資源のない小さな島国を世界有数の貿易と金融の拠点に育て上げたリー・クアンユー氏が死去した。 エリート華僑の家庭に生まれ、英国式教育を受けた後、労働組合を味方につけ政治家としての頭角を現した。 権威的資本主義のパイオニアとして「シンガポールの奇跡」を実現したが、政敵排除など非情さも見せた。 今日のシンガポールの「建国の父」であり、立役者であったリー・クアンユー氏が3月23日に91歳で亡くなった。 戦後アジアで最も尊敬され、また批判もされた政治家の一人であり、アジアにおける残り少ない存命中の独立運動指導者の一人であった。 リー氏の最大の功績は、腐敗した非効率的な政治が長年、蔓延していた東南アジアという地域に、優れた統治という概念を広めたことである。 在任中、平均所得を100倍に 30年以上にわたりシンガポール首相を務める間に、リー氏はこの小さな島国を世界でもまれにみる経済的サクセスストーリーに