東北大学とNECは13日、電源をオフにしても回路上にデータが残る新しい仕組みを使い、システムLSIの待機電力をゼロにする世界初の技術を開発したと発表した。LSIはデジタルカメラの画像処理や携帯電話の通信機能などに使われており、これらの消費電力を抑えることが可能になる。2015年度の実用化を目指す。 新たに開発したのは、電子に備わる電荷と微細な磁石の二つの性質を利用した「スピントロニクス」と呼ばれる技術。LSIの一部であるデータ検索用の電子回路(連想メモリープロセッサ)に使うことで、従来と基本構成が異なるLSIを作ることができる。新技術を基にしたLSIも試作した。 新技術ではデータの保存に、電源を切っても特性を維持する磁性を利用するため、待機電力をカットできる。また、回路面積が小さくなり、処理速度も高速化するという。 電源を切っても情報が残る代表的な半導体であるフラッシュメモリーは、電