書評
『芦別 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史』(寿郎社)
原生林に囲まれた農業と林業の村に炭鉱ができる。たくさんの人が移り住み、マチは栄える。だがそれは束の間。石炭の時代が終わり、炭鉱は閉山。人びとはマチから去って行く。わずか100年の間に起きた急激な膨張と収縮。北海道芦別市の歴史を気鋭の研究者たちがさまざまな視点で描いた大判の本。
口絵の写真100枚に目を奪われる。にぎわう商店街、お祭り、鼓笛隊のパレード、ラジオ体操、炭鉱労組の集会、小学校の閉校式、ローカル線廃止反対集会……。
人はどんな思いで芦別に来たのか、炭鉱のマチはどんな暮らしだったのか、一つひとつの論文やデータ、図表からリアルに伝わってくる。戦時中は朝鮮半島や中国から強引に連れてこられた人もいたし、戦後は樺太から引き揚げてきた人もいた。坑内は過酷な労働環境で、落盤やガス爆発などもあった。
炭鉱だけでなく、学校や子供たち、女性たち、そして炭鉱とは直接関係のない仕事に就いていた人たちの暮らしにも目を向けている。まるで群像劇を見るような気持ちになる。もちろん芦別の歴史と人びとの暮らしはこれからも続く。
口絵の写真100枚に目を奪われる。にぎわう商店街、お祭り、鼓笛隊のパレード、ラジオ体操、炭鉱労組の集会、小学校の閉校式、ローカル線廃止反対集会……。
人はどんな思いで芦別に来たのか、炭鉱のマチはどんな暮らしだったのか、一つひとつの論文やデータ、図表からリアルに伝わってくる。戦時中は朝鮮半島や中国から強引に連れてこられた人もいたし、戦後は樺太から引き揚げてきた人もいた。坑内は過酷な労働環境で、落盤やガス爆発などもあった。
炭鉱だけでなく、学校や子供たち、女性たち、そして炭鉱とは直接関係のない仕事に就いていた人たちの暮らしにも目を向けている。まるで群像劇を見るような気持ちになる。もちろん芦別の歴史と人びとの暮らしはこれからも続く。