10年あまり続いたシリア内戦を逃れ国外にいる少数民族の人々は、暫定政権を主導するシリア解放機構が、実際に包括的な国づくりを進めるのか、慎重に見極めたいとしています。 フランス北西部・ブルターニュ地方の町で家族5人で暮らすシェルル・オマルさんは(41)シリアの人口のおよそ1割を占める少数民族のクルド人です。 かつてはシリア北西部のアフリンで、じゅうたんや家具を作る工場を経営していましたが、2013年に内戦が続く祖国を離れフランスで家具の修理店を開きました。 オマルさんは独裁的なアサド政権の崩壊を歓迎していますが、「独裁者のアサドは去ったが、終わりではない。シリアではまだ戦争が続くだろう」と話します。 心配しているのは、アサド政権を打倒し、暫定政権を主導する「シリア解放機構」の存在です。 シリア解放機構はもともと国際テロ組織アルカイダ系の組織を母体とし、国連などからテロ組織に指定されています。