日本経団連の米倉弘昌会長は11日記者会見し、福島第1原発の事故を受けて東京電力の国有化が取り沙汰されていることについて「(国有化は)必要ない」との見解を示した。巨額の補償負担を背景にした国有化論議の浮上をきっかけに東電の株価が急落し、同社に関連する企業や投資家に影響が及んだことを指摘した上で「日本の経済・産業が駄目になる」と強調した。 米倉会長は、国有化が必要ないとする根拠として「原子力損害賠償法では、大規模な天災の際は国が補償することになっている。今回の場合は、国が全面的に支援しなければならない」と述べた。さらに「国の支援があって初めて、原子力産業の発展と被災者救済がバランスよく保たれる」と語った。 【関連記事】 【特集】放射性物質、農作物や水への影響は? 原子力エネルギー政策は不変=福島の教訓生かす 仏原子力大手、追加支援を表明=アレバCEOと海江田経産相が会談 東電、5