毎年のように無辜の人々を襲う強大な怪物に、危険を顧みず立ち向かう想像を絶する研究が日本で進んでいる。同時に、怪物を狂暴化する要因を消す研究も進む―人類を滅亡から守るために。 「相変わらず頭がおかしい」 「先日、船の設計に関するオランダの国際学会に参加して発表したところ、世界トップクラスの研究者から、『あなたたちは相変わらず頭がおかしい。でも、めちゃくちゃ面白い研究だ』と言われました。 私たちはいま、誰も考えたことのないミッションにチャレンジしていますが、台風の脅威を恵みに変える研究はとてもやりがいがあります。そして思いのほか、研究は進んでいます」 横浜国立大学内にある台風科学技術研究センターの発電開発ラボでラボ長を務めている、准教授の満行泰河氏が楽しそうに語る。 満行氏が取り組んでいるプロジェクトの名前は、「タイフーンショット計画」。日本に接近する台風の勢力を弱めたり、そのエネルギーを資源