2014年1月。とある中堅商社の情報システム部で働く新藤 蒼(しんどう そう)は、オフィスで1人、頭を抱えていた。 「どうしよう……」 事の発端は、3カ月前にさかのぼる。社内に約800台あるクライアントPCの運用管理を一手に任されていた蒼は、Windows XPのサポートが2014年4月に切れることを初めて知ったのだった。社内PCのOSは全てWindows XP。これを、あと半年以内に全てWindows 7へ移行しなければならない。 OS移行のプロジェクト責任者に任命された蒼は、急いで情報をかき集め、Windows 7のボリュームライセンス契約を締結する。検証用に5台のPCを確保し、ようやくWindows 7をインストールできたのは2013年も既に終わろうとしていた頃だった。そして、年明け早々に動作検証作業を進めていた蒼は慌てふためく。 「何なの、このメッセージは……」 5台の検証用PCの
