1966年6月、静岡県で起きた一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審(裁判のやり直し)で、静岡地裁は9月26日に「無罪」判決を言い渡した。日本には4件の死刑再審無罪事件(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)があり、袴田事件は5件目となる。 捜査機関への信頼が揺らぐ中、今年2月時点で再審請求が和歌山地裁により受理された「和歌山毒物カレー事件」への関心も高まっている。 そこで、今年8月から全国順次公開中のドキュメンタリー映画『マミー』が話題を呼び、その主要な登場人物でSNSやメディアで積極的に発信を続ける、林真須美死刑囚の長男にインタビューを敢行。 しばしば「和歌山毒物カレー事件」も冤罪疑惑は指摘されてきたが、同氏は「袴田事件」の顛末をどう受け止めたのだろうか? (後編はこちら) 『袴田事件 神になるしかなかった男の58年』(文春新書) “死刑囚の息子”として想像した袴田さんの