北条鉄道の法華口駅(兵庫県加西市東笠原町)で昨年整備された車両の行き違い設備が、全日本建設技術協会の2020年度全建賞に輝いた。駅員不在の無人駅で、運転士がICカードを利用することで運転指令とつながり、単線を走行する車両同士の行き違いを可能にした。従来よりも低コストのシステムで、各地のローカル線から注目を集めているという。(小日向務) システムは「票券指令閉そく式」。法華口駅を境に北条鉄道全線を2区間に分け、それぞれの区間で運行できるのは1本のみとしている。運転士は同駅に到着後、ICカードで区間を通行する権利を請求し、北条町駅の運転指令員が許可する仕組みで運行する。昨年9月から使用を始めている。 北条鉄道は以前は単線で行き違いができず、1時間に1往復程度しかできなかった。同設備を整備することで、朝などの通勤、通学時間帯に増便し、利用者増を図っている。 ただ、従来の手法で行き違い設備を整備し
