文=田中 栄、馬渡 晃 食材高騰の原因は食料自給率39%にあった ここ数十年間、一貫して下がり続けてきた日本の食料自給率は、2006年度には台風などの天候不順もあり、ついに39%にまで低下した。これは先進国中、最も低い水準である。 下のグラフを見てほしい。米国やフランスなどの農業大国は、自給率は100%以上。自国でまかなう以上の農産物を作り、それをさかんに輸出している。ドイツは、100%を切っているが、それでも自給率は上昇している。かつては日本より自給率が低かった英国ですら、1970年代に日本を逆転し、現在は7割程度を維持している。日本の39%という数字がいかに特別なものであるか、これで分かるだろう。 日本の食生活は、まさしく輸入に依存しているのである。 背景にあるのは「食の欧米化」だ。 ここ数十年で日本人の食生活は劇的に変化した。たとえば国民一人当たりのコメの年間消費量は19