だが)不出来の激しい人で、(『ザ・チャレンジ』参照のこと)この映画はどうやら(未見なので以下略)。

第二次世界大戦中、アメリカで製作された戦意昂揚映画群
Pearlharbor;The Explosions
1978 調査中

Remember Pearlharbor
1989他
ジョセフ・スタンリー監督 調査中

コレヒドール戦記 THEY WERE EXPENDABLE 1945
ジョン・ウェイン主演 調査中

血戦奇襲部隊 THE FIGHTING SEABEES DONOVAN'S ARMY1944
ジョン・ウェイン主演 調査中

1941

スティーブン・スピルバーグ監督
ジョン・ベルーシ
三船敏郎
クリストファー・リー
ミッキー・ローク(チョイ役)
清水宏(「ハリウッド!」と叫ぶ水兵)

スピルバーグ唯一の駄作とかいわれているコメディだが、僕は大好き。ドル箱監督になって好き放題出来たのがよほどうれしかったんだろう。三船敏郎(潜水艦艦長ミタムラ役)やC.リーの出演など彼の趣味がモロ出ている映画。三船が出演した外国映画で唯一の喜劇。三船自らが潜水艦や軍人の衣装の間違いなどを直したそうだ。劇場プログラムには三船自らがそのへんの経緯を書いている。そこには日本の観客に向かって「奇想天外な誤りを笑って見のがして頂くようお願いするものである」とあり、彼の真面目な性格が窺われる。「あまり芳しい仕事とは言えんな!」という台詞がおかしい。
製作開始当時は『ザ・ライジング・サン』というタイトルだった。『ダンボ』観て涙するスティルウィル将軍役は最初ジョン・ウェインにオファーされたが、米軍機が日本機に撃墜されると聞いて辞退した。いかにもウェインぽいが実現してたら凄い布陣だったね。因みにこの映画はスピルバーグが大好きな『静かなる男』、『博士の異常な愛情』の2作に捧げられた作品。

 1941 (Steven Spielberg) Movie Scenes


故べルーシが戦闘機に乗って零戦を追い「ミツビシ!」などと叫ぶのも面白い。さすが「サムライ」だ。

 ジョン・ベルーシの1941
グリーン・ベレー

The Greenberets

1968

ジョン・ウェイン監督・主演
デビッド・ジャンセン
ジム・ハットン
アルド・レイ

ベトナム戦争の真っ最中に、ベトナムで活躍した特殊部隊のグリーン・ベレーを描いた。戦意高揚映画として当時のアメリカ国内で賛否に分かれ大きな問題になった。ベトナム戦争を肯定的に描いた映画はこの映画が最初で、以後はほとんど否定的なものばかりであることを考えると、ちょっと貴重かも。ウェインの独壇場のようで息子パトリック・ウェインも出演している。確か日本のどこかの基地を出発するシーンがあったと思うが、すみません引き続き調査中。

グリーン・ベレー

愛と哀しみの旅路

Come See The Paradise
1990

アラン・パーカー監督
デニス・クエイド
タムリン・トミタ

第二次世界大戦中、日本人が隔離・収容された収容所での悲劇を描く。1936年、ロサンゼルスで日本人向けの映画館を営んでいた日系一世ヒロシの娘リリーは、元労働活動家ジャックと恋に落ちる。ふたりは両親の反対にもめげず駆け落ちして、娘を産む。ところが太平洋戦争が勃発、リリーの父はスパイ容疑で連行され、ジャックは徴兵されていく。やがて日系人は収容所へ強制移住させられる。収容所で苦渋をなめた在米日系人の姿を描いたドラマ。歴史的事実を再現すると同時に、日本人のスピリッツを見事にとらえている。監督は『フェーム』のアラン・パーカー。撮影が素晴らしい。出演は『トラフィック』のデニス・クエイドと『ベスト・キッド2』のタムリン・トミタ。当然、日本人・日系人俳優出演多数である。
愛と哀しみの旅路
太平洋作戦(太平洋航空作戦)

Flying Leathernecks

1951

ニコラス・レイ監督
ジョン・ウェイン
ロバート・ライアン
ドン・テイラー

ジョン・ウェインが非常に厳格な海軍の少佐に扮し、アメリカ海軍の戦闘機部隊を率いて、激戦地のガダルカナルに赴く。若い部下のパイロット達との相克をも描きつつ、過酷な戦闘とその勝利を見せる。日本軍は『硫黄島の砂』での描き方と大差なく、ほとんどが実写フィルムらしい。調査中
太平洋紅に染まる時 /山本元帥とハルゼイ提督

The Gallant Hours

1960

ロバート・モンゴメリー監督
ジェームズ・キャグニー
ジェームズ・T・後藤
デニス・ウィーバー

太平洋戦争中屈指の激戦となったガダルカナルが主な舞台。連合軍を率いるハルゼイ提督を中心にセミドキュメンタリータッチで描かれた戦争ドラマ。山本五十六も登場するがどのくらい登場するのか不明。引き続き調査します。監督は『幽霊紐育を歩く』の主演で知られる元俳優で、『奥様は魔女』のサマンサ役エリザベスの父である。
太平洋紅に染まる時
危険な道
IN HARM'S WAY
1965

製作・監督: オットー・プレミンジャー
原作:ジェームズ・バザート
脚本:ウェンデル・メイズ
撮影:ロイヤル・グリッグス
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
タイトルデザイン:ソウル・バス


ジョン・ウェイン
カーク・ダグラス
パトリシア・ニール
スタンリー・ホロウェイ
バージェス・メレディス
パトリック・オニール
ジョージ・ケネディ
ダナ・アンドリュース
ヒュー・オブライエン
キャロル・オコナー
ヘンリー・フォンダ

1941年12月7日、日本軍に奇襲されたアメリカ太平洋艦隊基地ハワイ真珠湾を舞台に、アメリカ戦艦・アリゾナの船長と彼を取り巻く人々を描いた戦争ドラマ。米太平洋戦隊基地が、日本戦隊を大海戦の末に破るまでを描き出す。真珠湾攻撃で巡洋艦艦長として日本軍迎撃に出撃した大佐(ジョン・ウェイン)は、潜水艦に雷撃され、責任を取って階級を失う。しかし、その後ニミッツ提督(ヘンリー・フォンダ)の命を受け、再び日本海軍を迎え撃ち見事大勝するも、大佐は片足を失う重傷を負う。海軍病院で看護婦(パトリシア・ニール)と出会い、別れた妻との間の息子とも数年ぶりの再会を果たす。息子との絆を深めた大佐は再び戦場へと向かうのだが…。
ジョン・ウェイン他オールスター出演だが、戦闘シーンよりも人間ドラマに重点を置いた作品。家族、友人、部下・上司などの複雑な関係と過酷な戦争に運命を翻弄される人々の現実を描いている。撮影監督(代表作『シェーン』など)ロイヤル・グリッグスはアカデミー賞候補になった。
戦場よ永遠に
HELL TO ETERNITY 1960


監督:フィル・カールソン
製作:アーヴィング・H・レヴィン
製作総指揮:ハリー・L・マンデル
脚本:ギル・ダウド
テッド・シャードマン
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:リース・スティーヴンス

ジェフリー・ハンター
早川雪洲
高美以子
デヴィッド・ジャンセン
ヴィク・ダモン
パトリシア・オーウェンズ
ジョージ・タケイ

地獄と化す戦場、そして栄光。 アメリカ海兵隊の誇る、英雄の実像を描いた真実の物語。 彼はたった一人で日本軍を降伏させた英雄。 第二次世界大戦が生んだ、衝撃の実話。

いよいよ熾烈を極める太平洋戦争。海兵隊のガイ・ガバルドンは、日系アメリカ人の養子であることから、日本語が堪能であり、敵である日本人を憎めずにいた。やがて、サイパン上陸作戦に参加することになるガイ。彼は得意の日本語を武器に、抵抗を続ける日本兵たちに降伏を呼びかける。やがて、9人の日本兵が降伏。続いて数百の兵士たちが降伏に応じるのだった。

日系アメリカ人の養子という難しい立場から、日本兵たちの説得に当たった海兵隊の英雄ガイ・ガバルドンの生涯を描いた、真実の物語。アメリカ軍ばかりか、敵である日本軍の命をも救ったガイは、後に銀星章を授与された。戦争時における、真の勇気と犠牲、そして名誉を描ききった傑作。

日系アメリカ人の養子だったガイ・ガバルドンの生涯を綴った感動ドラマ。養父母を日系アメリカ人キャンプに抑留され、海兵隊員として召集されたガイ。彼の流暢な日本語と養父母を愛する心は、サイパン島に追い詰められた日本人800人を救うことになる。
燃える戦場

Too Late The Hero
1970

ロバート・アルドリッチ監督
マイケル・ケイン
クリフ・ロバートソン
高倉健

第二次大戦末期、太平洋の小島を守る日本軍と、英米連合軍との決戦を描く。健さんが南太平洋戦線で英米軍に降伏を呼びかける。「名誉な戦死をしても勲章をもらうだけだ。勲章は柩に重さを加えるだけだ」という粋な台詞がある。
勇者のみ

None but The Brave
1965日米

フランク・シナトラ監督・主演・製作
三橋達也
加藤武
勝呂誉
春風亭柳朝
黒部進
太宰久雄
クリント・ウォーカー
トミー・サンズ
円谷英二特撮監督
音楽:ジョン・ウィリアムズ

シナトラ・プロとワーナ−、東宝の合作だがシナトラがかなりの力を入れて取り組んだ作品。太平洋戦争末期、ソロモンの孤島に残された15人の日本兵と、その島に不時着した15人の米兵が、交戦状態となる。しかし、ある事件をきっかけに両軍は休戦し、やがて交流が始まり…。戦場での敵味方の友情を描く。ハワイでロケが行なわれたが、戦闘機の不時着や暴風雨・津波のシーンは円谷が東宝のスタジオで撮影した。音楽はジョニー名義だがまぎれもない『スター・ウォーズ』の彼である。円谷&ウィリアムズなんて夢みたい。

スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜

QUI ETES-VOUS, MONSIEUR SORGE?
1961

イヴ・シアンピ監督
岸恵子
トーマス・ホルツマン
小沢栄太郎
山内明
南原宏治
フランス松竹合作。調査中

ペティコート作戦

Operation Petticoat
1959

ブレーク・エドワーズ監督
ケーリー・グラント
トニー・カーチス

太平洋戦争を背景にした戦争コメディ。オンボロ潜水艦の乗組員が主人公で、女性軍人を乗せたばかりに起こるハチャメチャな事件を軽妙なタッチで描く。潜水艦はピンクに塗られて、友軍から怪しまれて攻撃されたりするのだ。潜水艦は日本軍の零戦に何度も襲撃される。それにしてもあの悲惨な戦争ですら喜劇にしてしまうハリウッドには驚異だ。グラント、カーチスのコンビも絶妙。
ペティコート作戦【字幕版】
ラスト・エンペラー

The Last Emperor
1987 伊・英・中国

ベルナルド・ベルトリッチ監督
ジョン・ローン
ピーター・オトゥール
坂本龍一

オスカー9部門独占の超大作。日本軍によって満州国皇帝に祀り上げられた中国王朝最後の皇帝溥儀の波乱の人生を描く。坂本龍一が出演&音楽。音楽ではデビッド・バーンらとオスカーを受賞。高松英男(轟先生)も出ている。ラスト溥儀が消えていくシーンは溝口の『雨月物語』の宮木が幽霊になって現われるシーンの真似という説がある。
東京上空三十秒

Thirty Seconds Over Tokyo

1945

マービン・ルロイ監督
スペンサー・トレイシー
ヴァン・ジョンソン
ロバート・ミッチャム

戦後12年後に短縮版で日本公開された。ドゥーリトル中佐による秘密作戦、東京初空爆までの物語を描く。太平洋戦争最中に製作された戦意高揚映画のひとつで、アカデミー特殊効果賞を獲得している。調査中
東京上空三十秒
硫黄島の砂

Sands of IWOJIMA
1949

アラン・ドワン監督
ジョン・ウェイン
ジョン・エイガー
アデール・マラ

太平洋戦争最大の激戦地といわれる62日間に渡る硫黄島の攻防戦を描く。ジョン・ウエイン自ら「生涯最大の役」というストライカー軍曹を演じた。ちなみに「不死身の正義の味方」だったウエインが初めて「死んだ」映画である。ラスト星条旗が立てられるシーンは日本人でも感動するだろう。だが敵となる日本人兵士はどれも異星人のようにしか見えないのが残念。

参考資料:佐藤忠男著:映画で読み解く「世界の戦争」―昂揚、反戦から和解への道 (ベスト新書)

太平洋の地獄
HELL IN THE PACIFIC

リー・マービン
三船敏郎

リー・マービンと三船敏郎の二人だけが出演。無人島の戦場で生き残った日米兵士に友情が芽生えるという感動作で、SF映画『第5惑星』の原形となったといわれる。
太平洋戦争末期、カロリン諸島の孤島に米海軍少佐が漂着する。だがそこにはすでに日本海軍少尉が飢えと孤独の中で生活していた。小競り合いの末少佐は日本人少尉を捕虜にするがそれは全く無意味なことであった。二人は孤島からの脱出を計るため言葉が通じないままに協力し合い、筏を造り、死ぬような思いをして別の島へ渡る。しかし、そこもすでに日本軍が玉砕した後で誰もいなかった。二人の間にはいつしか友情のようなものが芽生えていたが、陣地後に残された雑誌の記事に日本兵の死体を見つけ、戦争という悲惨な現実を再び思い知らされる…。

 http://www.youtube.com/watch?v=TWujmzh9KkU
太平洋機動作戦OPERATION PACIFIC


1951
ジョン・ウェインが潜水艦の艦長役。すみませんまだ見ていませんがアマゾンの紹介文は以下
「1943年、アメリカ潜水艦サンダーフィッシュ号は、南海の孤島に残された5人の子供と2人の修道尼を救出した。一行はデューク・ギフォード少佐の指揮のもとに救命ボートから本艦に移され、真珠湾に向かった。デュークは一行の中の産後母に死なれた赤ん坊の名付親になった。真珠湾について病院に様子をみに行き、そこで彼と離婚して今は看護婦になっているメアリー・スチュアート中尉に再会し、デュークの人生は動き始める。くすぶっていた大戦の戦火のように……。」
マッカーサー

Macarthur:The Rebel General

1977

ジョゼフ・サージェント監督
グレコリー・ペック
イバン・ボナー
ダン・オハーリー
ケネス・トビー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

連合軍総司令官から戦後はGHQの責任者として占領下の日本を指揮したマッカーサー元帥の波瀾の人生を描く。マッカーサー役はグレコリー・ぺックがそっくりさんで登場し、熱演している。他の実在の人物たちもみな良く似ている。真珠湾攻撃から三ヶ月後のフィリッピン戦線から朝鮮戦争のインチョン作戦、トルーマン大統領から解任されるまでおよそ10年をうまくまとめてはいるが、ミニシリーズのダイジェスト版のような印象を受ける。日本人は戦争真っ最中は他の映画と同じように"人間"はいっさい描かれずエイリアンのよう。ミズーリ艦上で日本全権・重光葵外相と梅津美治郎参謀総長が降伏調印をするところでやっと人間らしいキャラが登場する。しかし二人とも薄笑いを浮かべてサインするのが不気味だ。戦後の日本は記録フィルムと織りまぜて描かれているのでかなりリアリティはある。しかし、廃虚となった東京の人々は、どうやらハリウッドなどのセットで撮ったらしく、服装などはどことなく不自然である。日本人が出て来て唯一話すのは、GHQの中で幣原喜重郎総理(ユキ・シモダ)がマッカーサーに向かって新憲法に「戦争の放棄」を入れたいと半泣きで訴え、元帥が受け入れる場面である。もちろんこの第九条に関してはマッカーサーが命令したとする説もあり真実は今なお不明なので、僕はちょっとシラケてしまった。それは良いとして、マッカーサーの素晴らしいところばかりが取り上げられていて、なんだかどっかの勧誘ビデオみたいだ。特筆すべきは撮影の素晴らしさ。『キャリー』のマリオ・トッシが独特のやや紗がかかった美しい画面に、華麗なカメラワークも加えて、戦時中の雰囲気を見事に醸し出している。マッカーサーについてはこちらもご覧ください。
戦略泥棒作戦 

The Horizontal Lieutenant
1962

リチャード・ソープ監督
ジム・ハットン
ポーラ・プレンティス
ナンシー梅木

第二次大戦末期、南太平洋のある島で、アメリカ軍の捕虜の一人の日本人兵が脱走した。中尉が捕らえようと様々な作戦を練るが、脱走兵は彼をあざ笑うかのように軍の食料を盗みまくる。たった一人の日本兵に翻弄される主人公たちをコミカルに描いた戦争コメディ。主演のジム・ハットンはティモシー・ハットンの父。

パールハーバー

Pearlharbor

2001年

マイケル・ベイ監督
ベン・アフレック
ジョン・ボイト
アレック・ボールドウィン
ダン・エイクロイド
ケイト・ベッキンセイル
ケリー・タガワ・ヒロユキ
マコ岩松

制作費200億円のディズニー超大作。監督は『アルマゲドン』の人。 ボイトがルーズベルト、ボールドウィンがドウリトル、エイクロイドがトルーマン、タガワが源田を、 マコが山本五十六を演じる(ただし日本語はすべて吹替られている)。
マコは「不愉快な体験だった。真珠湾攻撃をきめる軍の会議をなぜのぼり旗を立てて野原でやってるんだ。 戦国時代じゃあるまいし。200億円近い制作費を使いながらまともな考証ができないのか。 ただ楽しめたらいいという風に時代が逆戻りしている感じだ」と回想している(朝日新聞)。 出演依頼は2年前にあり、歴史的な考証を心配していたが「大丈夫」という返事だったので出演した。 しかし軍議の場面に台詞のチェックに来た若い日本人の女の子は軍人の言葉を知らなかったそうだ。 トホホ。しかもこのシーン、すぐ近くで子供達が凧上げしているのだ。 有り得ない!この映画の最大の失敗は人間関係の描き方が薄っぺらなこと。ルーズベルトも山本も不必要。 ついでに女も省いて現場の男だけの友情ドラマで押し切れば「濃い感動作」になっただろうに。 戦闘シーンはド迫力で、日英独の名機や名艦がCGなどで再現されている(不十分だが)姿はマニアならずとも鳥肌もの。

主題曲『永遠に愛されて』を歌ったフェイス・ヒルは日本のCMに出演した。

12月8日 
ウインドトーカーズ

Windtalkers 

2001

ジョン・ウー 監督
ニコラス・ケイジ
クリスチャン・スレーター
マーク・ラファロ
アダム・ビーチ

ガダルカナル戦で米軍は指令など日本軍に暗号を解読されないよう、ナバホ族を使い、ナバホ語で通信をしたという実話を元にしたストーリー。1億2千万ドルの巨費を投じて、ハワイでロケが行なわれ、日本軍の衣裳や装備を忠実に再現した。しかし、日本軍の描き方はこれまでのハリウッド映画のものから全く抜けていない。香港人監督でも無理だったのか。ニコラス・ケイジは劇中で日本語を話すシーンがある。来日記者会見で、彼は子供の頃日本語が話したくてカリフォルニアの日本人小学校に数年間通ったそうだ。う〜む。デーブ・スペクターみたいな奴だ。

てき〜ら様の情報です。

あまり好きな映画ではないのですが、ニコラス・ケイジの『ウインド・トーカーズ』では日本軍の基地(?)に何故か金の菩薩様がありました。畳と障子も。基地なのに。

ありがとうございました。結局こういうところはハリウッドとしては絶対譲れない「日本像」なのでしょうね。 さらに観客様より以下、投稿いただきました。

『ウインドトーカーズ』の項でガダルカナル戦が舞台と書いてありますが正確ではありません。
映画の冒頭で確かにガダルカナルで主人公が負傷しますが、ネイティブアメリカンのコードトーカーといっしょに戦った島はサイパン島です。
暗号担当のナバホの兵士は当時コードトーカーと呼ばれていました。当事者からするとウィンドトーカースという映画の題名はあまり気に入らないようです。それに本当に彼らが活躍したのは硫黄島の作戦だったそうでなんでサイパン島なんだって文句言ってました。映画を撮る側からすると岩だらけの島の洞窟戦だった硫黄島作戦よりも日本人住人もいたサイパン島攻略作戦の方が絵になると思ったんでしょう。

ありがとうございました。映画は(特にハリウッド映画)見た目が勝負というところもあるので、史実を元にしたものでも多少のアレンジは必要なのでしょうが、こういうご都合主義が少しずつ狂いだして「トンデモ日本」のような表現になってしまうのではと感じています。
インチョン(仁川)!

INCHON!

米・韓合作1981

テレンス・ヤング監督
ローレンス・オリビエ
ジャクリーン・ビセット
デビッド・ジャンセン
ベン・ギャザラ
三船敏郎

当時4,800万ドルの巨費で製作された戦争超大作。1950年、朝鮮戦争下、ソウル近郊の港インチョンに上陸する作戦を描く。この作戦を指揮したマッカーサーを名優ローレンス・オリビエ(サーの称号を持つ英国の俳優。監督・演出家としても歴史に残る)が演じ、三船は「斉藤さん」という日本人(役どころ全く不明)を演じている。この映画これほどの大作でありながら日本では未公開。かなりひどい作品らしく、ゴールデン・ラズベリー(最低映画)賞をほとんど独占している。見られないのが誠に残念だ。

Ghost Soldiers

200*?

スティーブン・スピルバーグ監督?
トム・クルーズ ?
第2次世界大戦中、日本軍捕虜収容所でのアメリカ兵の生活を描いたノンフィクションの映画化。未詳

ジ・エンド・オブ・パールハーバー
HIROSHIMA
 調査中

迫撃機

The Hunters
1958

ディック・パウエル監督
ロバート・ミッチャム
メイ・ブリット
ロバート・ワグナー
リチャード・イーガン
リー・フィリップス
ノブ・マッカーシー

第二次大戦で活躍したパイロット、サヴィル少佐(ミッチャム)が朝鮮戦争で日本の伊丹空軍基地に配属される。そこで再会した戦友たちと出撃までの束の間平和の日々を送る。やがて彼は、アボット大尉の若い妻と恋におちる。しかし戦線への出動の日は迫る……。メロドラマが主体の空戦ものだが、空中撮影は一級で、ソ連のミグ(F84を改造)との空中戦はリアル。基地の中で働く日本人が大勢登場するが(ほとんどハリウッドのスタジオ内)、女性事務員役でノブ・マッカーシーが出演している。

Pacific Inferno

1979

ラルフ・ベイヤー監督
ジム・ブラウン
リチャード・ジャッケル
ティモシー・ブラウン
タッド・ホリノ

第二次世界大戦下、フィリピン陥落後、日本軍がマニラ湾に捨てられた何万ドル分もの銀を発見する。それはマッカーサー将軍が日本軍に渡るのを恐れて隠した軍資金だった。日本軍は捕虜達の中からアメリカ海軍の深海ダイバーを二人連行して来る。そして沈められた宝の捜索を強要するのだが…。これも残念ながら未公開で見ることが出来ない。が、プロットを読む限り何だか面白そうだ。ミック・マーチンの『ビデオ・ムービー・ガイド』には「良。しっかりとしたアクションが続く」と割と評価がよい。ジム・ブラウンは『バトルランナー』『マーズ・アタック!』の黒人巨漢スター、リチャード・ジャッケルは西部劇のベテラン、ティモシー・ブラウンは『M★A★S★H』に出演していた。タッド・ホリノは北野武の『BROTHER』でラスト近く、喫茶店の主人役として出ていた。その他日系俳優がたくさん出ているが、不詳。

シン・レッド・ライン

The Thin Red Line

1998

テレンス・マリック監督
原作ジェームズ・ジョーンズ
ショーン・ペン
ジム・カヴィーゼル
エイドリアン・ブロディ
ベン・チャップリン
ジョン・キューザック
ニック・ノルティ
ジョン・サヴェージ
ウディ・ハレルソン
ジョージ・クルーニー
ジョン・トラボルタ
光石研
前原一輝
酒井一圭
水上竜士
岡安泰樹
大久保貴光

天国の日々』のテレンス・マリックが20年ぶりに監督したことで話題になった(アカデミー賞作品賞・監督賞候補)。太平洋戦争中の激戦地として知られるガダルカナル島の攻防をリアルに描いたもの。豪華出演陣だが、メインはショーン・ペン、ジム・カヴィーゼル、ニック・ノルティくらいで、後はちょこちょこ出て来るだけ。ブラピ、ニコラス・ケイジ、ジョニー・デップは出演させてもらえず、ゲイリー・オールドマン、ミッキー・ロークは出演したがカットされたらしい。とにかくカメラワークと編集、音楽が素晴らしい映画で、本当に息が詰まりそうになるくらい緊迫したシーンと情緒たっぷりの美しい大自然・安らぎとの対比が見事だ。そして兵士たちのエゴや味方同志の葛藤などがそこにからんで、3時間近い長丁場を一気に見せる。ただし、登場人物が多すぎて少し散漫な印象はある。さてこの映画は、『パールハーバー』や『硫黄島の砂』のように日本兵を、怪物エイリアン風の「異境の人」として描いていない。日本兵はこの手の(外国人監督による)映画には珍しく、血の通った人間として描かれていて、感心した。日本からは俳優光石研(名演!青山真治や岩井俊二監督作品の常連)、前原一輝(『星獣戦隊ギンガマン』のギンガレッド役や『トリック』の石原達也役。引退)、酒井一圭(『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオブラック役)、水上竜士(我が後輩室賀厚監督作『SCORE』などに出ていた)らが出演。募集条件は「痩せていること」だったそうです。この映画のオーストラリアロケでエキストラとして出演したすすむさんの詳細な日記を発見。すごく面白いので行ってみてください。こちら。同じ原作で『大突撃』1964という映画があるが、詳細が分かり次第アップします。
二世部隊
いけだしんや様より以下情報いただきました。
GO FOR BROKE!
1951年米
監督・原作・脚本:ロバート・ビロッシュ
出演:ヴァン・ジョンソン/ジャンナ・マリア・カナーレ/ワーナー・アンダーソン/レーン・ナカノ/ジョージ・ミキ/アラキ・フクナガ/ケン・K・オカモト/ヘンリー・オヤサト/ハリー・ハマダ/ヘンリー・ナカムラ

第二次世界大戦で活躍した日系人部隊と白人兵士の友情を描いた作品ですが、日系人が多数出演しています。なお背が小さくてコミカルな役で出演していた(確かにその人だと思うのですが)レーン・ナカノという人は、『ブルックリン最終出口』(1989)の脚本、『ジャンクション【字幕版】』(1995)の監督として活躍しているデズモンド・ナカノのお父さんということです。

ありがとうございました!この映画僕はみていませんでした。
パラダイス・ロード Paradise Road

1997豪

ブルース・ベレスフォード監督
グレン・クローズ
ケイト・ブランシェット
クライド・クサツ

監督は『ドライビングMissデイジー』のブレスフォード。フォックス製作の大作であるが、何故か日本未公開なので未見。実話をもとに、1942年シンガポール近郊の捕虜収容所が舞台。残酷な日本人将校が牛耳る収容所には、様々な民族、年齢の女性や子供が収容されており、過酷な生活を強いられている。その中である女性が、イギリスの王立音楽院出身という経歴を活かし、捕虜だけの合唱団を結成。音楽で自らの境遇を慰め合い、日本軍に抵抗を試み、平和と正義を歌うといった、感動的な物語らしい。

Bun−bun様より以下情報いただきました。

何処にも見あたらなかったので漏れてるかと思いますが、太平洋戦争当時の実話手記を元に米豪合作で作られた『パラダイス・ロード』と言う日本未公開の映画がありますので、未だ見た事の無い方に是非見て欲しい名作を紹介したいと思います。
簡単にストーリーを紹介しますと、イギリス占領下にあったシンガポールに日本軍が攻め込み、命からがらインドネシアかマレーシアへ逃げ出すのだがそこで日本兵に囚われて、西洋人女性専用捕虜収容所へ送られた主人公を軸に、白人女性達の捕虜収容所内での過酷な生活を描いた作品です。
勿論、日本兵は仇役ですので、日本兵の悪行もかなり描かれてます。(この辺りが日本未公開の原因かな)
しかし鬼の様な日本兵にも意外と人情がある事も主人公の目を通して描かれており、映画製作者が手記に忠実に作ろうとした姿勢がそこに伺われる点、米豪合作(日本抜き)で作られた割に偏見の少ない映画と思います。
何よりも圧巻は女優さん達の体当たりの演技、『危険な情事』で世の男達を震え上がらせたグレン・クローズには思わず呻ってしまいます。
最初の日本兵から逃げ回るあたりまでは舞台が次々と移りますが、殆どは収容所という限られた閉鎖空間を舞台にした作品なのに、決して退屈しないで、グイグイ作品に飲み込まれてしまうのも、女優陣はじめスタッフ全員が真剣に史実と向き合って作った作品だからでは無いでしょうか。 ブルース・ベレスフォード監督の1997年作品(20世紀フォックス)。 下記URLでDVDが入手可能と思います。(業者当事者じゃ無いので、保証の限りではありませんが)
http://www.h6.dion.ne.jp/~dvdshine/Movie/Detail/ParadiseRoad.html
問題は、日本未公開作品の常で日本語字幕が無い点ですが・・・見たら絶対に感動する事請け合います。

ありがとうございました!ぜひ拝見したいものです。

フライング・タイガー
アントワープ占領様より以下の投稿いただきました!

はじめまして!
なんか「在日日本人」(@みうらじゅん)な映画をいろいろ楽しんでますね。
自分は最近500円DVDのジョン・ウェイン主演『フライング・タイガー』(1942年)を●ード・オフで380円になっていたので買いました。
蒋介石に雇われた傭兵戦闘機隊が卑劣で醜悪なJAPと闘う戦意高揚映画ですが、戦争中に造られた映画なので、敵国人であるJAPは使えないので中国人を使っていますが、その自称JAPの発する日本語が面白すぎます!
例えば、卑劣な都市無差別爆撃に来た陸軍の97式重爆のクルーがジョン・ウェインの乗るP-40Cの襲撃を受けるシーン、ハリボテの自称97重爆の機内では、オカマ声で「早ク戦争ノ用意ヲシテ!」と叫んで応戦するんぢゃが、多分「応戦準備急ゲ!」と言いたかったんぢゃろうと思うんぢゃが、すんごく間が抜けた感じで「ぶひゃひゃひゃ、なんぢゃ、こりゃー」と大笑いでした。他には「ヨロ〜シ!」と意味無く言う所も、「ようそろ」と言いたいのぢゃと思うが、陸軍の空中勤務者が海軍用語を使うはずが無く、緊迫した戦闘シーンが相当間抜けな感じになっていて笑えます。
500円DVDは、最近本屋さんでも売っているので、気軽に買えると思います。YUNIOSHIさん、一度見て「早ク戦争ノ用意ヲシテ」ください。
http://4travel.jp/traveler/teshimadas/pict/11058008/

早くハードオフにイカナケレバ!あっ、ぶっくおふデモアルカナ?

ビーチレッド戦記
BEACH RED
1967

コーネル・ワイルド監督
原作:ピーター・ボウマン
脚本:クリント・ジョンストン
ジェファーソン・パスカル
ドナルド・A・ピータース
撮影:セシル・R・クーニイ
音楽:アントニオ・ベナヴェンチュラ
出演: コーネル・ワイルド
リップ・トーン
パトリック・ウルフ
ジーン・ウォーレス

NAさんから情報いただきました。
日本軍が守備する南太平洋の島に、アメリカの海兵隊が上陸した。激しい戦闘が続き、徐々に日本軍は後退していく……。戦闘下における兵士の心理描写に優れた反戦映画。
コーネル・ワイルドが、製作/監督/主演と一人三役を演じている。日本軍もしっかりと描かれているが、指揮官などはおそらく日系人でたどたどしい日本語がお約束の面白さ。
ビーチレッド戦記
硫黄島の英雄
THE OUTSIDER
1961
デルバート・マン監督

原作:ウィリアム・ブラッドフォード・ヒューイ
音楽: レナード・ローゼンマン
出演: トニー・カーティス
アイラ・ヘイズ
ジェームズ・フランシスカス
ジェームズ・ソレンソン
ブルース・ベネット
グレゴリー・ウォルコット

太平洋戦争末期、硫黄島に上陸した米軍は日本軍の壮絶な攻めに苦しまされたが、遂には圧倒的な戦力で山の頂上に星条旗を立てた。その写真は米国の勝利を映し出し、旗を立てた3人の兵士は、帰国すると英雄として崇めたてまつられ、戦費調達のためのPRに利用された。下記『父親たちの星条旗』でも描かれている、 主人公のインディアン青年アイラ・ヘイズ役はトニー・カーティスが演じている。

ミッドウェイ囮作戦
WING AND A PRAYER
1944
ヘンリー・ハサウェイ監督

ドン・アメチー
ダナ・アンドリュース
チャールズ・ビックフォード
セドリック・ハードウィック

日本劇場未公開。太平洋戦争の運命を変えたミッドウェイ海戦の秘話を描く。真珠湾攻撃から3ヶ月後、米海軍は1隻の空母に極秘命令を下す。太平洋中をあちこち移動し、また所属の戦闘機は交戦せずひたすら逃げろというものだった。真意が知らされず、敵愾心に燃える兵士たちには耐え難い命令であった。犠牲になった兵士も出て、不満と不安が募る。しかしそれは、来たるべくミッドウェイ海戦に備えた囮作戦だった。日本軍に「米海軍の兵力が分散しており、戦意を喪失している」ように見せかけたものであった。何も知らず主力戦艦をミッドウェイに終結した日本軍を撃破すべく、遂に雷撃隊が飛び立つ!
戦時中に製作された戦意高揚映画の1本。空母や戦闘機や軍の全面協力を得て本物が使われており、迫力がある。本当に墜落させたりしているのにはびっくり。実戦での記録フィルムも交えてあり、見ごたえは十分。ただし、日本はゼロ戦しか登場しない。それも航空戦のシーンはほとんど無く、また、戦時中だからさすがに本物は使えず、米軍機に日の丸を書いただけのもの。墜落して脱出する米兵士を容赦なく攻撃するという卑怯なところが描かれている。『砂漠の鬼将軍』『西部開拓史 特別版』など後に戦争映画・西部劇で傑作を連発するヘンリー・ハサウェイが監督。『コクーン』の主役老人役を演じたドン・アメチーが冷酷な指揮官を、『我等の生涯の最良の年』の名優ダナ・アンドリュースが主演。劇中で登場するパイロットのひとりはアカデミー賞俳優という設定で、いつもオスカー像を手放さないという役柄だが、本作は実際にはアカデミー脚本賞にノミネートされた。

500円の廉価版DVDも発売されているが日本語字幕が非常にいいかげんなのでフォックスの正規版を推薦します。
地獄の戦場
HALLS OF MONTEZUMA
1950
ルイス・マイルストン監督

リチャード・ウィドマーク
ジャック・パランス
ロバート・ワグナー
カール・マルデン

戦後まもなく製作されたため、米軍の協力を得て、本物のシャーマン戦車、コルセア戦闘機、上陸用戦車LVTなどが用いられ、多数のエキストラも動員、またオールカラーの実写フィルムもところどころ交えていて迫力がある。日本の描写はあれこれ抜きにして、アカデミー賞作品賞と監督賞を受賞した戦争映画の傑作『西部戦線異状なし』のマイルストン監督が、戦争の愚かさや非情さを丁寧に描いている秀作。ジャック・パランスがあやまって仲間の若い兵士を撃ち殺してしまうシーンなど胸を打つ。原題のhalls of Montezumaは海兵隊賛歌の歌詞の一節。

太平洋戦争末期、南太平洋のとある孤島でアメリカ海兵隊と日本兵との壮絶な戦いを描く。アメリカ海兵隊が孤島に上陸した。だが、日本軍が山地のどこからか発射してくるロケット砲に苦戦する。アンダーソン中尉率いる中隊は、そのロケット砲の発射基地を探るべくゲリラ戦に挑む。激しい砲火の中、次々と戦死する若い兵士たち、過酷な気象状況の中、遂に日本軍のアジトの洞窟を発見、日本兵数人を捕虜とし、ここを基地として作戦を練り直すが…。
日本兵は多数登場するが降参した兵士を仲間ごと撃ち殺したり残虐非情なキャラで描かれている。米軍は人道的で捕虜を手厚く治療したりタバコや水を与えたりしてくれる。
中隊には日本語が出来る男がいて、日本兵と会話をする。「皆出テクルヨーニ言イタマエ」「安心シロ、降参したホーがいいダロ」などカタコトの日本語で言う。困ったのは日本兵の方で、お約束通り日系人が使われていて「出てきたらころされるのがおそろしーから」などとこちらも片言です。捕虜となった日本兵には英語が話せるという者が何人かいる。そのうちのひとりはノムラという偽名を使って兵卒になりすましたマツオダ・ケンジさんという怪しい男で、実は重要人物(陸軍少佐)でロケット砲基地を作った人物のひとりという設定。マツオダとは英語の尋問の中で、日本では有名な野球選手だったことが分かる。「どこのチームだ?」「明治大学だ」「明治大学では何を学んだ?」「…3つの学位がある」などの台詞がある。『アンボンで何が裁かれたか』の時もそうだが僕の母校の名が出てきてビックリだ。何も固有名詞を出さなくてもいいと思うのだが。
日本兵が持っていた暗号メモに「柔道」というのがあり、その極意に「相手の裏をかく」ということから基地の位置がわかるというくだりもある。
バターンを奪回せよ
BACK TO BATAAN
1944
エドワード・ドミトリク 監督

出演:ジョン・ウェイン
アンソニー・クイン
ボーラ・ボンディ
フェリー・フランケリ
リチャード・ルー
フィリップ・アーン
ローレンス・ティアニー

太平洋戦争末期、”バターンの死の行進”で有名なフィリピンのバターンを舞台にした戦争映画。調査中。
ガダルカナル・ダイアリー
GUADALCANAL DIARY
1943
ルイス・セイラー監督

アンソニー・クイン
プレストン・フォスター
ロイド・ノーラン
ウィリアム・ベンディックス
リチャード・コンテ
リチャード・ジャッケル
マイナー・ワトソン
ラルフ・バード
ライオネル・スタンダー


日本劇場未公開。太平洋戦争末期、激戦地ガダルカナルに上陸したアメリカ海兵隊と日本軍のゲリラとの戦いを描く。調査中。
深く静かに潜航せよ
RUN SILENT, RUN DEEP
1958
ロバート・ワイズ監督

クラーク・ゲーブル
バート・ランカスター
ジャック・ウォーデン
ブラッド・デクスター

以下ZEROさんから投稿いただきました。

「楽しく拝見させていただきました。面白かったです。私も一作品紹介させて下さい。
 戦争映画でロバート・ワイズ監督の『深く静かに潜航せよ』です。映画は豊後水道における日本の輸送船団とアメリカ潜水艦(艦長はクラーク・ゲーブル、副長はバート・ランカスター)の攻防を描いたもの。日本の駆逐艦(モモ、アキカゼ)と潜水艦が出てきます。どれも艦長はなかなか上手な日本語(「潜望鏡、潜望鏡!」とか「機関停止!」「あそこにおる!)を話しているのですが、それ以外の人は少し違います。皆さん日系人ですね。皆さんきちんと日本人を演じていて、おかしくはありません。ただ駆逐艦で「水中爆弾準備せよ!」という科白があるのですが、「爆雷投下準備!」って言いたかったのでしょうね。特撮はハワード・ライデッカー、クリフォード・シュタイン、アーノルド・ギレスピーと、リパブリック映画、ユニバーサル、MGMの特撮監督が手がけていて豪華。

ありがとうございました!これ、だいぶ前にテレビで見てましたが忘れていました。「潜水艦もの」の代表作といえる作品でしたね。戦争映画というよりは密室を舞台にした人間ドラマがよく出来ていたような印象があります。
父親たちの星条旗
FLAGS OF OUR FATHERS 2006

クリント・イーストウッド監督
製作:スティーヴン・スピルバーグ
クリント・イーストウッド
ロバート・ロレンツ
原作:ジェームズ・ブラッドリー『硫黄島の星条旗』(文春文庫刊)
/『父親たちの星条旗』(イースト・プレス刊)ロン・パワーズ
ポール・ハギス、ウィリアム・ブロイルズ・Jr脚本
撮影:トム・スターン
美術:ヘンリー・バムステッド
衣装:デボラ・ホッパー
編集:ジョエル・コックス
音楽:クリント・イーストウッド
出演:ライアン・フィリップ
ジョン・“ドク”・ブラッドリー
ジェシー・ブラッドフォード
アダム・ビーチ
ジェイミー・ベル
ジョン・ベンジャミン・ヒッキー
ラルフ・“イギー”・イグナトウスキー
バリー・ペッパー
ポール・ウォーカー
ジョン・スラッテリー

太平洋戦争末期、硫黄島に上陸したアメリカ軍は日本軍の予想以上の抵抗に苦しめられ、戦闘は長引き、死傷者を増やす事態に陥っていた。そんな中、擂鉢山の頂上に星条旗が高らかに翻る。この瞬間を捉えた1枚の写真がアメリカが日本に勝利した象徴としてアメリカ国民を熱狂させた。
星条旗を掲げる6名の兵士は一躍アメリカの英雄となった。しかし、その後祖国に帰還できたのは3人だけだった。国民的英雄として熱狂的に迎えられた彼らは、戦費を調達するための戦時国債キャンペーンに駆り出される。だが、彼らの本当の想いとは…。
監督としてすでに巨匠の誉れが高いイーストウッドが下記『硫黄島からの手紙』と2部作として放った衝撃の作品。
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
硫黄島からの手紙
RED SUN, BLACK SAND
LETTERS FROM IWO JIMA 2006

クリント・イーストウッド監督
製作:スティーヴン・スピルバーグ
クリント・イーストウッド
ロバート・ロレンツ
原案:アイリス・ヤマシタ、ポール・ハギス
脚本:アイリス・ヤマシタ
美術:ヘンリー・バムステッド
出演:渡辺謙
二宮和也
伊原剛志
加瀬亮
中村獅童
松崎悠希
裕木奈江

『父親たちの星条旗』はアメリカ側を描いた作品だが、こちらは日本兵側から描く。実在の人物は渡辺謙演じる栗林忠道だけであとは架空の人物。
イーストウッドは日本から関係書を取り寄せ日本側の人物をリサーチ。 ポール・ハギスの推薦で日系女性のアイリス・ヤマシタに脚本にまとめさせ、一気に撮ったという。 渡辺のキャスティングについてはアカデミー賞の授賞式で会っておりほぼ即断で決めたが、彼以外の俳優陣はオーディションで決めた。
実際のところ主人公は二宮君演じる西郷ですね。なかなかの演技で感服しました。彼の今後の活躍を期待したい(日本のテレビ界でなく世界での)。

渡辺謙は役作りのために、実際に栗林中将の生家に行って話を聞いたり墓参りしたそうだ。 参考にした本は右『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』。 俳優たちによれば現場は本当に静かでいつの間にか撮られているというような感じだったという。 「君たちは自分の感性を引き出しなさい。それを僕達は静かに受け止めるよ」というスタンスだったらしく、 俳優陣はそれゆえかえって責任感とか緊張したとか言っている。 「当時硫黄島で戦って亡くなったアメリカ兵たちが平均19歳で15歳もいた」 イーストウッド監督自身当時15歳だったわけでこれが製作のモチベーションになったのだろう。 それにしても製作時76歳。これだけの大作を2作同時に作る。 しかもすでにオスカー候補に挙げられるほどの高水準な作品に仕上がっている。『ミリオンダラー・ベイビー』も良かったが、凄いとしかいいようがない。

以下、FLACOさんよりご指摘いただきました。
ところで、「第二次世界大戦・太平洋戦争を描くもの」の項の『硫黄島からの手紙』について、文中「実在の人物は渡辺謙演じる栗林忠道だけであとは架空の人物」と書かれておりますが、 間違っております。副官の藤田中尉、西竹一中佐は実在の人物です。 まぁ描かれ方は実際と違うかもしれませんが(たとえば、実在の藤田中尉はメガネをかけていた…等々)、宜しかったら訂正されたほうが良いかと思います。 また、たしか映画の中で市丸少将の名前も出てませんでしたか?(間違ってたらスミマセン) もちろん市丸少将も実在の人物です。映画自体は面白かったですね。ホンと高水準でした!

ありがとうございました。前に出ていたキネ旬の記事で「実在の人物・栗林と架空の人物を主人公に云々」とあったのを読み間違えていました。 大変失礼しました。訂正いたします。ロサンゼルス・オリンピック馬術競技金メダリストの“バロン西”こと西竹一中佐は有名でしたね。
FLACOさんからは『太陽の帝国』についてもご意見いただきました。

小中陽太郎の『外国の教科書に、日本はどう書かれているか』という本によれば太平洋戦争映画で描かれる日本は東南アジアや硫黄島や沖縄ばかりなので日本は「熱帯」と思われている節があるそうだ。確かに本土でも夏は暑いけどねえ…。

硫黄島に関連する書籍は以下です。


名をこそ惜しめ 硫黄島 魂の記録

闘魂 硫黄島―小笠原兵団参謀の回想 (光人社NF文庫)

「玉砕総指揮官」の絵手紙 (小学館文庫)
TOKKO ―特攻―
WINGS OF DEFEAT 2007

監督:リサ・モリモト
製作:リサ・モリモト
リンダ・ホーグランド
製作総指揮:寺尾のぞみ
ジョシュア・レヴィン
構成:リンダ・ホーグランド
撮影:フランシスコ・アリワラス
編集:マヤ・スターク
音楽:松岡碧郎

日系2世の女流監督リサ・モリモトが2年ががりで完成させた神風特攻隊のドキュメンタリー。20年前に他界した叔父が戦時中に特攻隊員に志願してたことを知り、あの大好きだった温厚な叔父がなぜカミカゼに?という疑問から取材を開始したという。
冒頭は米駆逐艦で撮られた実際のカミカゼパイロットたちの貴重な映像。米軍の生存者たちが当時の驚きと恐怖を語る。そして日本の生き残りの元特攻隊員らの証言などから特攻隊が生まれた背景、そして彼らの本音が明らかになっていく。戦友や家族への思い。戦争に対する強い怒り…。
映画の完成時にアメリカで、特攻隊員に沈没させられた米駆逐艦の生存者の集まりで上映された。白髪の元米兵が目を赤くしてこう言ったそうだ。「カミカゼを憎んだが、祖国と家族を思う気持ちは我々と同じだ」。(朝日新聞より)
公式サイト
TOKKO-特攻-
ヒロシマナガサキ
WHITE LIGHT/BLACK RAIN: THE DESTRUCTION OF HIROSHIMA and NAGASAKI 2006

製作・監督・編集:スティーブン・オカザキ
製作総指揮:シーラ・ネヴィンス
ロバート・リクター
撮影監督:川崎尚文

『収容所の長い日々 日系人と結婚した白人女性』1985でアカデミ−賞短編ドキュメンタリー賞受賞などオスカー常連の日系三世スティーブン・オカザキが、20代後半にマンガ『はだしのゲン』を読んでショックを受け、25年近くの歳月をかけて製作した渾身の作品。14人の「ヒバクシャ」へのインタビューを中心にニュース映像や爆撃側の証言などを断片的に織り交ぜた巧みな手法で観る者を惹きつける。
「反響は予想できないが、反発だけでは終わらせない自信はある」(朝日新聞のインタビュー)と語るオカザキは以前在米被爆者についての作品を発表した時は脅迫電話がかかったそうだ。今回ケーブルテレビのプロデューサーは「視聴者がチャンネルを変えても構わない。思い切り作れ」と言ってくれたそうだ。2007年8月6日の広島の原爆記念日、全米3,800万人が加入するケーブルテレビで放送された。アメリカも変わりつつある。

スティーブン・オカザキの受賞暦はこちら


ヒロシマ



監督・製作:ルカス・ロカ
ホセマリア・モリーナ

被爆して深い傷を負った少女と母の物語をCGアニメで描く。
2006年スペインのアニメ祭アニマドリードで短編賞を受賞した。現在広島国際アニメ祭を目指して長編版を作成中。
 
アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗
  AMERICAN PASTIME 2007
原案・監督:デズモンド・ナカノ
脚本: デズモンド・ナカノ
トニー・ケイデン
撮影:マシュー・ウィリアムズ
音楽: ジョセフ・コンラン


ゲイリー・コール
アーロン・ヨー
中村雅俊
ジュディ・オング
サラ・ドリュー
ジョン・グリース
スザンナ・トンプソン
レオナルド・ナム

戦時中の実話を基に、強制収容キャンプに収監された日系アメリカ人家族が、野球を通して困難な状況に立ち向かっていく姿を描く感動ストーリー。
後に米大リーグ、マリナーズのイチローが「たぶん、あの映画だったと思うんですけど、出演の依頼があったんですよ」と明かした。話は断ったそうだが「ラスト・サムライも受けなかった」と大ヒット作の出演オファーがあったことも明かした。確かに出れば面白かっただろうが本業がやはり第一優先でしょう。
鬼が来た!
鬼子來了 DEVILS ON THE DOORSTEP 2000
中国
製作・監督・脚本:姜文(チアン・ウェン)
原作:ウ・フェンウェイの短篇『生存』
撮影監督:クー・チャンウェイ

姜文(チアン・ウェン)
香川照之
チアン・ホンポー
ユエン・ティン
ツォン・チーチュン
チェン・シュー
澤田謙也
宮路佳具
長野克弘
デヴィッド・ウー

2000年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。
舞台は太平洋戦争末期1945年の旧正月。日本軍の侵攻が激しいある中国の寒村。この村の青年マーのもとに深夜見知らぬ男がやって来て脅かされて麻袋2つを押しつけられる。一週間の約束で預かったその中には日本兵花屋(香川)と通訳の男が入っていた。日本軍に知られれば、村人全体が殺されるかもしれない。いっそ二人を消してしまうか、匿うか、日本軍に引き渡すか、村人たちは困惑する。中国人を罵り「捕虜は恥、殺せ!」と叫ぶ花屋の言葉を、命が惜しい通訳は中国人に友好的な言葉に翻訳して伝える。「新年おめでとう!」。結局、約束の男は現れず、村人たちは彼らを殺すこともできず、ずるずると半年も隠すことになってしまう。

ここまでのストーリーで僕は大江健三郎の『飼育』(芥川賞受賞作で、大島渚が映画化した)とか、イギリス映画『汚れなき瞳』を思い出した。が、ここからの展開は全く違う。アタフタと対応する村人たちの姿やでたらめに翻訳する通訳や、何とか仲間に知らせたい花屋が鶏の首にお守りをつけて放したりと、ブラックでシニカルなユーモアとシリアスな戦争(日本軍と中国、各自の思惑)状態が描かれ、次第に破局的なラストへと導かれていく。

二人の男を匿うだけの食料も尽きてきて、結局村人は事情を書いた文書を添えて日本軍に引き渡すことに決める。日本軍の駐留する村にやって来た一行。花屋は上官の酒塚に帰還を報告するが、訝った酒塚は意外な行動に出る。
ここから先はほとんど悲劇的な展開になる。日本兵を救ってくれたお礼にと村に食料を贈り、日本軍と村人の宴会が開かれる。がこの和やかな宴は酒塚の一言で破局に終わる。海軍の楽隊が演奏する「軍艦マーチ」が響き渡る中、村人は女子供を問わず殺され、村は焼き払われて行く…。まさにその日は、日本が敗戦した日であった…。
その後、村は中国・連合国軍によって開放され、日本軍が捕虜となった。そしてひっそり生き残っていたマーは…。

実際に日本軍が行ったと思われる残虐行為がいくつか描かれていくのだが、それは日本人として苦しく切ないものである。ずっとモノクロで描かれているが、これは監督の意図するところ。ショッキングな最後の最後でやっとカラーになる。カメラは手持ちでわりと人物をアップで撮ることが多いが、モノクロなのでかえって生々しいイメージが強まっていていい効果を挙げている。とにかく監督で主役を演じるチアン・ウェンはじめ、中国人俳優たち、香川、澤田の動・静をわきまえた演技が素晴らしい。

チアン・ウェンは『芙蓉鎮』『紅いコーリャン』に出演した中国映画界の重鎮俳優。東京上野・アメ横で日本軍の衣装などを集め、日本軍の資料、日本刀などもかなり研究したそうで、日本軍を演じる俳優はエキストラも含め全員日本人を揃えており、言葉遣い、しぐさなどの表現はハリウッドに比べればかなり的を得ている。しかし、香川の暴露本によれば、撮影現場は戦争当時さながらのかなりひどい状態だったそうでスタッフ・キャストともに対立・混乱を極め、その内訳話が赤裸々に語られていてこれがまた面白い!
(当サイトではアジア映画はあまり扱っていませんがカンヌグランプリ作品なので特別扱いしました!)

公式サイト


TVシリーズでは『戦争の嵐』『戦争と追憶』『戦争の黙示録』の3部作、
スティーブン・スピルバーグやトム・ハンクスが製作した超大作『THE PACIFIC / ザ・パシフィック』などがある。

日本人は出てこないがオスカーを8つ受賞した『地上より永遠に』は真珠湾攻撃直前のハワイの基地が舞台である。

youtubeには『Raiders Over Tokyo』の予告編がアップされている。真珠湾攻撃の報復のため1942年に東京空襲を企てたB25の兵士たちを描くものらしい。Branden Morrisという人が監督のようだが、Imdbにも詳細が無く不詳。

 Raiders Over Tokyo Trailer

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