組織の将来を左右する採用を誰に任せるか。 財務省は、人事を担う大臣官房秘書課の「調整室長(企画官)―課長補佐」の裁量に委ねてきた。仕事の魅力を説き、優秀な人材を確保する。採用戦線の先頭に立つ40歳前後の中堅職員にとって腕の見せ所だ。 「一緒にやらないか」 2007年入省組は、採用パンフレットに載ったタイトルに心をつかまれた。執筆者は、秘書課企画官だった神田真人主計局次長(1987年入省)。国際金融の専門書を著すなど、理論派として知られる。 「財務省の使命は減じたか」「私の経験からは逆だ」 神田は、志望者の質問に答える形で文章を進め、「君と議論できる日を待っている」と締めくくった。今も07年組は職場を超え、神田と議論する機会が多い。彼らは省内で「神田チルドレン」と呼ばれる。 年ごとに個性も表れる。82年入省組は、当時の渡辺美智雄蔵相の指示で「異色の人材」に重きが置かれた。自民党の片山さつき参