ビルドゥングスロマンというのがあります。 いわゆる教養小説、わかりやすく言えば、「主人公が成熟していく過程を書く物語」ということです。 ヘルマンヘッセの作品なんかそうかもしれないし、「機動戦士ガンダム」もそうかもしれない。 「新世紀エヴァンゲリオン」はビルドゥングスロマンを奇形的に書いた作品だと言っていいでしょう。 「エヴァンゲリオン」はビルドゥングスロマン的な体裁を取りつつ、主人公が反復的に挫折し続ける変な構造だけど、やはり根底にあるのはビルドゥングスロマンです。 ビルドゥングスロマンってフィクションの最たるモノだと思うんですよね。 作り話ならではということです。 実際に世渡りの上手いタイプのヤツを見ると、「未熟な人間が経験を積んで成熟した」とは思えないんですよ。 器用なヤツは小学生の頃から要領がいいんです。 未熟でナイーブな子供が経験を通して成熟した大人になるという人間観はかなり間違い