東日本大震災の被害を受けたローカル線で、JR東日本が、線路の一部を専用道として走る「バス高速輸送システム(BRT)」での仮復旧に取り組んでいる。もともと利用者が先細りだった路線を復旧しても採算はとりにくく、コストの低いBRTをその代替とする考えは全国の不採算路線にも当てはまる。だが、被災地では鉄道の復旧を望む声も根強く、試行錯誤が続いている。(藤沢志穂子) ★ ☆ ★ 「運賃100円多く払い過ぎちゃったわ」「駅で返しますよ」。JR気仙沼線のBRT車内では、年配の女性と運転手がのんびりした会話を交わしていた。朝夕は通学の高校生たちでにぎわい、日中は住民が通院や買い物に利用している。 JR東日本のBRTは気仙沼を拠点に一昨年から段階的に運行を開始。柳津までの気仙沼線55・3キロ、盛までの大船渡線43・7キロが走る。仮設住宅や病院の近くに新駅を設け、新型ハイブリッド車両を導入、便数を鉄道の