2006/6/20 国立情報学研究所(NII)の量子情報科学グループと英ヒューレット・パッカード研究所、米スタンフォード大学は6月19日、従来の方法と比べて伝送速度が約1000倍になる量子中継を使った量子暗号方式の理論を共同で確立したと発表した。NIIは新理論の実現によって、量子状態そのものを送ることができる「量子テレポーテーション」が可能になり、傍受が不可能な暗号通信に利用できるとしている。 光ファイバを使った量子暗号システムの最大回線長は50~150キロ程度とされ、これ以上の量子暗号方式を光ファイバで実現するには量子中継と呼ばれる技術を活用する必要がある。量子中継とは、2つの量子を同じ活動状態に置く“量子もつれ状態”を長距離間に生成する技術。量子中継を複数つなげることで、これまで難しかった長距離間の量子暗号システムを可能にする。新理論を確立したNIIの助教授 根本香絵氏らは、1280キ