マジックのタネを明かされることで、むしろそのマジシャンの技術の高さに驚かされることがある。2004年に発表されたジェフ・ミルズのDVD+CD作品『Exhibitionist』が人々に与えたのは、まさにそうした種類のショックだった。テクノミュージックはいかにして生み出されているのか。そんなシンプルな問いに対し、同作で彼は、複数台のカメラの前に立ち、自らのプレイを惜しげもなく晒してみせた。自身がパイオニアの一人として牽引してきたテクノシーンの中でも、圧倒的にオリジナルな彼の音楽哲学と卓越した技を記録したその映像は、いまや伝説と呼ばれている。 それから11年。同作のコンセプトを引き継いだ第2弾『Exhibitionist 2』が発表された。本作で目指したのは、「アートフォーム」としてのテクノの可能性の拡大であるという。長い時間を経ての発表の背景には、テクノシーンの現在と未来に対する、ミルズのどの
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