まとめ 公共事業がうまくいくかはどれだけ直接に雇用を創出できるか、どれだけ価値のあるものを産出できるかが大きい。GDPが増えたというだけでは公共事業が社会厚生を改善したとは言えない。質の良い事業先を見つけるには産業政策と同じ難しさがあり、また有望な事業の数は限られる。この点が選択肢の限られた金融政策と異なり公共事業が評価も実行も難しい一因。直接的な雇用の新規創出ができない時には公共事業のマクロ経済的な効果は所得効果に大きく依存する。たとえば公共事業の規模・件数が増えなくても公共事業に関わる人の所得が増えればマクロ経済的に良しと見るあるいは公共事業の価格低下を問題視する場合などは所得効果が働くことを暗黙裡に想定している。しかし過去の給付金政策の結果からすると所得効果はかなり小さい。日本や海外でともにゼロ金利となっている現時点ではマンデル・フレミング効果はあまり関係がない。ゼロ金利を抜けても財
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