詳細情報 多くの昆虫は、幼虫の間にエサを盛んに食べ、幼虫から幼虫への脱皮を繰り返して成長し、十分に大きくなると脱皮してサナギになり、さらにもう一度脱皮して成虫になります(図1)。幼虫からサナギ、またはサナギから成虫への脱皮は変態と呼ばれています。まだ十分に成長していない幼虫が、サナギにならずにひと回り大きい幼虫に脱皮するのは、幼若ホルモンという昆虫特有のホルモンがサナギへの変態を抑えているためです。幼若ホルモンは、幼虫の脳に付属するアラタ体と呼ばれる非常に小さな器官で作られ、体液(人でいう血液)を通して全身に運ばれて、サナギへの変態を抑えています。そのため、まだ十分に成長していない幼虫のアラタ体を外科手術により除去すると、体内から幼若ホルモンがなくなり、通常よりも早く変態し、小さいサナギになります(早熟変態)。 図1 昆虫の脱皮・変態と幼若ホルモン 幼若ホルモンは、幼虫の頭部にある脳に付属