Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

タグ

ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (10)

  • 日本国際賞受賞記念講演を聴いてきました : 有機化学美術館・分館

    12月3 日国際賞受賞記念講演を聴いてきました さて先日書きました通り、11月30日、同志社大学にて行われました佐川眞人博士の日国際賞受賞記念講演会に行って参りました。受賞対象になった、世界最強の磁力を誇るネオジム磁石の開発についてわかりやすく解説がなされ、聴衆もみな身を乗り出すようにして聞き入っていたのが印象的でした。 佐川眞人博士(日国際賞ウェブサイトより) 磁石になる元素としては、3d電子を持つ鉄・コバルト・ニッケルが身近なものです。しかし1960年代から、4f電子を持った希土類元素を加えることで強力な磁石を創る研究がなされ、サマリウム-コバルト(Sm-Co)磁石などが開発されました(ちなみにこのSm-Co磁石を開発したのは、歌人の俵万智さんの父上である好夫氏だそうで、有名な歌集「サラダ記念日」には、これを詠んだ短歌が収められているということです)。世界の磁石の研究者が夢中にな

    日本国際賞受賞記念講演を聴いてきました : 有機化学美術館・分館
    Itisango
    Itisango 2012/12/03
    日本国際賞受賞記念講演を聴いてきました
  • 美しき毒タンパク質・ヘモリシン : 有機化学美術館・分館

    8月10 美しき毒タンパク質・ヘモリシン 日は短めに。ヘモリシンというタンパク質を紹介しましょう。7つの同じユニットが環を作った美しい構造ですが、実は黄色ブドウ球菌などの病原菌が作る恐ろしい毒性タンパク質です。 ヘモリシン。上から見たところ、横から見たところ。虹色の色分けは筆者の趣味による。 ヘモリシンは赤血球の細胞膜に突き刺さり、穴を開けてしまうことによって、赤血球を破壊します(溶血)。見事な構造は、そのまま恐ろしい病原性につながっています。毎度のことながら、いったいどうやってこんな構造ができあがるものか、生物とは、タンパク質とは何と奥が深いのかと思わされます。 カテゴリなしの他の記事

    美しき毒タンパク質・ヘモリシン : 有機化学美術館・分館
    Itisango
    Itisango 2012/08/11
  • 国際化学オリンピック : 有機化学美術館・分館

    8月4 国際化学オリンピック さてオリンピックは連日熱戦が続いておりますが、この月21日から30日まで「国際化学オリンピック」というものが開かれていたことをご存知でしょうか。「国際化学オリンピックは、20歳以下の高校生を対象に化学分野において最も才能のある学生を選ぶ世界大会」だそうで、今年は第44回になるそうです。試験は筆記・実験の両方があるので、単に知識だけではダメで、いわば研究者の卵としての総合力が問われることになります。世界各国持ち回りで行われていますが、今年はアメリカ・ワシントンD. C.での開催でした。 成績優秀者にはメダルが授与されます。物のオリンピックと違い、成績上位10%に金メダル。その次の20%に銀メダル、その次の30%に銅メダルが与えられるとのことです。日勢は2003年に初の銅メダルを獲得しましたが、その後徐々に成績を上げ、今年は日本代表4名のうち、2人が金メダル、

    国際化学オリンピック : 有機化学美術館・分館
    Itisango
    Itisango 2012/08/04
    国際化学オリンピック
  • 自然界に存在した単体フッ素 : 有機化学美術館・分館

    7月26 自然界に存在した単体フッ素 今回は「有機化学」の範疇から外れますが、大きな話題になっている論文がありますのでご紹介しましょう。タイトルにある通り、単体のフッ素ガス(F2)が、天然から見つかったというものです。何だかエイプリルフールのような話ですが当のことで、最も権威ある化学論文誌Angewandte Chemie誌の最重要論文(VIP, Very Important Paper)に選ばれ、7月27日号の表紙を飾る栄誉に浴しています。 Angew. Chem. 誌の表紙を飾った天然フッ素 フッ素という元素については、館でも3回にわたって取り上げています(こちら)。そちらでも書いた通り、単体のフッ素というのは全元素中最も反応性が高く、その単離には多くの犠牲を伴いました。 このためフッ素(F2)の単離(鉱石や生体などから純粋な物質を取り出すこと)は大変に難航し、これに挑んだ化学者は

    自然界に存在した単体フッ素 : 有機化学美術館・分館
  • 瞬間接着剤とは何なのか : 有機化学美術館・分館

    3月24 瞬間接着剤とは何なのか 職場ブログにて、天然物化学研究室の成果を紹介しております。分子量2076の怪物・ブレビスルセナールFの構造決定のお話です。ぜひご覧のほどを。 さて題。最近はテレビCMもややこしいものが多く、商品の性能を真っ向から訴える正統派のCMはあまり見なくなった気もします。そんな中、アロンアルファのCMは毎度のことながら「当か!?」と驚かされるものばかりで、とても印象的です。 この異常ともいえる接着力の秘密は何なのか。実はこれは偶然に発見されたものなのだそうです。1951年、イーストマン・コダック社の研究者が、初めて2-シアノアクリル酸メチルという化合物の合成に成功しました。で、彼らがこの化合物の屈折率を測ろうとして、屈折計のプリズムにこの化合物を塗ったところ、これが剥がれなくなってしまったというのが発見のきっかけなのだそうです。 2-シアノアクリル酸メチル この

    瞬間接着剤とは何なのか : 有機化学美術館・分館
  • 「創薬科学入門」が教科書に採用 : 有機化学美術館・分館

    2月22 「創薬科学入門」が教科書に採用 おかげさまでご好評をいただいている「創薬科学入門—薬はどのようにつくられる?」ですが、このたび星薬科大学にて教科書に採用いただくとの連絡が参りました。星薬科大といえば、かの星新一氏の父君・星一氏が興した、100年近い歴史を持つ名門薬科大学です。そちらで認めていただいたことは非常に光栄なことで、うれしく思っております。 「うちの学校でも興味があるので、教科書に採用するかどうか読んでみたい」という方がもしおられたら、を一冊送付させていただきます。版元オーム社内のこちらのサイトで受け付けておりますので、必要事項を書き込んで申し込みいただければ幸いです。 その他、創薬の実際の現場のお話など、呼んでいただければ喜んでいたしますので、気軽にご連絡下さい。まあ4月で任期が切れて時間ができますので、その後であれば柔軟可能です。 ということで今回は宣伝ばかりでした

    「創薬科学入門」が教科書に採用 : 有機化学美術館・分館
  • アミノ酸の名前の由来(1) : 有機化学美術館・分館

    12月12 アミノ酸の名前の由来(1) アミノ酸の名前というのは、化学の授業で丸暗記せねばならないものの一つです。まあこの丸暗記というのは苦痛なものでありまして、化学嫌いを作るひとつの要因であろうと思います。そこで、語源を知ってみれば少しは記憶の助けになるのではないか――ということで、今回はアミノ酸の語源などを(更新のネタに詰まった時は、語源の話題は便利だということもあります)。 最も小さなアミノ酸であるグリシン(glycine、略称GlyまたはG)。これは最近安眠作用があるなどとしてサプリメントとして売られていますが、これを舐めてみた方ならご存知の通り甘い味がします。ということでこの名前は、ギリシャ語で「甘い」という意味の「glykys」から来ています。グリコール、グリセリン、グリコーゲン、グルコース、グリコシドなど糖関連の用語と同じ語源であり、中国語でも「甘氨酸」だそうです。 グリシン

    アミノ酸の名前の由来(1) : 有機化学美術館・分館
  • ワサビにイグノーベル賞 : 有機化学美術館・分館

    10月1 ワサビにイグノーベル賞 さて先日ノーベル賞の話題を書いたばかりですが、昨日一足先に日人のイグノーベル賞受賞が決定しました。ご存知の通りこの賞はノーベル賞のパロディで、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して授与されます。パロディといっても、授賞式はハーバード大学で行われ、物のノーベル賞受賞者が会場の掃除係を務めるなど、よくわからないところに力が入った格的なパロディであるところがミソでしょう。 今回の受賞者は、滋賀医科大の今井真講師ほか計7名。受賞の理由は、「ワサビの匂いを使って、聴覚障害者にもわかる火災警報装置を開発した」功績によるものです。当然ながら耳が聞こえない人にとっては非常に重要な発明で、ユーモアもありつつ人に何かを考えさせるという意味で、イグノーベル賞の主旨にぴったりな研究といえます。それにしてもこんな研究を、審査委員会はいったいどこから探し出してくる

    ワサビにイグノーベル賞 : 有機化学美術館・分館
    Itisango
    Itisango 2011/10/01
    ワサビにイグノーベル賞
  • 41年前、日本でグラフェンができていた? : 有機化学美術館・分館

    9月17 41年前、日でグラフェンができていた? サイトでも何度も取り上げている、フラーレンの発見は1985年のことです。ここからは様々な新しい化学が生まれており、1996年にはこの功績で、発見者のCurl・Kroto・Smalleyらがノーベル賞を受賞しています。 C60 フラーレン このフラーレンは発見の15年前、日人によってその存在が予測されていました。豊橋技術科学大の大澤映二教授(当時)がその人で、1970年に理論計算によってC60が安定に存在しうることを示していたのです。ただしこれは日の雑誌に発表されただけでしたので海外の注目を浴びず、フラーレンの発見までほとんど知られることはありませんでした(以前、館で紹介しました)。 ところがこれと似た話で、知られざる日人の先駆者がいたというお話を最近聞きましたので、ご紹介しましょう。 フラーレンの発見後、様々な炭素素材、いわゆる

    41年前、日本でグラフェンができていた? : 有機化学美術館・分館
  • 中国語の化合物名(2) : 有機化学美術館・分館

    7月23 中国語の化合物名(2) さて化学&漢字フェチたる筆者にとって大変萌える企画、中国化学用語講座パート2。見慣れない漢字続出でだいぶヒートアップしています。パート1の元素名とかよりさらにマニア度が上がってますが、気にしない方向でひとつ。 芳香族にはひとつひとつ漢字が当てられているという話をしましたが、こんなものにもあるのですね。トロピリウムとかアセナフテンとか、めったに見かけない環にもしっかり字が決められてます。個人的に驚いたのはシクロペンタジエニルアニオンの「茂」。なんかよく見る字なんですけど。てことでフェロセンは「二茂鉄」なんだそうです。次回からフェロセンを見かけたら「しげる」と呼んであげましょう。 ではヘテロ環はどうか。こちらは部首が変わって口へんが当てられ、主要ヘテロ環には漢字2文字が振られています。基的に音訳ですが、「唑」の字はアゾールを意味しているようです。オキサゾール

    中国語の化合物名(2) : 有機化学美術館・分館
    Itisango
    Itisango 2011/07/24
    中国語の化合物名(2)
  • 1