四大卒、地方中小企業の管理職、恋愛経験ゼロの童貞アラサー。 恋愛をしないまま、仕事ばかりしているとこの歳になってしまった。 三十代にもなると、地方ということもあり結婚の流れが早いのだろう、脚色抜きで自分以外の同年代はみな結婚をしている。 職場での人間関係は良好だと思うが、周囲から度々「最近ソッチはどうなのよ?」というピンク色を帯びたジャブをもらうこともあり、未だに独身を貫いている俺が奇異の視線で見られていることは明らかだ。 童貞だとは言っていない。あまりに衝撃が強すぎるからだ。 もはや俺は彼らにとって、空想上の生物と言って差し支えないだろう。 ヒトは三十にもなって女性器に自らの男根を挿入し腰を振る儀式を終えていないホモサピエンスをヒトだと認識できない。仕方の無いことだ。俺には性欲がない。これも仕方の無いことだ。 全く以て、どうしようもない。 自分には性欲がないのだと打ち明けると、周囲からは
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