健康寿命を考えるときの切り口の1つに、要介護状態があります。要介護状態になる要因は、脳血管疾患、認知症、高齢による衰弱(フレイル)、骨折・転倒、関節疾患などさまざまで、これらが健康寿命延伸を阻害しています。 また、早世と障害で失われた年数を算出した障害調整生命年(disability-adjusted life year: DALY)を見ると、健康寿命にはアルツハイマー病をはじめとする認知症がかなり強く影響していることが分かります。健康寿命の延伸には、アルツハイマー病をはじめとする認知症を抑制することが非常に大きな課題といえます。 現在、3秒に1人の割合で認知症が発症しており、2015年から2030年までに2倍、2030年から2050年にかけてさらに2倍と、比較的短期間で認知症患者が増えていくと予測されています。経済的コストも、2018年には約100兆円に膨らむと試算されています。 認知症