リクエストはtwitterでありましたんで、

派遣労働なくすのがグローバルスタンダード

に反論してみよう。
ていうか、俺はそもそも派遣って労働形態はキライなんですよ。ライブドア社長時代、部下が派遣を雇いたいと何度もリクエストしてくるのを頑なに拒んでいましたから。ただ、受付の女の子は派遣をしぶしぶ受け入れましたが、数人はその後正社員採用しました。いわゆるお試し採用ってやつなんですかね。あとは買収先の子会社が以前からやっていた派遣など。そこまでは目が行き届かなくなりつつありましたが。

派遣雇うくらいなら、我慢して今のキャパでやろうよという考え方ですね。派遣って意外に高くつくんですよ。派遣会社の採用コストや営業コスト、利益分が乗せられるからプロパーで直接採用したほうが私達の場合は安く付いていました。なんせ、新卒採用もしていなかったし(新卒採用も意味が分からないのでキライ)、リクルートなどの採用関連会社にお金を払うのがイヤだったから、学生課にバイトの張り紙だしてそのまま採用とか、ウェブサイトの募集広告みてみたいな導線。

とりあえず、ごちゃごちゃ言っているやつは、映画「カイジ」でも見て欲しいね。俺は先日試写会で見せてもらったけどまさに、ゴチャゴチャ言ってる奴らが一杯出てくる。国がいつかは面倒みてくれるなんて思ってても、余裕があるうちは面倒みてくれるが、余裕無くなったら真っ先に切り捨てられるよ。だから、自分で道を切り開くしかないね。

映画「カイジ 人生逆転ゲーム」公式サイト

2時間あっという間だった。これは何気に面白い。この原作の漫画、絵が苦手だったけど読んでみようかなって思ったよ。



さて、本題に入ろう。
キャノンはどうかわからんが、派遣業者が存在する理由の一つは働く側にも問題があるはずだ。
名前が売れていない中小企業やら大手の下請け企業にすすんで就職したいという人は少ないだろう。だから、派遣会社に大金払って採用してんだ。自由に解雇できるから大金はらってんだよ。私が創業した会社もそうだったが、名が売れていない時期の採用は大変だった。でも派遣とか安易に雇いたくないからやせ我慢してたけどな。リクルートとかに大金払って採用フェアに出展しても誰も採用できないなんてことはザラだからな。だから、もう採用しないんじゃないかな。

地方に工場作るのも人件費が安くて済むからだ。ライブドアのグループでも地方にコールセンター作っていた。安い労働力を確保できるからだ。それが全国一律で時給1000円とかになったら、もう作らないでしょ。東京でやるのが一番だよ。

よくわからんのが、手取りが10万切ったらだめなのか?という話。住居光熱費負担で手取り10万弱なら大分の物価考えれば十分じゃねーのか?それが不満なら辞めればいい話だろう。俺のバイト時代初期よりも待遇いいよ。これがずーっと続くのがイヤだって?結婚して子供つくりたい?家買いたい?車買いたい?無理無理。だったら、リスクとって一か八かの勝負に出るしかない。

恐らく製造業の単純なライン労働の単価ががれば、企業は自動化を押し進めるはずだ。今は自動化するよりも派遣労働者を雇ったほうがコストが安いからそうしている部分も大きいはず。コストが合わなくなれば撤退し、工場ごと無くなってしまう。あるいは自動化が格段にすすむ。

蟹工船の時代とは違い、技術は革新している。人間を雇うより機械を雇うということが可能になる。するとどうだ?労働者は切り捨てられる運命だ。だから先を見越して採用はますます厳しくなるのではないか?
労働には適正な対価がある。企業が儲かった内部留保を労働者に分配しろというのは、それこそマルクス・エンゲルスの時代の論理であり、産業機械のコストやグローバル化による発展途上国の人件費との競争になっていることを理解しないといけない。リスクもとらずたまたま儲かっている会社にいるから給料一杯くれってのはどこかの高給を食んでいるテレビ局員のようだ。自分の手金をリスクをとって供給した株主配当に回されるのは当然の理だろう。

労働者の賃金引上げ正社員化をすれば、確かに内需は拡大するかもしれないが、そんなの民間企業にとっては関係ない話だ。市場は世界にある。内需を拡大する政策の原資を民間企業に求めるのは筋違いだ。求められたら、オフショア移転か自動化促進だ。だから、私は給付金つき所得税控除でもいいし、ベーシックインカムでもいいし、仕事無くても金あげればよいと思ってる。ただし原資は消費税と社会保障費、そして公共事業の削減分、公務員の削減分だ。

この記事に今日話したことの縮図がある。

「タクシー法」施行は誰のためか

タクシー運転手はグローバルに見ればロンドンなどの一部の例外を除き、非常に付加価値の低い職業であることは間違いない。車の運転免許試験に落ちる人は稀だろう。つまり車の運転は基本的に誰でも出来る。カーナビがあれば地図も暗記しなくていい。言葉も限られたものしか必要ない。だから、アメリカでは移民が最初にやる仕事と言われている。

私は以前NHKの「日本のこれから」という番組に出演しテーマは「格差社会」だったように記憶している。その時に仙台市のタクシー運転手が出演していた。子供がたしか3人くらいいて奥さんは専業主婦だったように記憶している。小泉改革でタクシー業の規制緩和がなされ仙台にタクシーが溢れ、生活が物凄く苦しいということだった。民主党の子供手当てはこういう人たちにとって恩恵が物凄くあるのだが、それはおいといて。

彼らが幸せに暮らせる社会とは何か。世界を見回してみるとどうなっているかといえば、タクシー運転手などいわゆる付加価値の低い商売に属する人たち、移民の人たちなどの生活の場は、もっと収入の高い人たちの生活空間と基本的に違いがある。衣食住ともに全く違うライフスタイルを送っているのだ。しかし、日本は総中流社会を目指していた?ためライフスタイルは皆同じだ。というか同じでなければいけないという空気で覆いつくされている。

これでは歪がでるのは当たり前だ。子供を3人つくるなら、悪いことは言わないがタクシー運転手で奥さん専業主婦だと先行きは暗い。もっと稼げる付加価値が高い商売に就業しないといけない。それを自己認識することが大切だ。

グローバル的にみて能力の低い人に高い賃金を与えていたら国際競争に負けてしまう。ある程度は保護するにしても、低賃金労働はやはり移民に担ってもらうのが一番都合が良い。自国の給与水準に比べたらべらぼうに高いから単純労働でもきつくても働くモチベーションが沸く。日本人の若者はきつい単純労働にモチベーションが沸くわけない。時給が多少上がろうが、正社員登用しようが大してかわらないだろう。

でも数十年のうちにそういう発展途上国との賃金格差も小さくなる。すると自動化がすすむ。どちらにしても仕事は減っていく。やっぱり所得がない人にはある一定の生活保障的給付がないと厳しいという結論に達するわけだ。