コンパスの針が指す方角から、文字が刻まれた標石の側面が西を向いていることが確認できる(北茨城市の栄蔵室山頂で) 茨城県北茨城市の栄蔵室(881・6メートル)の山頂に、指し示す方角を誤って埋められた「一等三角点」の標石がある。 標石は本来、四つの側面のうち文字を刻んだ面が南を向いているが、この標石は西向き。一等三角点巡りを楽しむ登山者もおり、知る人ぞ知る「珍名所」となっている。 国土地理院によると、一等三角点は三角測量を用いて地形図を作る際の基本となる基準点。全国に974点ある。標石は柱石(約90キロ)と盤石(約45キロ)でできており、地上に見えているのは柱石の一部。栄蔵室の標石は、1893年(明治26年)5月29日に旧陸軍が埋設し、その際に誤ったとみられる。この標石の上にコンパスを置くと、針の指す方角から、文字の面が西向きなのが分かる。 標石は登山者が方向確認に使う可能性もあるが、同院は、