大会開催まで約2年と迫った2018年6月。東京・虎ノ門の東京五輪・パラリンピック大会組織委員会本部(当時)で開かれた理事会で、普段は目立った発言をしない高橋治之(78)(受託収賄容疑で逮捕)の怒声が響いた。 きっかけは、ある理事の質問だった。「なぜこんなに手数料を支払うのか」。17年度決算の概要説明があったこの日、配布資料には、約660億円のマーケティング収益に対し、約260億円の手数料が支払われていたことが示されていた。
大会開催まで約2年と迫った2018年6月。東京・虎ノ門の東京五輪・パラリンピック大会組織委員会本部(当時)で開かれた理事会で、普段は目立った発言をしない高橋治之(78)(受託収賄容疑で逮捕)の怒声が響いた。 きっかけは、ある理事の質問だった。「なぜこんなに手数料を支払うのか」。17年度決算の概要説明があったこの日、配布資料には、約660億円のマーケティング収益に対し、約260億円の手数料が支払われていたことが示されていた。
東京オリンピックの開幕から、23日で1年になるのに合わせて、NHKが大会に参加した競技団体にアンケートしたところ大会後の競技人口が「変わらない」という回答が50%を超え、「減少した」と合わせて70%以上が成果を感じていないことが分かりました。 背景には新型コロナの影響や大会が無観客になったことがあると見られ、スポーツ界は自国開催のオリンピックのあと、大きな課題に直面しています。 東京オリンピックの開幕から1年になるのに合わせて、NHKは大会で実施された33競技の35団体を対象にアンケート調査を行い、34の団体から回答を得ました。 この中で、施設整備の状況について尋ねたところ、「改善した」が44%に上り、「変わらない」が56%、「悪化した」という回答はありませんでした。 東京オリンピックをきっかけに人気が出たスケートボードのパークが全国で作られるなど、大会によってさまざまな競技でハード面の整
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東京五輪の人気を見込んでIOCに巨額の放映権料を支払っている米NBCだが、視聴者数がリオやロンドン大会に比べて激減。アメリカでは五輪への関心が低いことに加え、アスリートの感動物語を押しつけようとする姿勢にも問題があると米紙が報じている。 過去33年間の開会式で最低 東京五輪が開幕する前、NBCの幹部らは記者会見を開き、いつもとは違う今回の大会にどう臨んでいくかについて語った。 「この五輪は私たちの人生のなかで最も意味のある大会になると信じています」と、五輪番組の制作総責任者を務めるモリー・ソロモンは断言した。「世界が苦難を経てきたいま、人々はきっと共通の経験を求めていると思います。アスリートたちの物語以上に、私たちが一体になれるものなど他にあるでしょうか?」 そのメッセージは希望であり、同時に東京五輪をパンデミック終息の象徴にしたいというNBCの願いでもあった。ついに日常を取り戻した人類の
この50年、オリンピックは見逃せない人気テレビ番組として仕立てあげられてきた。その間、古くなった競技を残しながら、必死に若い視聴者を取り込もうとしてきた。 東京五輪では新種目としてスケートボード、サーフィン、スポーツクライミングが加わるが、これらの種目で金メダルが授与される日が、それぞれ射撃、フェンシング、近代五種と重なる工夫もされている。 もっとも五輪廃止論に賛同する人は少数派だ。オリンピックはいまも多くのスポーツの頂点だからだ。 オリンピックにすべてをかけるアスリートもいる。アスリートにとって、それは一生の仕事であり、キャリアの頂点となりうる。倫理的な理由で五輪の出場を辞退するアスリートは少数だ。一人もいないといってもいいかもしれない。 東京五輪でも期待どおりの興奮があるのは間違いない。だが、パンデミックのために無観客開催となったので、東京五輪は二次元の劇場を世界に発信するイベントとな
2年ほど前のある真夜中のことだ。観光名所として知られる浅草寺という都内最古の仏寺の近くに工事作業員が集まっていた。通りはがらんとしていて、辺りは蒸し暑く、作業員たちは雨が降らないことを願っていた。ガタガタと音を鳴らしながら機械が動きはじめた。 ほとんど誰も気づきもしない些事ではあった。だが、そこに示されていたのは世界最大のスポーツの祭典のために、ときとして不毛で茶番でしかないことが繰り広げられる実例に他ならなかった。 日本の7~8月の熱中症による死亡者数は2018年も2019年も1000人を超え、東京で開かれた五輪のテスト大会でも体調を崩すアスリートが続出し、競技のコース距離の変更が迫られる事態も生じていた。五輪本番を見据えた思い切った対策が必要だった。 その対策の一つが冒頭の工事だった。42.195キロのマラソンコースに太陽光を反射させる光沢のある塗装を施し、熱を跳ね返そうというわけだ。
「オリパラ事務局の大物が、利害関係者から“過剰な優遇”を受けている」 政界関係者から情報が寄せられたのは7月初旬。オリンピックの開会式が迫るなか、小山田圭吾氏や小林賢太郎氏らが相次いで辞任し、混迷を極める最中のことだった。(全2回の1回め/後編を読む) 内閣官房参与、平田竹男氏61歳 開催反対の声が鳴りやまぬなか、強行開催に踏み切った東京五輪。その開会式から3日後の7月26日午後3時40分、1人の男が六本木通りに現れた。半袖のワイシャツに灰色のスラックス。手には何も持たず、どこかへ向かって足早に歩いている。 この男の名は、平田竹男氏(61)。2013年に安倍晋三前首相に内閣官房参与に任命され、2020年には菅義偉首相に内閣官房参与(文化・スポーツ健康・資源戦略担当)に再任された“首相のブレーン”だ。 「平田氏は大学卒業後に通商産業省(当時)に入省し、在ブラジル日本大使館一等書記官や、通商政
「夜の選手村はもはや無法地帯です。連日、深夜まで外国人選手たちは野外パーティーで大騒ぎ。いつクラスターが発生してもおかしくない状況なのに、組織委は彼らをまったく制御できていません」。こう告発するのは、ある大会関係者である。「デイリー新潮」が独自入手した動画には、警察が出動する飲酒トラブルが発生した現場で、マスクもせず、”密”に踊る外国人選手たちの姿が映っていた。 【写真】大音量のラテンミュージックが流れるなか、酒を煽りパーティーを楽しむ選手たち。密着する男女も…… *** 深夜1時に聞こえてきた「ハッピーバースデー」「パラレルワールド」。こんな表現で例えられる東京・晴海の選手村。出島のような形をした区域は厳重なセキュリティに守られ、関係者以外は一切立ち入れない。 8月2日深夜0時。選手村の様子を伺おうと、運河を挟んでおよそ100メートルの距離にある「豊海埠頭」に行ってみた。右手にはレインボ
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府分科会の尾身会長は、オリンピックの期間中にコロナ対策を全力で行うことが大会の開催を決めた政府や組織委員会の責任だと訴えました。 「政府・組織委員会はオリンピックをやると決定したわけですから、オリンピックの期間中に何とかして感染拡大、医療ひっ迫を防ぐためにすべきことは全て全力でやってもらうことが政府・組織委員会の当然の責任だと思う」(新型コロナ政府分科会・尾身茂会長) きょう国会に出席した尾身氏は、今後、感染を拡大する要素の1つにオリンピックをあげた上で、開催をめぐり“社会の中で様々な意見があった”と指摘。大会の開催を決めたからには、政府や組織委員会がコロナ対策を全力で行うことが当然の責任だと強調しました。 さらに、危機感を社会全体で共有するため、政府に対し今まで以上に明確で強いメッセージを出すよう求めました。
演出責任者の相次ぐ交代など迷走を重ねた五輪開会式。今回入手した11冊にも及ぶ台本には、その過程が詳らかに記されていた。なぜ、どのようにして、開会式は“崩壊”していったのか。小誌だけが書ける全内幕――。 そのセレモニーは、新国立競技場に1台のバイクが颯爽と走ってくるシーンから幕を開けるはずだった。大友克洋氏の漫画『AKIRA』の主人公の愛車、赤いバイクだ。会場に映し出されるカウントダウンの数字。ゼロになると、中央のドームが開き、ステージに3人の女性が姿を見せる。Perfumeだ。会場には、彼女たちをプロデュースする中田ヤスタカ氏の書き下ろし楽曲が流れている。 Perfumeの出演は幻に終わった 精魂込めて作り上げた210分間のステージが、全世界の人々を虜にし、アスリートたちの背中を押していく。演出振付家・MIKIKO氏と彼女が率いてきたチームにとって、東京五輪の開会式はそんな晴れ舞台となるに
《現場で1つの演目のストーリーと出演者を固めた後、組織委や都の有力な関係者やJOC(日本オリンピック委員会)サイドから、唐突に有名人などの出演依頼が下りてくる。部内では有力者ごとに「○○案件」とささやかれた。》(東京新聞・同) つまりエライ人達から「○○を開会式に使え」という現場介入が多かったという。すいません、やっぱり「五輪の闇」でした。政治利用の祭典でした。 小池百合子の“口利き”演出 この件に関しては「週刊文春」が4月8日号で『森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”』として既にすっぱ抜いていた。 たとえば小池百合子都知事が「火消しと木遣りを演出に入れて。絶対よ」と組織委側に要望を伝えていたという。 火消し団体の総元締めである『江戸消防記念会』はもともと自民系の団体だったが、2016年の都知事選で江戸消防会の一支部が小池を支援した。小池氏からすればこのときの「恩返し」であると。これが
⑦東京大会の立候補ファイルに「温暖でアスリートに最適」などとなぜ書いたのか、と。 あたりまえではないか。日本の気候は熱帯ではなく温帯なのだから。事情はイスタンブールもマドリードも変わりない。温帯で気温は同程度、招致を競っているときわざわざ東京のみ不利な表現を入れるわけがない。
TOKYO — The finish line of the men’s triathlon Monday morning looked something like a battlefield scene, bodies sprawled out on ground, trainers coming to the aid of overheated athletes, even a few being helped off with their arms draped over shoulders. This despite the Olympics moving the start time to 6:30 a.m. in an effort to beat the heat that, as these Tokyo Games have proven, remains undefea
以下は私が某ウェブメディアに書くつもりだった、アンチ東京五輪記事の冒頭部分である。開催前のゴタゴタを見て、この調子なら開会式の後も反五輪世論は盛り上がり続けるから記事発表はそれからでもいいかと甘い見通しを立てていた。しかし、テレビや新聞が本気を出したときのプロパガンダ能力はおそろしい。 日本の○○選手が金だか玉だかを取りました云々と、朝から晩までアホみたいに礼賛報道が続くせいで、もはやアンチ五輪記事を発表しても旗色が悪そうな気配である。 私は五輪が大嫌いだが、いっぽうでプロのライターなので、際どい原稿の扱いには慎重だ。時機を逸した内容ゆえにバズる期待値が低いのに、炎上リスクばかりが高い文章を商業媒体に寄稿して原稿料を得るのは、自分の職業倫理に反する。なので、掲載内容について自分が責任を取れるnoteに転載しておくことにした。 ──────────────────────────── ■諸君
立憲民主党は20日、丸川珠代五輪担当相に東京オリンピック(五輪)・パラリンピックで新型コロナ対策の「バブル方式」や、水際対策の不備を指摘した要望書を手渡した。 逢坂誠二氏は「政府から虚偽の説明が繰り返されてきた」とした上で大会関係者の外出が事実上、野放しの実態を挙げ、中止、順延の検討を求めたが丸川氏は「もう選手が来ちゃっている」と応じなかったという。 新規入国者は2週間待機が義務付けられているが選手や大会関係者は特例で3日間に免除されている。丸川氏は、プレーブック(大会ルールブック)が守られないようであれば、「14日間に戻す」と逢坂氏らに明言したというが、仮に適用されれば、大会目前で混乱が懸念される。
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