往年のスタイルと最新技術を融合!
ニコンのミドルクラスのフルサイズミラーレスカメラ「Zf」は、発売前からSNSなどで話題になり、発売されるやいなや一時はメーカー在庫切れになったほどの人気機種です。
基本仕様はZ6 IIをベースに、ハイエンドモデルのZ9と同じ映像エンジンを搭載したことで、AF精度やAF速度が向上。さらに手ブレ補正の効果はニコン最強となる最大8段を誇り、連写速度は最高14コマ/秒の俊足、堅牢性も上位モデルのZ8と同等という本気のスペックです。
性能や使い勝手はどうなのか、 写真家が実写テストしました!
ニコン「Zf」
- ニコンZf 40mm f/2(SE) レンズキット
- 実勢価格: ¥297,992〜
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- 画質
- 機能性
- 使い心地
- サイズ
- コスパ
40年の時を越えてFの系譜が復活!
ニコン「Zf」は、ニコンの伝統的なフィルムカメラのFM2をオマージュしたレトロなデザインが特徴。Zfの「f」は精密機器の感触と高画質の「融合」を示すとのこと。
露出補正やシャッタースピードなどのダイヤルを備え、アナログ的な操作で撮影が楽しめます。実用的でありながら趣味性の高いカメラです。
- おすすめポイント
-
- いつも持ち歩きたくなる魅力的なデザイン
- 優れたAFでどんな被写体もおまかせ
- がっかりポイント
-
- グリップが浅く、持ったときのバランスが悪い
- 幅
- 144mm(約)
- 奥行
- 49mm(約)
- 高さ
- 103mm(約)
- 重量
- 710g(約)
- 有効画素数
- 2450万画素(フルサイズ)
- 連写
- 14コマ/秒
- 動画
- 4K
- 手ブレ補正
- 8段
- 型番
- Z F 40MM F/2(SE) レンズキット
往年のスタイルと最新技術を融合したモデルです。
検証方法は?
多数のレビューをこなす写真家の豊田さんが、ニコン「Zf」の魅力を検証。同価格帯のキヤノン「EOS R6 Mark II」とも比較しながら、基本性能をチェックしました。
比較した「EOS R6 Mark II」はコチラ
- キヤノンEOS R6 Mark II ボディ
- 実勢価格: ¥309,800〜
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それでは検証結果を見てみましょう!
【使い心地】レトロな見た目が最高! ダイヤルの操作感もいい
ニコン「Zf」の最大の特徴といえるのがボディ上部にあるダイヤル類。フラットなボディと相まってフィルムカメラを強くイメージさせます。
ファインダー(EVF)はニコン伝統の丸形アイピースを採用。EVFの画質は解像感が高く被写体の細部までしっかりと確認できます。
液晶にフルサイズのZシリーズでは初となるバリアングル液晶を搭載しています。
レトロなデザインに最新の性能を搭載
フィルムカメラFM2の特徴を捉えた見事なデザイン。マグネシウム合金のボディは堅牢性も抜群。Nikonのロゴはオールドスタイルです。
液晶を閉じるとフィルムカメラみたいです。
シャッタースピード、ISO感度、露出補正ダイヤルが並びます
ダイヤルは金属特有の質感で高級感があり、回転時のクリック感も良好。シャッターの押し心地も小気味いいです。
ニコン伝統の丸形ファインダー
上位機と同様の丸形アイピースを採用。EVFは約369万ドット、0.5型OLEDで表示はキレイで見やすいです。
フルサイズのZシリーズ
では初のバリアングル
自撮りしやすいバリアングル液晶を搭載。日中でも見やすいです。
写真・動画・B&Wの
切り替えレバー
B&Wはモノクロモード。レバーで即座に変更できます。
デザイン優先のためかグリップが小さいのは残念
出っ張りの少ないグリップは見た目にいいですが、安定感はありません。片手持ちで撮るようなラフな撮影には向きません。
純正やサードパーティ製のエクステンショングリップが欲しくなります。
【オートフォーカス】素早く被写体を捉えてピントを外さない
レトロなデザインからは想像できないほどオートフォーカス(AF)の精度が高いニコン「Zf」。これまでのニコン機のウイークポイントだったAFを大きく改善しています。
映像エンジンにハイエンド機のZ9と同じEXPEED 7を搭載し、AFの精度はZ6 IIよりも格段に向上。撮影者の技術に頼る頻度が少なくなり、純粋に構図に集中できるように進化していました。
被写体検出の精度もよくなっていて、人物の顔や瞳の検出はミドルクラスとは思えないほど。人物はかなり離れた距離でも認識し、バストアップの撮影では瞳にピントを即座に合わせます。
一度ピントが合うと顔の向きを変えても、手を顔の前に持ってきてもピントが外れません。
さらに3Dトラッキングによる捕捉も有能で、動いている被写体にピントを合わせ続けてくれます。
動いてもピントをキープする高い追従性のオートフォーカス
設定したAFポイントを追従してくれる3Dトラッキングによって、被写体が歩いていてもピントを外しません。モデルさんに大きく動いてもらっても問題なし。フレーミングの自由度が大きく向上しています。
モデルさんと一緒に歩きながら撮影しました。
被写体検出はZ9と同じ9種類を搭載しています
人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機の9種類の被写体を検出。自動で捕捉し追尾します。列車の模型もしっかり認識しました。
被写体検出が9種類あり、精度が高いのが魅力。ビギナーにも最適な機能。
【画質】フルサイズらしい豊かな階調はさすが! モノクロに新色が追加
やわらかで豊かな階調
明部から暗部までしっかりと表現する豊かな階調は見事。キヤノン「EOS R6 Mark II」がパキッとシャープなのに対し、レンズキットの40mm f/2を装備したニコン「Zf」は、解像感がありながらふんわりやわらかな印象です。
▼キヤノン「EOS R6 Mark II」
パキッとしたシャープな印象です。
▼ニコン「Zf」
自然な発色とふんわりやわらかな描写です。
モノクロもいい感じです
新たに追加された「ディープトーンモノクローム」で撮影。重厚感があり、暗部の質感がとてもいいです。モノクロのいいところは抽象的表現がしやすく、ストーリーを感じさせられることです。
「フラットモノクローム」での撮影は、全体のトーンがやわらかいのが特徴です。やさしく明るい印象になるのでポートレートにも合います。
ボディ内手ブレ補正だからどんなレンズもブレにくい
照明の少ない室内で撮影。1/8秒のシャッター速度ですが、手ブレせずシャープに写りました。明るさの足りない場所でも安心です。
強力な手ブレ補正は夜景でも活躍してくれます。
ニコン「Zf」の検証まとめ
以上、ニコン「Zf」の検証でした。
テストして印象に残ったのは、シャッターのフィーリングとファインダー(EVF)ののぞき心地のよさです。シャッターボタンはZ9と同様の機構で繊細な押し心地。そして上品でありながら小気味いいメカシャッターの音が撮る気分を高揚させます。
約369万ドットのEVFの映像はとてもキレイでピント位置がつかみやすく感じました。こうした基本性能がしっかりしていながら、趣味性の高いレトロなデザインは男女問わずヒット間違いなしです。
基本性能の高さにレトロなデザイン!持っているだけで気分が上がる
ニコン
Zf 40mm f/2(SE) レンズキット
キヤノン「EOS R6 Mark II」と比べると、AFの精度やレスポンスはやや落ちるものの、スペック以外の「感情」や「心」に訴求する情緒的価値はニコン「Zf」のほうが高いと感じました。
カメラの魅力はスペックだけではなく、使い心地やデザインといった自身のスタイルに合う製品選びが本来重要です。これを見てニコン「Zf」が魅力的と感じたなら、ぜひ手に取ってみてほしい一台です。
ミドルクラスとしての性能は問題なし。デザインが好みなら迷わず買いのカメラです。
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フィルムカメラをいまだに使用している自分としては、この性能でこのデザインはそそられます。