前回、「零度の画面」という語彙をとりあえず特徴付けてみるとして、 1 )曇天の荒廃した土地やスラムで撮影。 2 )少人数(もしくはたったひとりの)クルーで、被写体の生活環境を乱さないまま、記録するように撮影を試みる。 3 )物語の連続性が希薄で、画面の説明的要素、つまり物語が要請する期待への応答が画面にほとんど閾入しない。 4 )話者が不在である。 という要素を挙げた。これはそもそも画面がいつ途絶えてラストショットになるかもしれぬコスタやジャ・ジャンクーの画面のある厳格さを言い表すことができまいか、と思索の末に捻り出したタームであったのだが、今回はどこか類似する画面の魅力を湛えた現代映画を採り上げてみたい。図らずも2本の日本映画なのだが、国籍を超越して前回言及した画面のある厳格さを、コスタとは異なる身振りで画面に定着させているともいえるふたりの日本人作家の近作が、同年に封切りされた。そのふ
今回のインタビューはもともと新刊雑誌「Modern Freaks Vol.1(ワイレア出版)」誌上にて実施されたものである。現在、住田氏は作中の主人公同様、電動車椅子とトークエイド(キーボードを通じて音声を発する機器)を使って生活している。その為、インタビューは、住田氏とのファックスによる往復書簡という形で実現した。 映画出演へのきっかけ ── 映画『おそいひと』で主演を務められた住田さんですが、普段はどのようなお仕事をなさってるんですか?(写真は映画『おそいひと』より) 住田 「阪神障害者解放センター」という障害者運動団体で働いています。 ── 阪神障害者解放センターとはどのような活動を行ってる団体なんでしょうか。 住田 阪神障害者解放センターは、障害者の自立と差別からの解放を目指し、日夜活動している団体です。代表の福永さんを中心に仲間の障害者や支援者が協力して、平成元年に実質的に創立さ
宮台真司:こんばんわ。この映画は喜劇、コメディと司会の方がおっしゃったんですけど『人間合格』に共通している気がするんですよ。僕の解釈を申し上げるのは申し訳無いのですが、たとえば『人間合格』であればポニー牧場にある夢が家族であり、病気の妻をケアする役所広司という背景が家族の空白を埋めるのですが何も無いという感じがあります。最近、オウム真理教を巡る地域住民との吹き上がりがあるじゃないですか。あれを見ると黒澤映画っぽいなって思うんです。元々地域共同体など崩れていて地域の絆も何も無いんですよ。そこへオウムがやって来るとあたかも地域の絆があったかのようの盛りあがるんですよね。家族でも同じように娘は親父のことを毛嫌いしてるのに、そこで何かが起こるとあたかも家族の絆があったように盛りあがるわけです。それに近いような感じを黒澤映画に感じていて、本作も家族とのスケールではなく世界全体を空っぽというイメージが
8/1に『叫』DVDが発売になりました!特典ディスクの感想などもチラホラ聞こえてくるようになりましたが、皆様はいかがでしたでしょうか。さて、未収録インタビューのまとめも、とうとう今日が最終回です。 今回の分につきましては、インタビュー中にちょっと神懸かり的な、鳥肌の立つような出来事がありました・・・。映画の原理に司られていると、自然とこういうことが導かれるんだなあと感慨に耐えない場面だったので、ぜひ記しておきたいと思います。 まずは、『叫』を中心に過去作品の形式も辿りながら、黒沢清監督の独特な発想についてお尋ねした部分をお伝えします。 『叫』では、「私は死んだ、だから、みんなも死んでください」と言う、たった一人である葉月さんの幽霊の恨みが世界に滅亡をもたらします。『回路』では幽霊たちの侵略でしたが、一人きりの女性の亡霊が世界を破滅させるのは大変圧倒的であり、魅力的ですよね。なぜ、一人の女性
叫 プレミアム・エディション [DVD] 役所広司Amazon 黒沢は「Jホラー史上最恐」をねらったのかもしれない。 ありふれた幽霊物語ではある(『ドッペルゲンガー』『LOFT』のように、複数のジャンルが奇形的に組み合わさっているわけではない)。しかし、葉月幽霊(赤い服の女)は、もう一般的な、Jホラー的な「幽霊」のイメージをだいぶ過剰している。むちゃくちゃ変だ。 地震と共に現われる幽霊なんて普通おかしいだろう、というだけではない。最初に役所の部屋に現れたとき、葉月幽霊が普通にドアから帰って行ったときは、ひっくりかえった。超スローでゆっくりゆっくり近づいてきたり、壁の亀裂を破壊しながら登場したり、部屋の片隅でしくしく泣いたり、役所をベッドに押し倒したり、団地からふいに飛び降りたり、空を飛んだり(この飛び降り→飛行シーンがマジやばい。「えーっ?!」と叫んでしまった)、高飛び込みのように天井から
いよいよ本日8/1、DVD『叫 プレミアム・エディション』が発売です! 黒沢清監督インタビュー、第3回目をお送りします。引き続き特典ディスク「黒沢清監督ロングインタビュー」の未収録部分からの要約です。 叫 プレミアム・エディション [DVD] 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ発売日: 2007/08/01メディア: DVD購入: 4人 クリック: 251回この商品を含むブログ (141件) を見る まずは今回も、本題の前にインタビューにまつわることから。 インタビューの日はとにかく緊張したのですが、取っ掛かりとして、撮影準備の合間に監督へ「わたし、古澤健さんとは友達でよく飲んでます」と共通の知人の話をしました。古澤さんは昨年公開の『オトシモノ』の監督であり、黒沢監督作品では何作か演出助手を務め、『ドッペルゲンガー』の共同脚本とノベライズ本も執筆している新鋭です。インタビューが
前回(7/19)に続いて、黒沢清監督インタビューをお送りします。8/1発売のDVD『叫 プレミアム・エディション』の特典ディスク「黒沢清監督ロングインタビュー」の未収録部分です。逐語採録ではないのですが、要約もほぼ言葉を変えずお伝えしております。今日は第二回目です。 叫 プレミアム・エディション [DVD] 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ発売日: 2007/08/01メディア: DVD購入: 4人 クリック: 251回この商品を含むブログ (141件) を見る まずは本題に入る前に、当日の感想などを。 インタビューをさせていただいた折に、印象に残ったことは沢山あったのですが、ちょっとしたセッティングの合間に監督が「アア、俺喋りすぎてんなー」と独り言を言われたときに、些細なことですけど、(黒沢監督でも一人称で俺って使うんだ〜)と思いました。男性の一人称の使い分けって不思議です
8/1発売の、黒沢清監督作品『叫』のDVD。その特典ディスクに収録された、黒沢清監督ロングインタビューの聞き手を、わたくし真魚が務めさせていただいています。 叫 プレミアム・エディション [DVD] 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ発売日: 2007/08/01メディア: DVD購入: 4人 クリック: 251回この商品を含むブログ (141件) を見る 最初、インタビューアーのお話を振られた時には、正直ビビりました。わたしにとって、黒沢清監督はあまりに存在が大きすぎる・・・。監督の作品の数々は、自分が映画を観てきた経験史に、その節目となるほど楔のように打ち込まれた映画であって、ファン過ぎるゆえに、最大に嬉しい仕事が最大のプレッシャーでもありました。悩んだ末お引き受けした後も、前日なんて緊張のあまり吐きそうになったし、テンパリすぎてひたすら部屋の中で立ったり座ったりだけしてま
ヘッドライン 劇団ひとり、キスしたい相手は滝川クリステル - 『ゴッドタン〜』DVD第3弾[00:30 9/27]DVD いよいよ公開! 『アイアンマン』優待割引券を携帯でゲットせよ[21:31 9/26]映画 北島康介vs山本高広「…なんも言えねえ!」対決で火花 - ソフト上野も登場[19:31 9/26]芸能 篠原涼子、息子を抱きながらスクワットで体型維持 - ワールド新CM発表会[11:00 9/26]芸能 山田優「恋は無敵じゃない」 - ユニクロ秋冬ワンピース発表会[10:30 9/26]芸能 福田沙紀が新ユニット結成!? キャンディーズの名曲をカバー[10:00 9/26]芸能 アッキーナが"パジャマトーク"「夜はトランスで」 - KDDI「au BOX」発表会[08:00 9/26]芸能 ジョニー・デップ、ティム・バートン版『アリス』の帽子屋役に決定[21:02 9/25]映画
William Gibson's Neuromancer Finally Coming to the Big Screen! by Alex Billington May 18, 2007 Source: Variety Finally a great science fiction novel is getting adapted for the big screen! Well, not that there hasn't been a great selection of other sci fi novels in the past (like anything by Isaac Asimov or Philip K. Dick), but I have a certain affinity for William Gibson's books. His bestseller no
監督・脚本・編集大林宣彦 公式サイト きみたちの大好きな、気持ち悪い大林宣彦が帰ってきた!(笑) いや、普通に考えると、これこそ年取った大林宣彦が撮りそうな映画である。これ、実質的には『はるか、ノスタルジィ』のリメイクなんだけど、どうにもやたらと不能感ばかり感じさせる映画で、でも大林特有のべったりした感触だけはそのまま。まあこれだけ見ると「大林も年取った かな……」という印象が出てくるのもしょうがないのだが、このあとに『転校生』撮ってるわけだからな…… それにしても、大林映画ってなんでこんなに気色悪いんだろう?と見ながらしみじみ考えていたんだが、それはたぶん映画の中で人称の区別がついてな いからだな。この映画、筧利夫のナレーションで「こんな奇妙な物語はどうだろう?」てな感じではじまる。この時点では筧のナレーションは観客に向けられ たものである。つまりメタレベルのナレーションだ。でも、それ以
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