ふとしたきっかけで「山人考」という書き物があることを知った。柳田國男による日本の先住民族についての論考なそうだ。ちょうど私は「鬼」をテーマにした本を読み終えたばかりで、自分の中でそもそもの根源の時代、「鬼=人」ではなかったろうか、山を拠点として生きた人々。また鬼は原初魔物というよりも、かえって今に言う神に近いものではなかったろうかなどと徒然に考えていたところだったので、無性にその本が読みたくなってしまった。そこで先日図書館に行って初めて柳田國男全集を紐解いたのだった。 日本民族学の父と呼ばれた柳田國男(1875~1962)は、民俗関係のみならず詩や小説なども含め、生涯に亙って幅広い分野についての著作を残しているが、その活動の前半では殊にサンカや山人など希少で特殊な生活様式を持つとみなされていた人々について研究している。彼の有名な著述「遠野物語」は1910年35才の時に書かれたもので、これは
『〈情報的世界観〉の哲学』(大黒岳彦著) 金信行氏「情報社会の存立構造を抽象化した一般理論を探求する」・・図書新聞 2024年7月13日号 [2024年7月8日]
民俗学者・谷川健一 追憶の風景 宮古島(沖縄県)(1/2ページ)2010年10月19日14時52分 谷川健一さん=高波淳撮影 沖縄・宮古島 東京の出版社で編集者をしていました。30代で『風土記日本』『日本残酷物語』の刊行を手がけ、40代初めに雑誌「太陽」の編集長を務めました。 編集は他人の言語を扱う仕事です。面白かったけれど、芯が燃えない感じがあって、物書きになりたいと願っていました。会社を辞め、筆一本で生きていこうと決めたときには、40代の後半になっていました。好きだった民俗学を志し、最初の調査地に選んだのが沖縄です。1969年でした。 一人で八重山諸島を歩き回り、帰りに寄ったのが宮古島でした。狩俣(かりまた)という集落で偶然、ウヤガンと呼ばれる祖神(おやがみ)祭りが行われていました。 ツカサと呼ばれる、神に仕える女性たちが、集落の中庭で何時間も神歌(かみうた)を歌っていました。木の葉で
→紀伊國屋書店で購入 「一尾のイワシは4日かけて食べる!」 フランスは塩が豊富だ。地中海でも大西洋でも作っているが、ブルターニュの「ゲランドの塩」は日本でも有名だろう。特に「fleur de sel(塩の花)」と呼ばれる最高級のものは、料理の素材が何であれこれだけで味付けして美味しいし、ワインと抜群の相性だ。日本ももちろん島国で海に囲まれているのだから、古来塩は豊富であったはずだ。とは言えそれは海岸部での話で、山間部では上杉謙信と武田信玄の「敵に塩を送る」というエピソードで有名なように、塩が不足していた。当然そこには塩を運搬する「塩の道」が存在する。 食料がなくとも、塩と水があればしばらく人は生きていられるとも良く聞く。だがこれほど身近な塩なのに、塩の「歴史についての研究は、昭和の初めまでわれわれの目にとまるようなものがなかった」と宮本常一は『塩の道』で語る。 揚浜式から入浜式、土釜、鉄釜
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タブーに挑む民俗学―中山太郎土俗学エッセイ集成 作者: 中山太郎,礫川全次出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る「中山太郎の復権」はじめに、のタイトルにこの書をまとめた礫川の気合いを感じる。柳田國男に師事して三十年なのに写真もほとんどない、書籍に集合写真で載ってもキャプションに名前もない、「日本巫女史」「日本盲人史」など名著を残したと言うのに!そんな中山太郎の集成本です… 。そんな中山さんなのでちょっと僻みっぽく、折口信夫が研究資料を見せてくれないとみんなの前でいって折口を怒らせたり、しかも不器用で師柳田の講演会で最前列に座ったあげく難問を柳田に浴びせたり、さらに空気も読めず大先輩の孫の名前を勝手に決めてスルーされたり、そりゃ写真もないわなといろいろ納得しなんだか目頭が…。以下面白かった
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