欧州における文化遺産3Dの動向:欧州委員会の報告書をもとに ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター・小川潤(おがわじゅん) 2022年4月,欧州委員会は『有形文化遺産3Dデジタル化における質に関する研究』(Study on Quality in 3D Digitisation of Tangible Cultural Heritage: Mapping Parameters, Formats, Standards, Benchmarks, Methodologies, and Guidelines,以下「報告書」)と題する報告書を公開した。この報告書は,キプロス技術大学・デジタル遺産研究所(Digital Heritage Research Lab, Cyprus University of Technology)を中心に進められた研究プロジェクトの最終報告書であり,多様な観点