アニメや漫画、ドラマの舞台を旅する「聖地巡礼」。今や地方創生の一つとして定着している。ただ、実際にコンテンツの舞台として誘致することは現実的ではなく、地方自治体側としては、運良く自分たちの住んでいる場所が作品の舞台となるのを待つしかない実情もある。 そんな中、自ら元となるコンテンツを制作し、アニメ化となる原案を作る――そんな地方創生戦略のもとに動いていた作品がある。漫画『やくならマグカップも』(以下、『やくも』)だ。 『やくも』は陶芸に打ち込む女子高生を描いた作品で、「美濃焼」で知られる岐阜県多治見市を舞台にしている。2010年に同市で始まったプロジェクトで、フリーペーパーで漫画を連載しているほか、インターネット上でも無料公開した。さらに4月2日にテレビアニメも放送され、多治見市でも多様なコラボイベントの展開を予定している。まさに、『やくも』は地域住民がコンテンツを制作し、見事アニメ化を成